とはいえ、試合が近い時期(シーズン中)は、最大に近い強度でトレーニングをすることが多くなってきます。試合はいかに最大の筋力やパワー、スピードなどを引き出すことができるかがカギになるので当然です。
このような最大に近い強度の練習でも、シーズン前に作ってきた体力の土台(潜在能力)を維持することはある程度の期間可能です。しかし、先述の通り、最大強度でのトレーニングだけだと、トレーニングの絶対量が不足します。
したがって、数か月もすると、積み上げてきた土台が小さくなっていく、以前までの動きのキレがなくなる、なんだか不調気味になる…といった現象が起こりやすくなります。
加えて、シーズンが1年の約半分を占めるような競技の場合、自身の身体能力のポテンシャルを高めるチャンスが、1年の半分しかなくなってしまいます。これは非常にもったいないことです。半年だけ自身の潜在能力を向上させようとした選手と、年間通して向上を目指した選手では、長期的にみると後者のパフォーマンスが飛躍する可能性が高いでしょう。
以上のことから、例えシーズン中であっても、潜在能力を維持するだけでなく、向上を目指すことが重要であること、そのためには最大を引き出すトレーニングだけでなく、最大下でのトレーニングを積んでいくことが必要だと分かります。
タイムトライアルや試合だけでは高いパフォーマンスは達成できないわけです。