脚が地面から離れて、前方へ引き出していく局面の効率的な動きについて紹介します。離地後は、高い後方スイングスピードの影響により下肢が後方へ、自分の重心に対して相対的に高い速度で取り残されることになります。
ここから、脚をより早いタイミングで前方スイングに切り替えられなければ、俗に言われる「脚が流れる」という現象が起きます。
この「脚が流れる」現象が起きると、次の接地時に、回復脚がより後ろに残った状態になりやすくなってしまいます。すると、膝を十分に引き出して次の接地の準備をすることができないまま、接地に向かい、過度に前のめりになってしまったり、接地位置から重心が大きく後ろに残ったままになり、接地時間が間延びしてしまう・・・という問題につながりやすくなってしまいます。
前者の脚の流れによる前のめり・・・は、2015世界選手権(北京)男子100m決勝における、ガトリン選手のラスト20mのようなイメージです。
参考動画
スプリントの指導上よく使われる言葉に「素早い挟み込み(シザース)」といった表現がありますが、これは上記2つの問題を改善するための手段として用いられている言葉です。
このように、フォロースルーからフォワードスイングでは、より早いタイミングで後方スイングから前方スイングに切り替えられるような動きが重要となります。
しかし、「足が流れているように見える」としても、フットストライク(接地の瞬間)やミッドサポート(乗り切り)のポジションで、前方スイング脚が遅れていなければ(支持脚の膝と並ぶか追い越しているくらい)そこまで気にする必要はないでしょう。
足が流れるように見えるのは高い後方スイングスピードの結果ともいえますので、「足が流れていないか」よりも「前方スイングが遅れていないか」に着目する必要があるでしょう。
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