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【ゴール判定の仕方】同タイム?着差あり?抽選?着順の決め方は?

【ゴール判定の仕方】同タイム?着差あり?抽選?着順の決め方は?

陸上競技のトラック種目は、100分の1秒差で勝敗が分かれる種目です。また、同タイムでも、「着差あり」という形で順位が変わることもあります。

 

このほんのわずかな差で、決勝進出、上位大会進出を逃してしまったり、表彰台を逃してしまったり…ということが非常に多くみられるのが陸上競技です。

 

ここでは、その陸上競技のトラック種目のタイムや順位の決め方、決勝進出者でギリギリ8番手の選手が同タイムで2名いたら、次のラウンドに進めるのか?など、フィニッシュや着順、ゴール判定についてのルールを紹介していきます。


フィニッシュはどこで決まるの?(どこでゴール判定?)

フィニッシュタイムの計測は、写真判定員が写真判定システムを使って行います。フィニッシュラインを通過する瞬間を毎秒1000枚以上の写真を撮ることで、着順やタイムを判定しているわけです。

 

この時のフィニッシュは、身体の胴体部分がフィニッシュラインを通過する瞬間で計測されています(下図参照)。

 

※陸上競技審判ハンドブック2019-2020,トラック競技.日本陸上競技連盟.pp.243.より引用

 

フィニッシュには大きく3種類ほどあり、上体を前に突っ込むタイプ、身体を捻って出すタイプ、そのまま駆け抜けるタイプなどがあります。このフィニッシュの仕方次第でタイムや順位が変わることがあるというのも、陸上競技のトラック種目の面白さです。

 

 

1000分の1秒でも差があれば「同タイム着差あり」

このフィニッシュタイムは1000分の1秒まで計測されています。10000m以下の種目では、1000分の1の桁を繰り上げて、100分の1秒までのタイムが表記、記録として残ることになります。

 

しかし、順位を決める際にこの100分の1秒まで同タイムだった場合は、1000分の1秒差まで考慮され、着順が決められることになります。これは「同タイム着差あり」と呼ばれ、陸上競技の試合の中でもそこまで珍しいものではありません。

 

23. 写真判定による時間はつぎのようにする。
 ⒜  10,000m(を含む)以下のレースの時間は0.01秒表示の写真判定システムによって計時され0.01秒単位とする。厳密に0.01秒とならない場合はつぎのより長い0.01秒に変換する(切上げる)。例 26:17.533 → 26:17.54

 

引用:陸上競技ルールブック2019(トラック競技)pp.235 日本陸上競技連盟競技規則第3部165条23.

 

第166条3⒝による同順位
2. (着順ではなく)時間を元にして第166条3⒝によるランキングの順位が同じ場合は、写真判定員主任は0.001秒の実時間を考慮しなければならない。それでも同じであれば同成績とし、ラン キングの順位を決める抽選を行う。

 

引用:陸上競技ルールブック2019(トラック競技)pp.247 日本陸上競技連盟競技規則第3部167条2.

 

タイムでの決勝進出者でギリギリ最後の枠が同タイム着差なし(1000分の1秒まで同じ)で2名いたらどうなるの?

決勝進出者を決める時、タイムでの進出者の最後の枠が同タイム着差なし(1000分の1秒まで同じ)が2名以上いた場合、決勝進出者はどのように決められるのでしょうか?

 

例えば、100mの準決勝が3組あり、各組合上位2着とタイム上位2名が決勝進出条件(3組2着+2)の時、タイム上位の残り1枠に、同タイムが2名以上いる場合です。

 

もしもトラックが9レーンあったり、レーンに余裕がある場合は、100〜800mの種目なら9名で決勝を行うことがあります。しかし、レーンに余裕がない場合は抽選で決まることになります。とても残酷ですが…。

 

 

3組2着+2で、2着目に同タイム着差なしが2人いた時

着順の残り1枠に同タイム着差なしが2名いた時は、プラスで拾われる選手の枠が減らされることになります。

 

100mの準決勝が3組あり、各組合上位2着とタイム上位2名が決勝進出条件(3組2着+2)の時、1組目の2着目に同タイム着差なしが出たとします。つまり、1組目は2着までが3名出たということになります。

 

その場合、タイムで拾われる選手+2名の枠が1つ減らされることで、決勝進出者が決まることになります。

 

着順による最後の1枠が同順位
3. 第167条1を適用しても、着順による最後の1枠を決めるにあたり同成績がいる場合、空きレーンがあるか、走る場所がある(800m競走でレーンに複数割り当てる場合を含む)のであれば、 同成績者は次のラウンドに進めるようにするべきである。不可能なら、次ラウンドへの進出者は抽選により決める。
4. 着順と時間で次ラウンド進出者を決める方法(例:2組で行い、 各組3着までと4着以下の上位記録2名が次ラウンド進出)において、着順で決める最後の1枠が同成績だった場合、同成績(同着)の競技者を次ラウンドに進出させ、その分、時間に基づいて次ラウンドへの進出を認める競技者の数を減らす。

 

時間による最後の1枠が同順位
5. 時間による最後の1枠に同成績がいる場合、写真判定主任は 0.001秒の実時間を考慮しなければならない。それでも同じであれば同成績とする。空きレーンがあるか、走る場所がある(800m 競走でレーンに複数割り当てる場合を含む)のであれば、同成績者は次のラウンドに進めるようにするべきである。不可能なら、次ラウンドへの進出者は抽選により決める。

 

引用:陸上競技ルールブック2019(トラック競技)pp.247-248 日本陸上競技連盟競技規則第3部167条.

参照

・陸上競技ルールブック2019(トラック競技).日本陸上競技連盟競技規則第3部.https://www.jaaf.or.jp/pdf/about/rule/1911.pdf
・陸上競技審判ハンドブック2019-2020,トラック競技.日本陸上競技連盟.pp.243.

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