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最大スピードを高めるトレーニング

最大スピードを高めるトレーニング

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ピッチを高めるトレーニング+考え方について

 

 

短距離走において、最大スピードの高さは最も重要な能力であり、この差が勝敗を決めると言っても過言ではないほどです。

 

 

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サッカーやバスケットボールなどでは、最大スピードよりも、ボールを瞬時に奪ったり、素早い攻撃をするための爆発的な加速力の方が重要な場合があるでしょう。

 

 

経験的にも分かるかもしれませんが、短い距離(10m―30mくらい)のスプリントと最大スピードでのスプリントは求められる能力がやや異なります
球技系の選手がスポーツテストの50mは速くても、100m走になるとなかなか陸上選手に勝つことができない場合が多いのはその影響だと考えられます。

 

そこでここでは…

 

①:10~30mくらいのスプリントと、最大スピードでのスプリントの違い

 

②:最大スピードのためのトレーニング

 

について考えていきます。

 

 


超短い距離のスプリントと、最大スピードスプリントの違い(動作・筋力)

 

 

 

Youngほか(2001)より作成

 

 

図のように、短い距離のスプリントと最大スピードのスプリントでは姿勢やストライド、接地時間などが異なります

 

筋肉の働き方に着目すると

 

・膝伸筋群(膝を伸ばす筋肉)の活動は、スタートから最初の4歩あたりまでより高く、その後少なくなっていく

・股関節伸筋群(股関節を伸ばす筋肉)の活動は、スタート時も活発だが、スピードが高くなるにつれて増していく

 

 これは、スタート時には膝を伸ばすような筋力、その後からは股関節を伸ばすような筋力が、より重要になってくるということです。

 

勘違いしないようにすべきなのは、決して「膝を伸ばす意識」「股関節を伸ばす意識」が重要になるというわけではないことです。

 

 

あくまでここでは、スタート時と最大スピード時での膝と股関節の「筋力の貢献度合い」について述べています。

 

 

よって、走る時の意識はどうあれ

 

 

・スタートでは膝を伸ばす、股関節を伸ばす筋力、パワーが大きく影響する。

 

・最大スピードにかけては股関節を伸ばす筋力、パワーがより重要になる。

 

 

 

ということです。

 

 

また、スプリントに重要な筋群として、股関節を曲げる筋(股関節屈曲筋)が挙げられます。

 

 

伸ばした股関節をより素早く前へ引き戻すためには、この股関節屈曲筋の働きが重要です。

 

 

また、脚全体を後ろにスイングする速さは、スタート時よりも最大スピード時の方が速いことは容易に想像できるでしょう。

 

 

そして、速いスピードで後ろにスイングされているものに、ブレーキをかけて、前へのスイングに切り替えるのは、股関節屈曲筋群の役目です。

  

 

となれば、最大スピードを引き出すためには、股関節屈曲筋群は大変重要だと気づくことができるでしょう。

 

ちなみに股関節屈曲筋として有名な、大腰筋の太さと最大疾走速度にはかなり強い正の相関関係が示されています(久野ほか,2001)。

 

 

 

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最大スピードに必要な筋力発揮特性

 

最大スピードには股関節を伸ばしたり、曲げたりする筋力が重要だということは分かりました。しかし、他のページでも多く述べていますが、筋力の発揮には様々な特性があります。

 

 

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最大スピード時のスプリントに必要な筋力の要素を端的に言えば、以下のようになります。

 

 

 

・高いスピード下でも大きな力を発揮できるスピード筋力

 

・一瞬で高い力を発揮できる、力の立ち上がり率

 

・ブレーキをかけて物体の動く方向を変える、切り返し運動能力

 

 

最大筋力を高めることで、上記のような、一瞬で発揮できる筋力、高い収縮スピード発揮できる筋力などにつながる、ポテンシャルは高めることができます。しかしながら、ウエイトトレーニングなどを頑張って最大筋力を向上させたとしても、必ず上記の「スピード筋力」「力の立ち上がり率」「切り返し運動能力」が高まるわけではありません。

 

 

最大スピードを向上させるためには、これらの能力を改善させるようなトレーニングが別に必要になります。最大筋力を向上させるウエイトトレーニング「だけ」をやっていても、スピードはなかなか高まらないわけです。

 

 

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最大スピードを高めるためのトレーニング

 

では、最大スピードを高めるためにどのようなことをしたら良いのでしょう?

 

 

その一つは「走って最大スピードを出す」です。当たり前と言えば、当たり前かと思います。けん玉が上手くなりたいのに、けん玉をやらないことと同じではないでしょうか?

 

 

筋力トレーニングだけやって、最大スピードが高まることはなかなか無いでしょう。疾走速度が高まれば、高まるほど、身体は地面に対して力を発揮しにくくなります。自分の身体に対して、速く動く地面に上手く、強い力を伝えるためには、やはり速く走ろうとしなければなりません。

 

 

しかし、「最大スピードを出す」ことだけを続けていては、運動強度が高すぎて怪我のリスクも高まるかもしれませんし、早い段階でトレーニング効果が頭打ちになってしまう恐れもあります。

 

 

では、他にどのような方法があるでしょう?

 

 

簡単に言うと、重要な部位と先述の3つの要素を押さえたトレーニング、その土台を作るためのトレーニングです(最大スピード向上のトレーニングと言っても、短い距離の加速力向上にも効果があります)。

 

 

 

ルーマニアンデッドリフト(上の画像:②③に相当)
ハムストリングや臀筋群を中心に、エキセントリック(筋肉が伸びながら力を発揮する)な負荷をかけながら鍛えることができます。

 

参考動画

 

 

 

ヒップスラスト(上の画像:②③に相当)
臀筋群を中心に主にコンセントリック(筋肉が縮みながら力を発揮する)な負荷をかけながら鍛えることができます。垂直方向よりも水平方向へのスピード向上に効果的なようです。

 

参考動画

 

 

 

クォータースクワット(上の画像:②③に相当)
ハーフやフルよりも高い重りを用いて、浅めの角度で股関節や膝を伸ばす筋力を高めます。フルスクワットよりスプリント能力向上に効果があったという研究もあります(Rhea,2016)。

 

参考動画

 

 

ハードルジャンプ、片脚ホッピング、バウンディング(上の画像:①②に相当)
短い接地時間で身体を浮かせられる力を発揮できなければ、身体を浮かせるのに長い時間をかけなくてはならなくなり、接地時間は長くなります。当然スピードも上がりにくいです。強いバネを作ることは最大スピード向上に重要です。

 

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参考動画

 

 

スピードバウンディング(上の画像:①②に相当)
より接地時間を短く、高い速度でのバウンディングを心がけます。最大スピードでのスプリントの力発揮、動作に近い形です。動画は桐生選手のものです。

 

参考動画

 

 

 

ウエイトベストを着たスプリント(上の画像:①②に相当)
身体に重りを付けてスプリントを行います。重い身体でも接地と同時に一瞬で身体を浮かせられる能力を高めます。

 

 

メディシンボールレッグレイズ(上の画像:②③に相当)
ももにメディシンボール等の重りを挟んで、仰向けの状態から股関節をスピードを意識して上げ下げします。絶対に腰が浮かないよう注意をします。股関節を伸ばしたスピードにブレーキをかけて、股関節を曲げる筋力を高めます。

 

 

参考動画

 

 

ダウンヒル(下り坂走)(上の画像:①に相当)
緩やかな坂道を最大スピードを意識して走ります。通常より高いスピードが出せるため、脚の後ろへのスイングスピードは簡単に高くなります。しかし、その後ろへの高いスイングスピードにブレーキをかけて、脚を前に引き出すのは困難になる=いつもより負荷が高まるため、股関節を曲げる筋力、パワーを高める可能性があります。

 

参考動画

 

 

 

トーイング走(上の画像:①に相当)
伸縮性のあるチューブなどで前方向に引っ張ってもらい、普段より高いスピードで走るトレーニングです。これを続けることで最大スピードの向上がみられたという文献もちらほら…。
速く動く地面に対する力発揮の仕方を身体に教え込むことが重要です。強く引っ張られ過ぎて、脚が空回りするだけにならないように注意しましょう。

 

 

参考動画

 

 

 

 

最後に

最大スピードに必要な能力を理解し、その能力を高めるための適応を引き出すトレーニングとは何かを考えることは大切なことです。目的に対して合理的であれば、手段はいくらでも作ることができます。

 

今回は最大スピードに必要な能力とそのトレーニング方法について紹介しました。

 

もちろん、速く走るために、筋肉の大きさや柔軟性、可動性、安定性などの基礎的な体力は必要不可欠です。このトレーニングを怠るのは良いことだとは言えません。オフシーズンから継続的にしっかりと基礎的な体力の土台を築くことは重要です。

 

「何を、何のために、どのようにトレーニングしていくか」

 

これらをしっかりと整理する癖を付けて、自分で自分をコーチングできるようになっていけることが大切です。

 

 

コチラの内容は、動画で詳しく解説しています(よろしければチャンネル登録お願いします)。

 

 

参考文献

・Young, W., Benton, D., Duthie, G., & Pryor, J. (2001). 短距離 &最大スピードでのスプリントのためのレジスタンストレーニング. NSCA Japan journal, 8(7), 10-14.
・久野譜也, 金俊東, & 衣笠竜太. (2001). 体幹深部筋である大腰筋と疾走能力との関係 (特集 スポーツにおける体幹の働き). 体育の科学, 51(6), 428-432.
・Rhea, M. R., Kenn, J. G., Peterson, M. D., Massey, D., Simão, R., Marin, P. J., ... & Krein, D. (2016). Joint-angle specific strength adaptations influence improvements in power in highly trained athletes. Human movement, 17(1), 43-49.

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