良質な睡眠を確保するためには?

 

早く眠ることは大切だということが分かっていても、なかなか寝付けなかったり、眠が浅かったり、結果として翌朝の目覚めの悪さ、その日1日の倦怠感に繋がってしまうことは多々あるのではないでしょうか?

 

ここでは、良質な睡眠を妨げる要因、そして良質な睡眠をより促す要因について紹介していきます。

 

 

 

☆カフェイン等の刺激物を避ける

 

トレーニングや試合の前にエナジードリンクを飲んだり、栄養ドリンクを飲んだりする選手は多いことでしょう。

 

これらに含まれている刺激物、主にカフェインは中枢神経系を刺激してパフォーマンスを改善させる可能性があります。

 

しかし、カフェインを日常的に摂取するようになると耐性が付くとともに、睡眠に悪影響をもたらす可能性があります。(Roehrs and Roth 2008)

 

 

また、(Bonnet and Arand 1992)寝る前のコーヒー1-2杯以上のカフェイン(100mg)摂取で、深い睡眠時間とトータルの睡眠時間が減少する可能性があることを指摘しています。

 

 

さらには、

 

・カフェイン摂取量が多いと睡眠の質が低下する。(Karacan 1976)

 

・カフェインを摂取すると睡眠の質の調節にかかわるメラトニンという物質の分泌が低下する。(Shilo et al 2002)

 

と、あるようにカフェインを摂取することで良質な睡眠に悪影響をもたらすことは確かなようです。

 

 

しかし、Hindmarchら(2000)は、これらの悪影響はカフェインを日常的に摂取していない人に見られることから、カフェイン摂取が習慣化している人にとってはそこまで悪影響があるかはわからない。といった考察をしています。

 

とは言っても、カフェインによるパフォーマンス向上効果を得られるようにしつつ、睡眠を妨げないようにするには、やはり日常的な摂取は好ましいとは言えません。

 

 

 

 ☆アルコールを避ける

 

アスリートであってもお酒が好きな人というのは非常に多いです。特に大学生以上になると、様々な会合の機会が増え、お酒を飲むことも増えていく傾向にあるでしょう。

 

ですが、眠る前のアルコール摂取は睡眠に以下のように悪影響を与えるようです。

 

 

就寝30-60分前の中程度のアルコール摂取は睡眠障害を引き起こす。また、睡眠の乱れはアルコールが完全に代謝される時に顕著であり、中程度のアルコール摂取(血中アルコール濃度0.06-0.08%)では、ちょうど寝ている時間の後半部分にあたるため、早く目が覚めやすくなったり、再び眠ることが困難になる(O'Brien and Lyons 2000)

 

・アルコール摂取は心拍数、呼吸数増加や頭痛、胃腸の不調などを引き起こし、睡眠に悪影響を与える(Roehrs,Yoon and Roth 1991)

 

 

 

アスリートとして当たり前のことだとは思いますが、激しいトレーニングを行う期間、試合が連続する期間など、心身のリカバリーが非常に重要になる時のアルコール摂取は控えるようにすべきでしょう。

 

 

 

☆水分の摂り過ぎを避ける

 

Halson (2008)は夜に多量の水分を摂取することで、夜中何度もトイレに起きることが多くなり、睡眠の質に影響を与える可能性を示唆しています。

 

リカバリーのための水分摂取は非常に大切なことですが、夜中の大量の水分摂取には気を付けるべきだと言えるでしょう。

 

 

 

 

☆PC、スマホのライトを避ける

 

現代の多くの人々がPCのみならず、スマートフォンやタブレット端末を、夜遅くまで扱うようになってきています。

 

この明るい画面にはブルーライトと呼ばれる比較的波長が短い光が使われており、これが睡眠に悪影響を与える可能性があります。

 

Figueiroら(2012)は寝る前2時間のタブレット端末操作によって、睡眠にかかわるメラトニンというホルモンの分泌が22%ほど減ったことを報告しています。

 

メラトニンは人間の活動周期に影響するもので、夜になり、辺りが暗くなってくるとこの分泌量が増え、ヒト心身は夜になったという情報を得ます。

 

つまりは、おやすみモード、心身の回復モードに入るといったところです。

 

しかし、メラトニンの分泌量が低下することでこのモードに入ることが妨げられ、結果的に睡眠に悪影響を与えるというものです。

 

寝る前のスマホはほどほどにしましょう…。

 

 

 

☆寝る前の甘いミルクが睡眠を促す?

 

タンパク質を分解したアミノ酸にトリプトファンというものがあります。

 

これは、必須アミノ酸の一つであり、トリプトファンが脳内に運ばれると、睡眠を誘導するセロトニンという物質に変化し、先ほど述べたメラトニンに変えられるため、睡眠の質を高めることが示唆されています。

 

よって、食事からトリプトファンを多く摂取することは、睡眠の質、翌朝の目覚め、認知能力の向上に役立つ可能性があります。(Markus et al.2005)

 

 

トリプトファンは必須アミノ酸であるため、牛乳、肉、魚や豆類を夕食に多く摂ることが重要になってきます。

 

また、トリプトファンの脳内への移動を促す要因として、トリプトファン以外のアミノ酸濃度に対する血漿トリプトファン濃度が挙げられます。

 

そして、高GIの糖質(吸収の早い糖質)を摂取することによって、この血漿トリプトファン濃度が上昇します

 

これによって脳内へのトリプトファン移動が促され、脳内のトリプトファン、セロトニンが上昇、睡眠を促進するということです。

 

実験では、寝る4時間前の高GI糖質食摂取は低GI糖質食摂取と比べて、ベッドに入って眠りにつくまでの時間が48.6%、1時間前の摂取では38.3%短くなっています。(Afaghi et al 2007)

 

 

トリプトファンと高GI糖質を含む砂糖の入ったホットミルクを寝る前に飲んだり、普段の夕食で高タンパクな食事を心がけることで、良い睡眠が得られる可能性がグンと高まるかもしれません。

 

 

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