相関関係は因果関係ではない!

 

☆相関関係とは

 

相関関係というものを簡単に説明すると、ある特定の要素の値が変化すると、それとともに別の要素の値が上がったり、下がったりする関係のことです。

 

 

「脚の筋肉量が多ければ多いほど、重いバーベルでスクワットをすることができる」

 

この場合、脚の筋肉量とスクワットでの拳上重量は正の相関関係にあることになります。

 

 

よって、「より高負荷でスクワットができるためには、脚の筋肉量を増やしていかなければならない!」

 

という示唆をすることができます。

 

 

 

☆相関関係は因果関係ではない

 

・地球温暖化の進行と海賊の数の減少

 

・小学生の身長と学力の高さ

 

・こどもの学力と体力

 

 

さて、これらにはすべて相関関係がみられます。

 

 

しかしどうでしょう?

 

 

海賊の数を増やせば、地球温暖化は止まるのでしょうか?

 

身長を伸ばせば、学力は上がるのでしょうか?

 

学力を伸ばせば、体力がつくのでしょうか?

 

 

さすがに考えにくいのではないでしょうか?

 

 

地球温暖化は地球が誕生してから進行しているものですし、成長期の小学生であれば成長とともに身長も、学力も、体力も上がっていきます。

 

 

これらのように、相関関係があることであっても、それが因果には直接結びつかないことは多くあるのです。

 

 

 

☆陸上競技の選手、指導者として気を付けたいこと

 

陸上競技に関する様々な情報を収集していれば、「相関関係」という言葉に触れる機会も多くなることでしょう。

 

短距離走であれば、特に「疾走速度」と「各種動作」「各種体力」の相関関係の調査は多数みられます。

 

ここでの相関関係は、「疾走速度」に一体何が強く関係しているのか、どんなトレーニングが重要であるのかを探るために非常に重要な知見となります。

 

しかし、ここまで述べてきたように、相関関係は、あくまで相関関係であり、その要素が、直接的に「疾走速度」の原因になっているとは限らないことを、常に考えておくべきでしょう。

 

また、「疾走速度と相関関係にない要素」のことを、「疾走速度とまったく関係がない要素」として、切り捨ててしまうことは、選手の成長の幅を狭めてしまう可能性にもつながります。

 

 

疾走動作は非常に個別的であり、パフォーマンス向上のための要素も非常に個別的です。

 

研究報告において示される相関関係は、あくまで全体の傾向にすぎません。

 

特定の選手にとっては重要な要素であっても、全体としてとらえてしまうと、その要素に疾走速度との相関関係は見いだせなくなってしまうといったことは容易に起こり得ると考えられます。

 

「全体をみる場合」「個をみる場合」

 

これらの場面について、しっかりと考えをまとめる癖はつけておくべきではないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

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