人間本来のバランスが崩れるから筋トレはダメ?

☆筋力は本来アンバランス

 

「平行筋と羽状筋」などで説明してきた通り、四肢の屈筋にはスピードや可動性の高い仕組みが多くあったり、伸筋には力を出すのに有利な仕組みが多いです。

 

よって、筋力の面でみると、伸筋群よりも屈筋群の方が弱い。

 

すなわち、膝を伸ばす筋力よりも、膝を曲げる筋力は本来弱くなっていると言えます。

 

 

 

 

☆元々のアンバランスなままだと良くない

 

しかし、短距離走の選手や跳躍選手ともなると、膝を伸ばす筋力と、膝を曲げる筋力を連動させる必要が出てきます。

 

なぜなら、地面をキックする際は、膝や股関節を伸ばすために、大腿四頭筋などの伸筋を使いながらも、膝を安定させるためにハムストリングスなどの屈筋も同時に働かせなければならないからです。(ハムストリングスには膝を曲げるだけでなく、股関節を伸ばす役割もある。)

 

 

 

 

 

 

この時、大腿四頭筋などの伸筋が強く、ハムストリングスなどの屈筋が弱いという本来のバランスのままだと、うまく地面をキックすることができなくなります。

 

このままだと、大腿四頭筋の筋力に耐えられず、ハムストリングスが肉離れを起こしやすくなったり、脚の持つ力を十分に発揮できなくなったりするのです。

 

 

短距離走、跳躍の選手はトレーニングを積むことで、競技のパフォーマンス発揮に適応するように、ハムストリングスや内転筋群などの拮抗する筋肉をする必要があり、競技をしていると自然とそのような形態に変化していくようになります。

 

 

「身体本来のバランスが崩れてしまうから、ウエイトトレーニングなどの筋力トレーニングはしない方が良い。」

 

と言った主張は、その点で非常に的外れであるとも言えます。

 

 

筋力という視点で見れば、本来身体が持つ筋力はアンバランスであり、競技の特性によって、最適なバランスは異なってくるからです。

 

競技に適したバランスを追求するために、トレーニングをするのであって、決して人間本来の筋力バランスを維持しなければならないわけではありません。

 

しかし、間違ったトレーニングをすると、競技に適したバランスから遠ざかってしまいます。

 

 

したがって、トレーニングをするときは、自身が目的とするパフォーマンス発揮に、最適なバランスというものを把握する必要があるのです。

 

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