平行筋と羽状筋

☆筋線維の並び方に違いがある

 

「トレーニング効果をパフォーマンスにつなげるためには?」

 

において、筋肉は筋肉であり、その筋肉を使えるようにするための練習が、パフォーマンスアップに重要であるということを紹介しました。

 

しかし、筋肉は筋肉であっても、それぞれ構造が異なる筋肉が存在し、その構造の違いによって、得意な力の出し方が変わってくるのです。

 

その構造の違いの一つに、筋線維の並び方があります。

 

この筋線維の並びが、筋肉の長軸に向かって平行になっている筋肉を「平行筋」、鳥の羽のように、少し斜めになっている筋肉を「羽状筋」と言います。

 

 

 

 

この「平行筋」と「羽状筋」はそれぞれ違った特徴があるのです。

 

 

 

☆平行筋はスピード!羽状筋はフォース!

 

平行筋は筋線維が平行に走っています。

 

よって、1本の筋線維が縮む距離は筋肉全体が縮む距離と一致するのです。

 

筋線維が3cm縮むと筋肉全体も3cm縮むということになります。

 

 

しかし、羽状筋は筋線維が斜めに走っているため、筋線維が3cm縮んでも、筋肉全体は1cmほどしか縮むことができません。

 

 

同じくらい筋線維が縮んだとしても、平行筋の方が羽状筋よりも、筋肉全体としては大きく縮むことができるのです。

 

つまり、平行筋の方が筋肉の収縮スピードが速くなるということです。

 

 

 

一方、羽状筋にも長所はあります。
平行筋のように高いスピードは出せないものの、羽状筋は一つひとつの筋線維が短く、より多くの筋線維が詰まっていることになります。

 

そのため、平行筋よりも強い力が発揮できるのです。

 

 

 

 

☆伸筋には羽状筋、屈筋には平行筋が多い

 

さて、皆さんはカニやクワガタに挟まれたことはありますか?

 

カニやクワガタのハサミは非常に強力で、挟まれるとなかなか離れてくれません。

 

カニを食べるとき、中身は非常に短い線維がたくさん詰まっています。

 

そう、これが羽状筋です。

 

加えて、非常に強い力を発揮できる割には、カニやクワガタのハサミは速くは動きませんよね?

 

 

ヒトの場合は、四肢を伸ばす筋肉には羽状筋が多く、曲げる筋肉には平行筋が多いです。

 

ふくらはぎの筋肉や前腿の筋肉も羽状筋です。

 

これらは大きな力を出すのに都合のいい作りがされています。

 

一方、腕を曲げる上腕二頭筋は代表的な平行筋です。

 

また、太ももの裏の筋肉であるハムストリングスは膝を曲げるだけでなく、股関節を伸ばす役割があるので、筋線維の傾きが小さい、平行筋に近い羽状筋の作りになっています。

 

 

このように、腕や脚を伸ばすのに必要な筋肉ほど、羽状筋が多く、曲げるのに必要な筋肉は平行筋に近い作りが多いのです。

 

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