糖質制限に体重減少効果は本当にあるのか?

 

「糖質制限」や「炭水化物抜きダイエット」という言葉が蔓延る現代ですが、糖質を制限した食事がダイエットに効果的である根拠はどこにあるのでしょうか?少し詳しく見ていきましょう。

 

 

 

糖質制限はダイエットに有効と言われる理由

 

糖質を摂取すると、腸から吸収され、その糖は血中へと移動します。

 

 

糖は血中に無限にため込むことができないので、インスリンというホルモンを出して、筋肉や肝臓、脂肪細胞にその糖を保管しようとします。筋肉や肝臓にはグリコーゲンとして、脂肪細胞へは脂肪として蓄積されることになります。

 

 

このインスリンには「@筋肉や肝臓に糖を取り込む働き」「A脂肪合成を高める働き」「B脂肪分解を抑える働き」と、3つの働きがあります。したがって、このインスリンがあまり出ないようにすれば、脂肪の蓄積は抑えられることになります。

 

 

これを利用して、肥満予防をしようというのが、糖質制限食が有効だとする理由です。

 

 

 

 

糖質制限はダイエットに本当に有効なのか?

 

理論的に糖質制限が有効だといわれていても、実際にどうなのかはまた別の話です。

 

 

このことに関して、糖質制限食と一般的な食事で、減量効果に差があるかどうかを調べた研究をいくつも集め、総合的に糖質制限の効果を検証した研究があります(Naudeほか,2014)。

 

 

これによると、糖質制限食と一般食では、減量効果にほとんど差がないことが示されています。結局は消費カロリーと摂取カロリーのバランスが重要であり、糖質を制限したからと言って、特別な減量効果が期待できるわけではないということです。

 

 

また、糖質制限食は死亡リスクが高くなるという研究結果(Notoほか,2013)も存在しています。

 

 

 

糖質制限はよくないのか?

 

普段から主に糖質によるエネルギー摂取が多い人が、糖質制限を行えば、摂取エネルギーは大幅に減り、体重が減少するのは当たり前です。これは、糖質を制限した効果というよりは、大幅なカロリー制限を実施した結果であると言えます。

 

 

しかし、極端なカロリー制限だけでは筋肉量は維持しにくく、糖質を制限することは実際の食生活とはかなりかけ離れたものになるため、ストレスも大きくなるでしょう。

 

 

体重が減る=健康になる

 

 

というわけではなく、心身ともに充実した食生活を送ることが先決です。そのためには、長期的に続けられるような食生活のスタイルを探していかなくてはなりません。

 

 

ダイエットを急ぐあまり、極端な糖質制限に走ることは現時点ではあまりお勧めできないといえるでしょう。

 

 

 

参考文献

・Naude, C. E., Schoonees, A., Senekal, M., Young, T., Garner, P., & Volmink, J. (2014). Low carbohydrate versus isoenergetic balanced diets for reducing weight and cardiovascular risk: a systematic review and meta-analysis. PloS one, 9(7), e100652.

 

・Noto, H., Goto, A., Tsujimoto, T., & Noda, M. (2013). Low-carbohydrate diets and all-cause mortality: a systematic review and meta-analysis of observational studies. PloS one, 8(1), e55030.

 

 

 

 

 

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