なぜそれ以上最大スピードが上がらないのか?(陸上短距離)

 

〜なぜに、スピードが?それ以上高まらないのか?〜

 

 

 

以前、為末大さんや東洋大の土江先生がTwitterにて、

「どうやったらスピードが高まるか?」ではなく、「何が自分のスピードを制限しているのか」から考えることの重要性について語られておりました。

そこで今回は「最大スピードの制限要因」についてまとめてみた次第であります。ご査収ください。

 

 

 

 

接地時間の限界

走る時は身体を宙に浮かせる必要あり

走る速度が高いほど、接地時間は短くなる

 

接地時間がすごく短くなると「身体が弾む前に接地が終わる」→潰れる。

それ以上接地時間を短くできない

すなわち、それ以上加速できない・・

接地が超短時間になると弾めなくなるからそれ以上速くならない

 

 

 

超短時間になると弾めなくなるからそれ以上速くならない

超短時間で弾めるようになれたら解決

そのためには・・・

短時間で大きな力を

下に加えられることが大事!

 

 

 

 ここでちょっと、フォームのお話

 

 〜短時間で大きな力を下に加えられない人の走り〜

足をより前方に接地して、ブレーキをかけて接地時間を長くすることで、身体を宙に浮かせる力を補っている

俗に言われる

「ベタベタ走り」

「ヒールストライク」

 

 

膝や足首を伸ばすように使って、身体を宙に浮かせる力を補っている

 速い人の足首は固定されてるように見える

すごい人は接地中、支持脚の膝が曲がり続ける

→同じように股関節を動かしても進む距離がちょっと違う

→または股関節を小さく動かしても前に良く進める

よって、走ってる時の重心は

低くできた方が良い

でも「腰を高く!」の指示で

姿勢が良くなる人は一定数いると思われる。

 

 

 

短時間で下に大きな力を加えるためには?

その@ 強い衝撃に耐えられる身体(特に膝や足首)を作る

・・・俗に言う「接地で潰れにくい脚」

アキレス腱や膝周りの組織を固いバネのように使えることが大事。だから速い人の足首周りの組織はめちゃくちゃ硬いことが多く、アキレス腱がくっきりしてることが多い。美脚。すき。

硬いばねのように使えるためには一瞬で筋肉を硬くできることがとても大切。硬くできるために筋力、筋肉量は基礎となる。

 

 

 

 

じゃあ何したらいいの?

とても短い時間で大きな力を発揮できるようにする・全力スプリント、トーイングなど、とにかく短い接地時間で身体を浮かせないといけない状態を体験させる

少し短い時間で大きな力を発揮できるようにする・ハードルジャンプ、バウンディング、上り坂、階段ダッシュ、縄跳びも良さげ

足首や膝(股関節も大事)を伸ばす筋力を高める・出力系のウエイト

足首や膝(股関節も大事)を伸ばす筋の量を増やす・肥大系のウエイト

 

※レベルが高まるほど、筋量や最大筋力と超短時間で力を発揮できる能力との関係は弱くなる(というか無くなるのでより専門的なトレーニングを…)。

※短い時間の力発揮は得意だけど、少し長めの時間での力発揮は苦手な人はいる(速いのにジャンプ系が苦手)。逆の人もいる。

 

 

短時間で下に大きな力を加えるためには?

そのA 遊脚や腕を使って下に力を加える補助をする

遊脚を早いタイミングで一気に高い位置に引き上げることで、地面に力が伝わる

この視点が抜けてる人は多い

腕も多分使える

これができないと足首や膝を余計に伸ばすように使わないといけなくなる

脚が前に出てこなくて、支持脚で余計に蹴っちゃう、400mのラストで、もがいてるような走りになっちゃう。

 

 

 

 

速く走ってると、支持脚は相対的に高い速度で後ろに流れる

高い速度で後ろに流れている脚を一気に前に引き出すには強い筋力、パワーが必要になる

股関節屈曲に関わる筋肉(腸腰筋、内転筋)の強さが大事になる。(腕も?)

早いタイミングで膝の向きを前に

つま先は下がらない方が良い

 

 

 

 じゃあ何したらいいの?

股関節、腕を曲げる筋の量を増やす・肥大系のウエイト

股関節、腕を曲げる筋力を高める ・ 出力系のウエイト

スプリント動作につなげる・動作を意識したスプリント、腿上げドリル、ミニハードル走、腿上げを意識した坂ダッシュ等

 

※腸腰筋と内転筋のサイズはすごく大事。すごーく大事。

※重りをつけて腿上げしたり、ドリルをひたすらやって筋力トレーニングにするのもアリ。

※SNS上で腿上げは意味がないと主張されてる方が一定数いらっしゃいますが、そんなことはないです。反論ございましたらお願いします。

 

 

 

短時間で弾めるようになるために・・・もう一つ

そのB 発揮できる力に対して軽くなる。

頭がデカくなって重くなったとします。

重い身体を浮かせるには、もっと大きな力が必要になります。

接地時間を長くしたり、膝や足首をより伸ばすように使って、身体を浮かせる力を補わないといけなくなります。

したがって、おデブになると遅くなる。

※成長期や筋を大きくしたい時は、ある程度脂肪があった方が良かったりするので減らしすぎ注意。怪我のリスクも増える。回復も遅れやすくなるっぽい。

 

 

 

水平への力発揮の限界

後ろに力を加えると前に進みます

 

 

 

 

 

〜後ろに力を加える方法〜

@支持脚で押す

A遊脚を前に引き出す

Bその他の部位を前に引き出す

これらを使って地面を押し続けられたらどこまでもスピードは上がる

 

 

 

しかし・・・

筋肉は速く縮むほど、力を発揮しにくくなる性質がある

 

 

 

 

 

だから、走るスピードが上がると後ろに力を加えづらくなる

それ以上加速できない・・・そこがスピードの限界点

 

 

 

 

走るスピードが上がると後ろに力を加えづらくなる・・・

高い速度でも力が発揮できるようになれれば解決

練習例)高いスピードで走るとかしかないんじゃないですかね

(全力スプリント、下り坂、トーイング走など?)

 

 

 

 

 

 〜その他のアプローチ〜

少し遅い速度での力を高める

ウエイトなんかで「まず」向上するのはこの辺

すると、高い速度の時でも力発揮できるポテンシャル(あくまで)は一応高まる

 

 

 

でも、一時的にこうなったりするから注意

低い速度の力発揮はUPしたけど・・・

高い速度の力発揮は変わってない

必ず高い速度で力発揮する練習を

 

 

 

 

 水平への力発揮の限界を突破しよう

@ABに関わる筋量を増やす

@ABに関わる筋力を高める

やや高い速度での力発揮を高める

高い速度で力発揮できるようにする(最終的にはここに辿り着かなきゃ何にもならない)

※これもレベルが高まるほど、筋量や最大筋力と高速での力発揮能力との関係は弱くなる(というか無くなるのでより専門的なトレーニングを…)。

 

 

 

 

 

ピッチの限界(接地時間や水平のお話とも関連しますが)

これを高速で繰り返したい!

でもこれ以上ピッチが上がらない!

それ以上速く走れない!

 

 

 

 

 

何でピッチが上がらないのか?

この局面では、四肢がそれぞれ矢印の方向に動いてる

それらの動く向きをいち早く変えないと次の接地に間に合わない

 

 

 

 

矢印の方向に動いているものに「強いブレーキ」をかけるほど、素早く運動の方向を変えられる

このブレーキが弱いと素早く次の動作に移れない=ピッチが上がらない

体幹を回旋させる筋でブレーキ

肘肩を伸ばす筋でブレーキ

肘肩を曲げる筋でブレーキ

ハム、臀部、内転筋でブレーキ

腸腰筋、内転筋でブレーキ

ハムでブレーキ(足は膝の下あたりに落とす。ひっかくように叩かない)

強いブレーキを発揮できたら解決

 

 

 

じゃあ何したらいいの?

筋量を増やす・肥大系のウエイト

ブレーキをかけるような筋力を高める・出力系のウエイト、ブレーキをかけるようなトレーニング(ネガティブ、エキセントリックと言われるやつ※ググってください)

実際の走りでピッチを高める・動作を早く切り返すことを意識できるドリル、スプリント(ミニハードル、砂浜など?)

※特にハムストリングが弱くて、ブレーキをかける能力に乏しいとハムを肉りやすい。

 

 

 

 まとめ

今以上に速く走れないのは・・・

接地時間の限界

水平への力発揮の限界

ピッチの限界

があるから。

 

 

 

だから、今よりも・・・

素早く次の動作に移れるように

高速でも推進力が発揮できるように

超短時間で下へ大きな力が伝わるように

することが大事で、ここを目標にしたトレーニングをしないといけない。

 

 

 

 

 

トップページへ

 

Power Point資料ページへ

 

練習計画立案等、各種ご依頼はこちらから(メールでのやり取りのみ無料)

トレーニング計画立案の基礎

これらがすべてではありませんが、参考までに。トレーニング計画を立てる上で注意すべき事柄を紹介していきます。何も行動せずにパフォーマンスは上がりません。練習は必要。逆上がりが上手くなりたければ逆上がりの練習をしますよね?競技そのものの練習はおろそかにしてはいけません。例えば二重跳びがしたいとき。太りす...

≫続きを読む

練習の考え方(筋肉のみのお話・トラック競技)

ここでは具体的にどう練習メニューを立てたらいいの?(トラック競技編)について考えていきます。物理的にこうなります。これ以降は有料(300円)となります。興味があればご覧くださいませ。↓↓↓↓↓(note様)へ

≫続きを読む

瞬発系アスリートにおける栄養摂取の基礎(増量・減量の際に注意すべきこと)

トレーニングだけでは競技でのパフォーマンスを向上させ続けることは難しい。ここでは増量・減量と栄養摂取のアレコレについて考える。これ以降は有料(300円)となります。興味があれば御覧くださいませ。↓↓↓↓↓(note様)へ

≫続きを読む

筋肥大のトレーニングにおける優先順位を考える

ベストパフォーマンスを発揮するための「ベスト体重」なんて言葉もありますけど、それじゃあ技術や筋肉の持久力その他の能力が向上しない限りパフォーマンスの向上は望めませんからねぇ。楽して筋肉は付かないということ。(一日30秒のトレーニングでバキバキの身体が手に入るだってぇ!?へえへえ$%&ん;;。:kmm...

≫続きを読む

減量時の栄養摂取における優先順位を考える(スポーツとダイエット)

某フィットネスクラブでの研修会にて用いた資料になります。陸上競技、その他諸々にも通じる部分があると思われますので。参考にしていただければと思います。フィットネスクラブに入会されるお客様の主な目的…痩せたい!筋肉をつけたい!いわゆるダイエットというお客様のニーズに沿ったアドバイスができるというのはトレ...

≫続きを読む

ハムストリングの肉離れを防ぐ

スプリンターが最も恐れる怪我。ハムストリング(腿裏)の肉離れについて。どのような場合に肉離れを起こすのか、どのような人が肉離れを起こしやすいのか。これらを基に、肉離れの予防方法を考える。これ以降は有料(300円)となります。興味があれば御覧くださいませ。↓↓↓↓↓(note様)へ

≫続きを読む

なぜそれ以上最大スピードが上がらないのか?(陸上短距離)

〜なぜに、スピードが?それ以上高まらないのか?〜 以前、為末大さんや東洋大の土江先生がTwitterにて、「どうやったらスピードが高まるか?」ではなく、「何が自分のスピードを制限しているのか」から考えることの重要性について語られておりました。そこで今回は「最大スピードの制限要因」についてまとめてみた...

≫続きを読む