クレアチンの効果(陸上競技:短距離・長距離・跳躍・投てき)

 

クレアチンとは

 

人間が筋肉を動かすとき、体内あるアデノシン三リン酸(ATP)という物質を分解することで、そのエネルギーを得ています。

 

 

アデノシンという物質に、リン酸が3つ付いていることからアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれ、このATPからリン酸が一つ離れるときに生まれるエネルギーを利用して、私たちは筋肉を動かすことができているのです。

 

 

 

 

 

 

また、このATPは体内に少ししか蓄えられていません。そのため、運動を続けるためには分解されたATPをもう一度作り直す(再合成する)必要が出てきます。

 

このATPを再合成する仕組みは大きく3つに分けられ、それが「クレアチンリン酸系・解糖系・有酸素系」です。

 

なかでもクレアチンリン酸は、ATPを再合成するスピードが早く、より大きな力を発揮し続けるために非常に重要な役割を果たしています。

 

 

 

 

 

 

しかし、クレアチンリン酸も貯蔵量が少ないため、この仕組みを使った大きな力発揮は長続きしません。(クレアチンリン酸の再合成を考えなければ7−8秒程度で枯渇する。)

 

 

そこで登場するのがクレアチンリン酸の材料である「クレアチン」サプリメントです。

 

 

サプリメントとしてクレアチンを摂取することで、筋肉のクレアチンリン酸の貯蔵量を増やすことができます。

 

 

すると、クレアチンリン酸系のエネルギー供給が、やや長続きするようになり、普段のトレーニングや、競技パフォーマンスアップにつながるというわけです。

 

 

 

クレアチンの効果

 

では、クレアチンを摂ることで具体的にどのような効果が得られるのでしょうか?(以下、Peeling & Binnie(2018)を基に概説)

 

 

パフォーマンスに与える影響

クレアチンを摂取することで、筋内のクレアチン貯蔵量は30%程度までは高められます。その分、大きなパワーを長く発揮できるポテンシャルが高まるということですね。

 

特に、150秒以下の単発の高強度運動は1−5%のパフォーマンス向上。150秒以下の繰り返しの高強度運動では5−15%程パフォーマンスを向上させるようです。

 

そして、最もパフォーマンスが高まるのが30秒以下の高強度運動になります。

 

 

これらのことから、短距離走(100m・200m・400m)のパフォーマンス向上はもちろん、中距離走のパフォーマンスアップにもつながりそうです。

 

 

ただ、クレアチンが筋肉に貯蔵されるとき、同時に多量の水分が蓄えられます。このことが影響して、結果的に体重が1−2kg程度増加してしまうことも報告されています。

 

 

したがって、自分の体重を移動させる競技(トラック種目)で、持久的な要素が多く求められる場合には、注意が必要になります。

 

 

 

トレーニングへの効果

 

クレアチンを摂取することは、競技のパフォーマンスのみならず、トレーニング効果を上げることにも役立ちます。

 

クレアチンリン酸の貯蔵量を増やし、大きな力を長く発揮できるようになれば、特にウエイトトレーニングなどでのトレーニングのボリュームを増やすことにつながります。

 

そして、より高いボリュームでトレーニングを行えるようになった結果、筋量・筋力増加などのトレーニング効果アップにつながるというわけです。したがって、より大きなパワー発揮が求められる跳躍や投てき選手も、普段のトレーニングからクレアチンサプリメントを摂取しておくべきと言えるでしょう。

 

またこれは、ウエイトトレーニングだけでなく、短距離や中距離走などの高強度でのスプリントトレーニングの効率を上げることにもつながり、結果的に選手のパフォーマンスアップにつながります。

 

 

 

クレアチンの摂取の仕方

 

すぐに効果を出したい場合は、最初の5−7日を「ローディング期」として、少し多めにクレアチンを摂取します。(1日あたり5gを4回、時間を空けて摂取)

 

 

その後、増えた貯蔵量を維持するために、1日あたり3−5gを摂取し続けます。クレアチンは水分とともに蓄えられるので、同時に水分(5gあたり200ml程度)を摂取することも重要です。さらに、トレーニング後、糖質の多い飲み物と摂取すると、効率よく吸収されるとされています。

 

 

また、適切に摂取した場合、クレアチンサプリメントが人体に有害であるという根拠はほとんどありません。

 

 

 

文献

・Peter Peeling and Martyn J. Evidence-Based Supplements for the Enhancement of Athletic Performance. BinnieInternational Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism, 2018, 28, 178-187.

 

 

 

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