100m走の特徴とトレーニングの視点(100m走の練習方法)




100m走の特徴とトレーニングの視点(100m走の練習方法)

100m走とは

 

陸上競技の花形とも言われる100m走。男子の世界記録は2009年にウサイン・ボルト選手が樹立した9.58、女子は1988年にフローレンス・グリフィス・ジョイナー選手が樹立した10.49です。

 

 

参考動画(ウサイン・ボルト世界新記録)

 

 

参考動画(フローレンス・グリフィス・ジョイナー世界新記録)

 

 

 

ここでは、100m走のパフォーマンスを高めるために知っておくべきトレーニングの視点について紹介しています。

 

 

100m走のレースパターンを知ろう

 

 

 

図は100m走におけるレース中の速度推移を示したものです。このレース中の速度推移を「レースパターン」と言います。

 

 

100m走のレースパターンは、一般的に

 

 

1. ブロッククリアランス

 

2. 1次加速局面

 

3. 2次加速局面

 

4. トップスピード局面

 

5. 減速局面

 

の、5つに分類されます。

 

 

この中でも100m走において特に重要なのが、「トップスピード局面」です。

 

 

このトップスピード局面での速度は、100m走の記録と強く関係しており、トップスピードをいかに高められるかが、100m走の勝負の決め手と言っても過言ではありません。

 

 

また、トップスピードに乗るまでの時間は、競技レベルによる差はあまりなく、6~7秒程度だと言われています。したがって、100m走ではスタートしてから6~7秒間の間に、このトップスピードをいかに高められるかが勝敗を分けます。このことから、このトップスピードに焦点を当ててトレーニングが行われることが多いです。

 

 

 

 

加えて、トップスピードが高い選手は、その後多少減速したとしても、後半にも伸びてくるように見えてしまうことがあります。これは、そもそものトップスピードが高いために、多少減速した状態でも他選手より速く走っているからです。考えてみれば当たり前の話です。このことからも、トップスピードが高いことの重要性が理解できるかと思います。

 

 

 

 

 

しかし、トップスピードはスタートからの加速局面を経て作り出されます。そのため、スタートからの1次、2次加速局面も非常に重要な意味を持つと言えますし、他よりも素早くスピードを立ち上げ、レース前半で先行することは100m走において圧倒的に有利になります。

 

 

また、レース終盤はたとえ世界一流選手であっても減速してしまいます。この減速をいかに抑えられるかも、100m走のパフォーマンスを高めるために必要なことです。

 

 

このように、誰よりも素早くスピードを立ち上げ誰よりも高いトップスピードを獲得し、そのスピードを維持できる能力が、100m走に必要な能力であると言えます。

 

 

そのため、トレーニングにおいてはこれらの能力を高めることを目標にして、意識や内容を考えていく必要があるでしょう。

 

 

ここからは、各局面の能力を向上させるために必要な視点、コツ、トレーニングについて簡単に説明していきます。

 

 

 

ブロッククリアランス

 

まずはスタートの合図に素早く反応し、スターティングブロックを上手く使って加速する「ブロッククリアランス」についてです。

 

 

スタートのピストルの合図は、耳でキチンと聞いてから身体を動かす…というよりも、ピストルの音に全身で瞬時に反応できるように集中力を研ぎ澄ませましょう。

 

 

ピストルの合図とともに反射的に素早いスタートが切れるように何度もトレーニングを積み重ねることが大切です。

 

 

スターティングブロックの設置方法は、初心者ではまず、以下から自分に合ったものを探っていきましょう。

 

 

伸び上がりタイプ

 

 

 

縮んだバネを一気に伸び上がらせて、身体を前へ飛ばすイメージです。ブロックの前後の間隔をやや広げて、前足でブロックを力強く押すことが求められます。筋力が高い人向けの方法だと言われています。

 

 

 

倒れ込みタイプ

 

 

 

お尻を高く保ち、身体が前に倒れこむ力を利用するイメージで、素早く脚を運んでいきます。ブロックの間隔はやや狭目にセッティングするのがオススメです。

 

 

 

中間タイプ

 

 

 

伸び上がりタイプと倒れ込みタイプの中間タイプです。倒れ込みつつも、縮んだバネを伸ばすイメージで前へと進んでいきます。

 

 

 

 

1次加速局面

 

1次加速局面では、姿勢を低く保ち、前傾した状態で股関節を使って爆発的に前へ前へと加速を行います。

 

 

 

 

身体が前に倒れる力と、地面をキックして身体が起こされる力をギリギリのところで釣り合わせて、力を上ではなく、できる限り前へ向けられることが重要です。

 

 

関連記事

 

・100m走におけるブロッククリアランスからの加速練習(スタート練習)

 

・100m走の1次加速を習得する練習方法(スタートダッシュ練習法)

 

 

 

 

2次加速局面

 

2次加速は、より高いトップスピードへと繋げるための重要な局面です。

 

 

徐々に身体を起こしていきますが、この時身体が上にピョコピョコと跳ねた走りにならないように注意しましょう。

 

 

地面から離れないように、1次加速と同様に前へ前へと身体を進めていきます。

 

 

だんだんと接地時間が短くなってきて、地面に接地している感覚が弱くなってきます。だからといってこの局面では、地面を後ろに蹴りすぎないように、膝が伸び切らないように、高いピッチでギアを上げられるように意識をします。

 

 

 

 

 

 

トップスピード局面ー減速局面

 

トップスピード局面では、身体が直立に近い姿勢となります。この時、身体が後ろにのけ反ってはいけません。下腹部に力を入れるようにして、直立に近い、微かに前傾した姿勢をキープしましょう。

 

 

接地時間が非常に短くなりますが、身体のより前方で接地してブレーキをかけたり、膝や足首で地面を後ろにキックしすぎたりしないように注意します。

 

 

ここを間違えてしまうと後半の減速に繋がってしまいます。

 

 

参考動画

 

 

接地した瞬間に反対の脚(遊脚)の膝が、支持脚の膝を追い越すようなイメージを持って、腕でリズムを取りながら、とにかくピッチが低下にないように我慢することが必要です。

 

 

 

 

 

フィニッシュ

 

フィニッシュ直前までは姿勢を変えないことが重要です。フィニッシュラインよりも数メートル先を意識して高いスピードで駆け抜けるようにしましょう。

 

 

タイムはトルソーと呼ばれる身体の胴体部がフィニッシュラインを通過した時点で決まります。

 

 

なので、フィニッシュ直前では身体を前に倒したり、前に腕を伸ばしたりする事でタイムを短縮できることもあります。

 

 

 

 

しかし、フィニッシュのタイミングを間違えたり、フィニッシュを急いで走りのリズムを崩してしまうと逆にタイムが悪くなってしまうこともあります。

 

参考動画(ゴール手前で姿勢を乱し、ボルト選手に敗れたガトリン選手)

 

 

 

100mは一連の流れ

 

このように100m走には様々な局面があります。しかし、これらの局面は10数秒間の一つの流れであることを忘れてはいけません。

 

 

各局面と各局面を上手くつなぎ、一つのスムーズな流れとして完成させることが重要です。

 

 

なので、これらの局面一つ一つのみを練習するのではなく、必ず全体の流れを意識した、イメージした練習を行うようにしましょう。

 


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