100m走のレースを眺めていると、レースの後半失速しているように見える選手、ぐんぐん加速しているように見える選手がいます。
そのようなレースを見ていると「後半の伸びがすごい、後半の持久力が重要なんだ」と誰もが感じるはずでしょう。
実際、100m走ではレース後半に誰もが速度を落としてしまいます。なので、後半加速するわけではないにしても、後半の速度を維持できることは大事な能力です。
しかし、ここで注意すべきことが一つあります。それは、
・100m走では最大スピードが高いほどレース後半に最大スピードが現れるので、減速区間が短くなりやすい。
・そもそもトップスピードが高い選手は、他の選手より後半減速していても他を引き離しているように見えることがある。
ことです。

最大スピードが高いA選手と、最大スピードは低いけど速度維持能力が高いB選手を比べてみましょう。レース終盤、A選手は大きく減速していますが、B選手よりも高い速度で走っています。この時のレースがどう見えるのかと言うと、持久力の無いA選手の方がB選手を最後まで引き離しているように見えるはずです。
つまり「減速の大きいA選手の方が後半の伸びがある」ように見えてしまうわけです。

このように、後半ぐんぐん伸びているような選手でも、実はレース後半の速度低下は大きいタイプだったりします。後半の持久力はもちろん大事ですが、まず優先して向上させるべきは「最大スピード」であることが分かるはずです。
また、レベルの高い選手は最大スピードがレース後半に出現しやすいです。だからと言って、序盤は力を抜いて、後半速度を上げようとするペース配分を行うのはお勧めしません。
レベルの高い選手は確かに最大スピードが後半に表れやすいですが、レース前半力を抜いているかどうかは分かりません。レースパターンはあくまで結果であるということに注意を向けましょう。
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