トレーニングの進め方(トレーニング手段・方法を決める)

 

目標を立てることができたら、次はそれを達成するためのトレーニング手段を決めなければなりません。

 

 

そこには技術を高めるための手段であったり、体力、戦術、心理など様々な面から手段を選択することができます。

 

 

さらに目標達成のために体力トレーニングが必要だとしても、その体力というのは筋力なのか、持久力なのか、はたまた柔軟性なのかを考えて、適切な手段を選んでいく必要があります。

 

 

ここからは、このトレーニングの手段の種類について紹介していきます。

 

 

 

☆トレーニング手段の分類

 

ここでいうトレーニングとは、競技力を高めるための様々な行為やその過程全体のことを指すものとします。

 

このトレーニング手段は以下のように大きく分ける事ができます。

 

 

@試合そのもののトレーニング
 
A試合の1部分のトレーニング
 
B競技力の構造に直結した要素のトレーニング
 
C競技力の構造に直結はしないが、貢献すると思われるトレーニング

 

 

 

陸上の100m走で考えると

 

@は「100m走のレース」
Aは「スタートから30mまでの加速」など
Bは「トップスピード向上やその維持を目的とした150m」など
Cは「脚伸展筋力強化のためのスクワット」など

 

 

と、なります。

 

 

 

Cに向かうほど、基礎的なトレーニングと呼ばれ、@に向かうほど専門的なトレーニングと、一般には呼ばれています。

 

これらのどれが欠けても高いレベルまで競技力を向上させることは困難となります。

 

 

☆体力と技術

 

競技力を向上させるにはその競技における選手の「動作」を変えることが必須です。

 

この動作を良くするには「技術」と「体力」のいずれかの向上が必要となります。

 

 

そしてこの「技術トレーニング」と「体力トレーニング」とでは、その向上の過程がそれぞれことなります。

 

 

技術トレーニングでは、脳の運動制御機構や運動プログラム、神経系の要因を変化させていくことが重要です。

 

これによって運動の技術は変化します。

 

そのためには、専門のスポーツの技術につながるようなドリル系のトレーニングやコツを掴むための運動などがトレーニング手段となります。

 

 

 

このようなトレーニングを継続していくと、はじめは試行錯誤を繰り返しながら、なかなか上手くその技術を行うことが難しい期間が続きますが、突然動きが変わる、できるようになるような状態が現れます。

 

それをさらに継続していくと次は意識をあまりせずともその技術が自然に出てくる状態へと変化します。

 

 

 

 

一方、体力トレーニングは、筋肉や腱、心臓や肺を強化して、高い出力を発揮できる状態やその出力を維持できる状態を高めていくことが重要です。

 

そのためには、過負荷の原理に基づいて、適切な負荷で身体各組織、器官の機能を高めていかなければなりません。

 

 

 

このトレーニング効果を得るためにはトレーニング刺激と休息のバランスが非常に大切であり、この向上の過程にはよく、超回復の原理が用いられます。

 

 

 

☆全ての運動は体力トレーニングでもあり、技術トレーニングでもある

 

例えばハードルを連続して両脚でジャンプしていくトレーニング手段があるとします。

 

このハードルジャンプトレーニングは、接地の瞬間にかかる強い衝撃に耐えながら身体を一瞬で空中に浮かせることが必要な運動です。

 

そのため膝回りや足関節周りの筋肉や腱の爆発的なパワーを向上させる体力トレーニングとなり得ます。

 

しかし、このハードルジャンプには接地の瞬間の腕の振込のタイミング、接地に備える動作、脚の筋肉を予め緊張させておくこと、など、様々な技術要素を含み、これが競技力向上の一つのキッカケ、すなわち技術トレーニングにもなり得ます。

 

このように考えるとどのトレーニングにおいても、体力トレーニングと技術トレーニングというような厳密な線引きはできないことに気付くことができるでしょう。

 

トレーニング手段を、技術と体力に分けて考えることはトレーニングを円滑に進めていく上で有用な側面もあります。

 

しかし、実際のトレーニングは技術と体力が相互に関係し合ったものであることを忘れてはいけません。

 

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