スプリント力と筋力、筋肉量の関係A(膝関節)

スプリント力と筋力、筋肉量の関係@(股関節)

 

では、股関節の伸展、および屈曲に関連する筋肉量、筋力と疾走速度の関係について紹介しました。

 

今回は膝関節について見ていきます。

 

 

 

 

☆膝関節屈曲に関わる筋群

 

・五輪出場スプリンターとジュニアトップ選手を比較すると、五輪出場選手の方が膝関節の伸展筋力に対して、相対的に屈曲筋力が高い傾向があった。また、これは収縮スピードが速くなるほど差がよく現れた。

 

・膝関節屈曲に関わるハムストリングスは、股関節の伸展も行う二関節筋なので、疾走中の股関節伸展によってハムストリングスが強化された結果、膝関節屈曲筋力も高くなっているという可能性もある。

 

 

疾走中、膝関節屈曲トルクは主に、回復期後半に下腿が過度に前方に振り出されないようにしつつ、前方からの振り戻し(フットディセント)を行う時に発揮されます。

 

 

股関節伸展トルクを発揮させながら、膝関節屈曲も行うハムストリングスにはかなりの負担がかかると言っていいでしょう。

 

 

 

 

 

特にエキセントリックな局面(筋が力を発揮しながら引き伸ばされ、脚にブレーキをかける局面)ではなおさらです。

 

そして、高速の条件(300°/秒 以上)での、膝や股関節の屈曲/伸展筋力のバランスが低いと、腿の後ろ側の肉離れを起こしやすくするとされています。

 

 

また、優れた選手では大腿後面の筋力が高い傾向があります。

 

 

 

 

 

高い疾走速度を得るためにも、怪我を防ぐためにもハムストリングスなどの股関節伸展、膝関節屈曲に関わる筋群は積極的に鍛えて、筋力と柔軟性を高めておく必要があるのではないでしょうか?

 

 

 

☆膝関節伸展に関わる筋群

 

膝関節伸展筋力も短距離の記録と有意な相関関係がある。

 

・膝関節伸展に関わる大腿四頭筋の横断面積はスプリントタイムと有意な相関関係があるとした研究や、有意な相関はなかったとする報告があり、曖昧なところ。しかし、一般人よりは太い。

 

 

 

スプリント中、膝関節伸展筋力が大きく影響するのは接地期前半(フットストライク?ミッドサポート)です。

 

 

 

 

 

ここで鉛直方向に大きな力を加えて、支持期の膝関節のつぶれを少なくする、落ちてくる自分の体重を一瞬で支えて浮かせることが重要であると「@フットディセント(振り下ろし)-Bミッドサポート(乗り切り)のより良い動作とは」で述べました。

 

 

しかし、「自分の体重を一瞬で支える」とあるように自体重が重いとその分大きな鉛直方向の力が必要になる=大きな筋力発揮、それに伴う筋量が必要になると考えられるでしょう。

 

 

そのため、スプリントタイムに関係なく、身体の形態によっては膝関節伸展筋力、筋肉量に個人差が出る場合があると推測できます

 

 

また、ここでは非常に短い時間の間に大きな力を発揮させるための、力の立ち上がり率弾性筋力が大きく関係してきます。

 

 

力発揮のために筋肉量は重要であるといえますが、それだけではなく、いかに一瞬で筋力を引き出すことができるかが重要となります。

 

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