陸上競技のはじまりはとても古く、紀元前9世紀頃にさかのぼります。このころに始まった「古代オリンピック」では、「スタディオン走」という短距離走が行われていました。
「スタディオン」とは、「スタジアム(競技場)」のことで、1スタディオン=192.27mの距離を競走していたとされています。その後、スタディオンの距離が2倍になった「ディアウロス(400m走に近いもの)」や走幅跳、円盤投などの競技が行われるようになります。
しかし、西暦393年に当時のローマ皇帝であったテオドシウス1世の出した「異教禁止令」によって、1000年以上続いた古代オリンピックは廃止されてしまいます。
19世紀に入り、イギリスを中心にスポーツとして行われるようになった陸上競技は、現在の形とほぼ変わらず、1896年にアテネで行われた「第一回近代オリンピック」をきっかけに、陸上競技は世界各国に普及していきます。さらに1912年には、国際陸上競技連盟(IAAF,現在はWA)が設立され、世界記録が公認のものとなりました。日本が初めてオリンピックに参加したのもこの1912年(第5回ストックホルム大会)からです。
当時の参加者は、柔道の生みの親である嘉納治五郎、陸上競技の100m走の三島弥彦、マラソンの金栗四三でした。