「基礎代謝」とは?

 

基礎代謝(Basal Metabolic Rate:BMR)は、人間が覚醒状態にあるときに、生命活動を維持するうえで、必要最低限のエネルギー量のことを指します。

 

 

基礎代謝量の測定は、「前日食べたものが完全に消化されている朝、排便を済ませたあと、仰向けの状態で起きたまま」行われます。

 

 

このような状況を設定するのが難しい場合は、30分以上安静状態で過ごした後、同じように仰向けになり測定を行う場合もあります。こちらの場合は「安静時代謝(Resting Metabolic rate)」と呼ばれ、基礎代謝よりもやや高い数値が出ます。

 

 

ちなみに、睡眠時の代謝は基礎代謝よりも低くなるので、「基礎代謝は寝ているときに消費されるエネルギーである」という説明は、厳密にいうと間違いです。

 

 

しかし、寝たすぐあとは、食べ物が体に残っているなど、寝る前の活動の影響があるため、基礎代謝よりも代謝は高くなることもあります。これらを考慮すると、睡眠時の平均の代謝量は、基礎代謝と大差なくなるので、上の説明はあながち間違いでもないかもしれません。

 

 

 

年代・性別による基礎代謝量の違い

 

図は、各年代、性別による基礎代謝量の違いを示したものです。

 

 

 

(※厚生労働省「日本人の食事摂取基準策定検討会」報告書(2014)より)

 

 

 

20歳の男性で、1500kcal程度、女性では1100kcal程度となっています。これは、1日何もしなくても、男性なら1500kcalはエネルギーを消費しているということです。お米に例えると、約3合ほどの量になります。

 

 

1日のエネルギー代謝のうち、基礎代謝量はその約6割を占めるといわれています。すなわち人間の主なエネルギー消費は基礎代謝によるものだということです。

 

 

 

基礎代謝は何のために使われたエネルギーか?

 

基礎代謝は、体温調節や心臓を動かすこと、神経の活動、さらには細胞内外のイオン濃度勾配を維持することにも使われています。

 

 

体温調節や心臓の活動に関してはイメージが浮かびやすいですが、細胞内外のイオン濃度の維持…と言われてピンとくる人は少ないのではないでしょうか?

 

 

簡単に説明しておきます。

 

細胞の内側と外側には多くのイオンが存在しています。このイオンは細胞膜を隔てて、外側の濃度が高くナトリウムイオン(Na?)が多く、内側にカリウムイオン(K?)が多い状態が保たれています。この状態が筋肉や神経を働かせるのに重要な働きを担っています(どのように役立っているのかは、ここでは省略)。

 

 

 

 

 

内側と外側での濃度の違いはナトリウムポンプ(Na?―Ka?ATPase)という酵素の働きによるもので、このポンプの働きによって3つのNa?を外に汲み出し、2つのK?を内側に取り込んでいます。

 

この時に使われるエネルギーが、全基礎代謝量の30%を占めるといわれているのです。

 

 

 

 

臓器別の基礎代謝量

 

 

(※Gallagher, D. et al. (1998). Organ-tissue mass measurement allows modeling of REE and metabolically active tissue mass. より)

 

 

臓器別に基礎代謝量を比較すると、常に活動している心臓や、肝臓、脳の割合が高いことが分かります。そして最も割合が高いのが、骨格筋です。

 

 

しかし、重量1sあたりで考えると、筋肉は1sあたり、1日13kcalほどしかありません。肥満予防のために筋肉を1kg増やしたとしても、1日13kcalしか基礎代謝は上がらない…ということになります。筋肉を1kg増やすとなると相当な時間と労力が必要になりますが、たった13kcalでは飴玉1つ程度です。大した減量効果は見込めないことになってしまいます。

 

 

 

では、筋肉をつけることはダイエットには効果的ではないのでしょうか?

 

 

 

実はそんなことはありません。

 

 

1日13?とはいえ、1年では体脂肪600g程度のエネルギー量になります。また、13kcalというのはあくまで基礎代謝です。活動しているときのエネルギーは考慮されていません。筋肉量が多ければ、その分多くのエネルギーを消費できることにもなりますし、筋肉量を増やす過程では、かなりの筋力トレーニングを行わなければなりません。その過程で消費されるエネルギーのことを考えれば、13kcal以上の減量効果は十分見込めるといえるでしょう。

 

 

また、筋肉を鍛えることは筋肉量を増やすだけでなく、骨密度を保つことにもつながります。骨折による寝たきりの状態や、筋肉量の低下により活動的な状態が減ることで、肥満に陥りやすくなることが近年問題視されていることも考えると、やはり健康を保つために、筋肉量を維持向上させようとすることは重要です。

 

 

 

 

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