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100mH・110mHのレースパターン

100mH・110mHのレースパターン

 

100mHや110mHでは、スタートから1台目までの区間である、アプローチ局面で急激な速度の立ち上がりをみせ、比較的変化の小さい速度変化を最終ハードルを越えるまで続け、最終ハードルからゴールまでのランイン区間で速度の上昇がみられます。男女でレースパターンは非常に似ていますが、記録レベル別に最高速度が出現する区間が異なる傾向があるようです(宮下,2012)。

 

※宮下(2012)より作成

 

※川上ほか(2004)のモデルタッチダウンタイムより作成

 

 


100mH/110mHの相対スピード変化

※宮下(2012)より作成

 

14-16秒台の選手では1-3台目あたりで最高速度が出現する傾向があります。そして13秒台の選手になると4-6台目付近で最高速度が出現しやすいと言われています。

 

また、初心者など「インターバルを3歩で走るのがやっと」という選手では、1台目から2台目の最初のインターバルで最大スピードを迎えやすいです。なぜなら、3歩で走るのがやっとで、その後加速しているどころではない場合が多いというわけです。

 

なので、初心者がまず目指すべきは、スタートから3台目~5台目までをしっかり3歩で刻めるように、スピードを向上させることだと言えます。インターバル後半の持久力はそのあとと言えるでしょう。

 

また、世界トップ(13秒前半)で活躍するためにも、スタートから第4~5インターバルでの最大スピードをどれだけ高められるかが重要だと言われています(柴山ほか,2019)。

 

したがって、トレーニングでの基本は、どのレベルであっても「最大スピード」を高めるトレーニングにあるべきことが伺えます。

モデルタッチダウンタイム

タッチダウンタイムとは、ハードルクリア後の着地瞬間を基に計測されたタイムのことを指します。幅広いパフォーマンスレベルのタッチダウンタイムから求められた、区間タイムの目安についてここで紹介します。

 

 

 

 

目標のタイムで走るためには、おおよそハードル間何秒を切る必要があるのかが見えてきます。

 

これらのようにハードル種目におけるレースパターンの分析は、自身のレースにおけるタッチダウンタイムと、目標とするパフォーマンスのモデルタッチダウンタイムを容易に比較でき、練習の指標を作ることができます

 

試合や練習の動画をストップウォッチ片手に分析してみましょう。

 

 

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参考文献

・宮下憲(2012)スプリント&ハードル.陸上競技社,pp.112-113.
・川上小百合, 宮下憲, & 志賀充. (2004). 女子 100m ハードル走のモデルタッチダウンタイムに関する研究. 陸上競技紀要, 17, 3-11.
・柴山一仁, 貴嶋孝太, 森丘保典, & 櫻井健一. (2019). 一流 110m ハードル走選手のレースパターンと競技パフォーマンスの関係. 体育学研究, 64(2), 475-485.

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