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トレーニングの原理②(特異性の原理)

トレーニングの原理②(特異性の原理)

☆特異性の原理とは

 

トレーニングの適応の内容は行ったトレーニング内容で決まります。

 

普通の筋トレをしたら筋力アップが望めますし、持久走をしたら有酸素能力等が高まります。

 

ですが、普通の筋トレやっても有酸素能力は改善されません。

 

このように、トレーニングの適応は特異的なので、目指すスポーツに必要な体力要素を見極めて、その体力を向上させるために適したトレーニング方法を選択する必要があるわけです。

 

 

これが特異性の原理です。

 

 

決して、やり方が他人の目を引くような特異的なトレーニングをしないといけない!ということではありません。

 

 

 

 

 

 

 

特異性の原理は英語でSAIDと呼ばれています。

 

「Specific Adaptation to Imposed Demands」の頭文字です。

 

「Specific Adaptation」とありますが、特異的なのは「適応」であることに注意しましょう。

 

トレーニング動作自体が特異的である必要を言っているわけではありません。

 

 

☆適応の特異性

 

さて、この特異性の原理にちなんでですが、一見同じような目的のトレーニングでも、トレーニング効果が異なる場合が多くあります。

 

下の図は、70°と130°の角度でアイソメトリックな膝伸展運動を行った2グループのメンバーに起きたトレーニングの適応です。

 

 

 

Aグループ(70°でトレーニング)は他の関節角度の筋力も同じくらい向上しました。

 

Bグループ(130°でトレーニング)はトレーニングを行った130°付近でのみ筋力向上が見られました。

 

また、トレーニングを行った角度での筋力の伸び率はBグループの方が大きかったようです。

 

そして、この2グループでバーベルを使ったスクワットをトレーニング前と後で比較すると、スクワット挙上重量の伸び率はAグループの方が大きくなりました。

 

 

このように、同じ膝伸展トレーニングでもトレーニングを行った角度によって、筋力向上がみられる角度もそれに対応し、他の関節角度や別の運動でのトレーニング効果の転移率が異なります。

 

トレーニングは行ったトレーニングのやり方に対して特異的な適応をするということです。

 

よって、競技のためのトレーニングを考えるときは、以下のような適応の特異性にも注意が必要になります。

 

 

 

◎筋収縮タイプの特異性

コンセントリック(短縮性)のトレーニングをやればコンセントリックな筋力、アイソメトリックトレーニングならアイソメトリック、エキセントリックトレーニングならエキセントリックでの筋力が最も向上しやすい。

 

 

 

◎運動パターンの特異性

パフォーマンスの向上は筋神経スキルの向上が強く関わっているので、トレーニングで行なったものと同じ運動で測定した時の効果が最も表れやすい。

 

例) スクワットでの最大筋力が向上してもマシンを使ったレッグプレスでの筋力向上はあまりみられなかった。

 

 

 

◎運動部位の特異性

上で述べたように、アイソメトリックトレーニングでは行った角度での筋力アップが最も表れやすい。

 

 

 

◎運動速度の特異性

低速度のトレーニングでは低速度の力発揮、高速でのトレーニングでは高速での力発揮が高まりやすい。

 

 

 

 

 

 

これらを考慮した上で、基礎体力向上と言われるトレーニング内容や、専門的な体力、力発揮向上を狙ったトレーニング内容を考えていく必要があるでしょう。

 

 

基礎的な体力向上が、専門的な競技特異的な体力、力発揮へどのくらい転移してくれるかはとても重要な点です。

 

 

これは競技レベルが高く、トレーニング歴が長いほど転移率が悪くなる傾向があるようです。

 

 

少なくとも、100mを速く走るために水泳をメインに一生懸命やるとか、的外れなことに余分な努力を注がないように注意はするべきです。

 

どうせきついことをするなら競技に結びつきやすい、効果のあるトレーニングを考えていきましょう。
 

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