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アスリートにおける「技術」と「体力」の関係

アスリートにおける「技術」と「体力」の関係

 

スポーツのパフォーマンスと「戦術」「技術」「体力」

 

スポーツのパフォーマンスは、技術体力(+戦術)の上に成り立ちます。

 

 

技術とは、その運動の目的を達成するための合理的なやり方、手段のことを指します。例えば、陸上のハードル種目ではハードルを上手く跳び越えるハードリングという技術が必要です。そしてハードリングを減速ができるだけ起こらないように上手く行えることは、ハードリングの技術力が高いと表されます。

 

 

一方、体力とは身体が持つそもそもの能力、いわゆる筋力や柔軟性、体格、スピード、持久力、敏捷性、調整力などのことを言います。これには生まれながらにして持っているもの、トレーニングによって後天的に獲得、向上が可能なものがあります。

 

 

例えば、体格は生まれ持った要素が大きいでしょうし、高いパワーを発揮できる速筋線維と、持久性の高い遅筋線維の比率も先天的に決まっているものです。

 

 

しかし、トレーニングを行うことで、筋線維自体を太くしたり、神経系の効率を良くしたりして、後天的に筋力やパワーは高めることができます。

 

 

 

 

技術は体力の上に成り立つ

 

ハードル走でハードリングをするためには、そもそもその高さのハードルを跳び越えるだけの跳躍力が必要です。自分の身体をある程度高く浮かせられるそもそもの筋力(体力)がないと、ハードリングという技術を行うことはできません。

 

 

このように、ある技術は、ある体力があってこそ習得できるものだと言えます。

 

 

一流スプリンターのランニング技術を例に、もう少し深掘りしてみましょう。

 

 

一流スプリンターは、地面に脚が接地している間、膝や足首が固定されているように見えます。効率的に前に進むためには、このような動作(技術)が必要になります。また、股関節を素早く切り返すことで、高いピッチを保つことができています。

 

 

 

 

では、このような動作は「技術トレーニング」によって習得可能なものなのでしょうか?

 

 

その答えは「必要な体力が揃っていれば、技術トレーニングだけでいける」けど、「必要な体力がなければ、習得するのに遠回りかもしれない」です。

 

 

走るときに膝や足首を固定するためには、接地の衝撃で潰れない強く硬いバネのような、膝周り、足首周りの筋力が必要です。短時間で大きな筋力が発揮できるから、接地中に膝や足首の曲げ伸ばしを大きくせずに済むわけです。

 

 

この体力がなければ、いくら膝や足首を固定しようと意識したところで、一流選手のような動作にはなりません。

 

 

確かに「意識して走る」「そのためのドリルをやる」等の技術トレーニングだけでも、そのような体力は次第についてくるかもしれません。

 

 

ですが、別のやり方で足首や膝周りの筋力を鍛えた方が、技術を習得するためには近道になり得ることを、頭の中に入れておきましょう。

 

 

複雑な連立方程式を解くためには、基本となる「足し算、引き算、掛け算、割り算」ができないと無理です。いきなり連立方程式を解こうとしても無謀なわけです。レベルの低いポケモンは大技を覚えられませんし、ドラクエでもそもそものMPが低ければ、弱い技しか出せません。

 

 

これは、スポーツのトレーニングにも言えることでしょう。その動作ができるようになるためには、どういう体力が必要が、自分にはどのレベルの体力を有しているのかを考えて、トレーニングの優先順位を決める必要があります。

 

 

 

 

 

体力を効率よく高めるための技術(練習のための技術)

 

技術は体力の上に成り立つという話をしてきましたが、ややこしいことに「技術の上に成り立つ体力」も存在します。

 

 

例えば、ウエイトリフティングを用いて、爆発的なパワーを高めようと思ったとしても、そもそもその体力は、ウエイトリフティングの技術が無ければトレーニングの使用がありません。このように、特定の体力は、その体力を高めるための技術が無ければ高められないことがあります。いわゆる「体力トレーニングを効率化する技術」です。

 

 

そしてまた、「体力トレーニングを効率化する技術」を習得するためにも、それに必要な体力が存在します。ウエイトリフティングでパワーを高めたいと思っても、そもそもバーベルを保持する筋力さえなければ、それはウエイトリフティングでパワーを高めるよりも前にやるべきことがあるわけです。

 

 

 

 

このように、「とある体力があることで身に付く技術」があれば、「とある技術があることで身に付く体力」があります。自分のトレーニングの目的を達成するためにはまず何が足りないのか、それは技術なのか体力なのか?を深掘りしていきながら、やるべきトレーニングを考えていく必要があります。


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