運動、スポーツの前後、体育授業の前後など、色々なタイプのストレッチが行われていると思います。
トレーニング、練習前、ウォーミングアップ中にストレッチをすることは一般的であるという認識が強いはずです。
パフォーマンスの向上、外傷予防に効果的であると考えられてきたストレッチですが、ここ最近の研究では、ストレッチは思ったより有益な効果を生まないか、むしろ場合によってはマイナスの影響をもたらすこともあり得ることが多く報告されています。
ここからは、ストレッチについての科学的な知見をよく理解して、スポーツ、体育の現場でどう応用するべきなのか考えていきます。
☆ストレッチの種類
ストレッチといっても様々な種類があり、それによって生理学的な適応は異なります。
よって、その種類と仕組みを理解することはは何よりも基本といえます。
まずは、どんな種類があるのかについて紹介していきます。
◎パッシブストレッチ
パッシブ(受動的)なストレッチでは、筋肉を意識的に収縮させるのではなく、外からの力によってストレッチをするものです。
パッシブストレッチはさらに、スタティック(静的)ストレッチとサイクリックストレッチに分けられます。
○スタティックストレッチ
はじめに筋肉が最大限ストレッチされる角度まで動かし、その角度を保持する方法です。
○サイクリックストレッチ
はじめに筋肉が最大限ストレッチされる角度まで動かしたのち、もとのポジションに戻す。これを繰り返す方法です。
◎アクティブストレッチ
筋肉の長さが変わらない収縮(等尺性収縮)を起こすことによってストレッチをする方法。
◎ダイナミックストレッチ
動的な筋収縮を起こすことによって筋肉をストレッチさせる方法。
例:ハードルまたぎ、腕回し
◎バリスティックストレッチ
弾み動作をつけてストレッチを行う方法。
実施時には、伸ばされる側の筋群を弛緩(緩めておく)させておかなければならない。
数回連続的に繰り返していくことで、組織を徐々に伸ばしていく。
◎パッシブ-アクティブストレッチ
まずは筋肉を最大限に伸張させる。
→その角度を保持しつつ、同じ筋肉に力を入れて等尺性収縮させる
→再び筋肉をストレッチさせて最大限に伸張させる
→繰り返す
と、主にこれらのような方法があります。