陸上競技のバイオメカニクスとは

 

スポーツバイオメカニクスは、力学的な面からスポーツにおける身体運動を研究する、スポーツ科学の中の領域の一つです。

 

 

簡単に言うと、スポーツの動作中に身体の動きがどうなっているか、どんな力が発揮されているかを分析していくことです。

 

 

しかし、この研究で示される知見を表面上の理解のみで指導やトレーニングに持ち込むと、かえって悪い結果を生んでしまうことも考えられます。

 

 

これは、人間が行う運動というものが、その人個人の「感覚」によって実行されているからです。

 

 

ここで例を挙げます。

 

「スピードが高い人は脚全体を後ろにスイングする動作が速い」
といった客観的な事実があります。

 

これをそのまま意識して
「脚を強く後ろにスイングする意識で走ろうとする」

 

と、かえって脚が遅くなってしまうことがあるのです。

 

 

これは脚を前方へ引き出す、前方スイングのタイミングが遅れ、後方スイングのための準備が十分できず、結果的に後方スイングのスピードが低下してしまうといった原因が考えられます。

 

 

 

このように、バイオメカニクスで示されるのは、客観的にみた「良い動作の目的地」であり、必ずしも「良い動作意識」ではないことに注意が必要です。

 

 

ですので、その目的地に行くために、その知見を活かしてどのように個人の「感覚」に落とし込むかが重要となります。

 

 

さらに、目的地は一つであっても、個人の感覚というのは個人の数だけ無数にあるため、練習で試行錯誤を繰り返しながら、技術の最適化を図っていかなければなりません。

 

 

ですが、この「良い動作の目的地」を知っているか、知らないかで動作改善に対するアプローチは変わってくるはずでしょう。

 

 

そういった意味でも、スポーツバイオメカニクスの知見を深めておくことは重要だと言えます。

 

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