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等尺性・等張性・等速性とか「もうわけが分からない」人へ

ややこしい「等尺性・等張性・等速性」の覚え方

筋収縮とは、筋肉が筋肉の中心に向かって縮むことで、力を発揮することです。そして、この筋収縮には、その力の大きさや筋肉の長さの変化によって、様々な種類があります。

 

「等尺性・等張性・等速性収縮」などがその代表例で、名前が似ていてややこしい気持ちは分かります。しかし、これらを語呂で覚えたりしてはいけません。その単語の意味を理解すれば超簡単だし、本来そうすべきだからです。

等尺性収縮(アイソメトリック:isometric)

「尺」・・・とは、「長さ」を表す。つまり「筋肉の長さが変わらない収縮」

 

 

トレーニングジムに行って「レッグエクステンションマシン」を使い、力を込めながらもパッドを途中でピタッと止めてみましょう。この時、筋肉は力を発揮しながら、長さを変えないように我慢している状態です。これが「長さが変わらない収縮」、すなわち「等しい尺の収縮」「等尺性収縮」です。

 

ちなみに握力計や背筋力計では、持ち手のグリップの位置はほとんど変わらない中で、筋力を測定します。つまり、そこで計測されているのは等尺性の最大筋力というわけです。

 

また、等尺性収縮は英語で「アイソメトリック(isometric)」収縮と言います。「iso」が「等しい」、「metric」が「長さ」を表す単語で、組み合わせて「アイソメトリック(isometric)」です。

等張性収縮(アイソトニック:isotonic)

「張」・・・とは「張力」のこと。つまり「等しい張力」での収縮

 

 

レッグエクステンションマシンでトレーニングしているとします。このマシンは重りが滑車につながっているため、どの膝の角度であっても、かかる負荷が一定になります。

 

この時、筋肉が発揮している「張力」はずっと同じです。すなわち「等しい張力」での収縮、「等張性収縮」です。

 

ちなみにこれは英語で「アイソトニック(isotonic)収縮」「iso」が等しい、「tonic」が張力を表します。組み合わせて「アイソトニック(isotonic)」です。

 

 

※厳密な等張性収縮は観察できない?

「パッドを動かし始める時(加速度を与える時)に発揮している筋力」は、「パッドを動かしている最中の筋力」
よりも、大きくなってしまいます。

 

車を発進させるときは大きな力が必要ですが、ある程度スピードが上がったら、少しの力でもそのスピードを維持し続けられるイメージをするとわかりやすいかもしれません。

 

よって、見かけ上は等張性収縮であっても、実際の運動時に、筋力は大きく変化する場合が多いので、真の意味での等張性収縮はなかなか観察することができません。

 

等速性収縮(アイソキネティック:isokinetic)

「等しい速度」での収縮・・・「等速性収縮」

 

 

これはその言葉のまま、一定のスピードでの筋収縮のことです。レッグエクステンションマシンで、パッドの角度が一定の速度で変化している状態が、まさしく等速性収縮です。

 

筋肉が縮む速度を一定にしたまま、その時に発揮できる筋力を測ることで、速い収縮スピードで力が発揮できるのか、遅い収縮スピードで力を発揮するのが得意であるのかを測定することができます。

 

特にスプリンターでは、高い速度で筋力を発揮する能力が高いと言われており、一般人の比較して高い速度域での「等速性筋力」が高いと言われています。

 

ちなみにこれは英語で「アイソキネティック(isokinetic)収縮」「iso」が等しい、「kinetic」が運動、速度です。組み合わせて「アイソキネティック(isokinetic)」です。

参考文献

・石井直方(2015).石井直方の筋肉の科学.ベースボール・マガジン社.

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