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陸上選手における、反り腰の原因と改善方法

反り腰とは?

反り腰とは、骨盤が過度に前傾したり、上体が後ろに仰け反った姿勢になったりすることで、腰が反ってしまっている状態を指します。

 

 

写真のようにお尻がポコっと出ているような感じに見えるのが特徴です。

 

このような反り腰のランナー、スプリンターが良く訴えることとして、腰痛が挙げられます。反り腰のような姿勢不良は、腰に負担がかかる原因の一つになります。

 

また、走っているとさらに腰が反ってしまい、足が後ろに流れ膝を前に引き戻すのが遅れてしまうという問題も起こりやすくなってしまうことが考えられます。

 

そのため、過度に腰が反ってしまう状態は、できる限り改善していかなくてはなりません。

反り腰の原因は何?

lower crossed syndrome

反り腰の原因の一つに、lower crossed syndromeという姿勢不良が挙げられます。

 

このlower crossed syndromeでは、骨盤を前傾させる筋肉が短縮、緊張した状態になっています。逆に骨盤を後傾させる働きがある筋肉は緩んでしまっていることが多いです。

 

このような筋肉の緊張と緩みのアンバランスによって、反り腰の姿勢になってしまうのです。

 

 

lower crossed syndromeで緊張している筋肉、緩んでいる筋肉

では、具体的にどのような筋肉がアンバランスな状態になっているのでしょうか?

 

 

 

図のように、骨盤を前傾させる作用のある大腿直筋脊柱起立筋大腰筋といった筋肉は短縮され、緊張した状態になっています。

 

一方、骨盤を後傾させる臀筋ハムストリング腹直筋などの筋肉は相対的に弱く、弛緩し、伸びた状態になっているのです。

 

反り腰を改善させる視点

lower crossed syndrome改善エクササイズ

lower crossed syndromeの改善には、基本的に縮んで固まりやすくなっている筋肉を緩ませ、弱化し、緩んでいる筋肉を鍛えることが重要です。

 

以下、そのためのエクササイズをいくつか紹介します。

 

 

参考動画(ハムストリング・臀筋のトレーニング:デッドリフト)

 

 

参考動画(腹直筋を固めるエクササイズ)

 

腰を反らないように、お腹を固めるイメージで行います。背中からかかとまで一直線になるようにしてみましょう。

 

 

 

股関節前面:大腰筋、大腿直筋のストレッチ

 

 

 

片膝立ちの姿勢で徐々に身体をを前に移動させていきます。この時、お尻に力を入れ、腰を反ってしまわないように注意しましょう。後ろ足を曲げて行うと、腿の前部分をよりストレッチすることができます。

 

 

 

やってはいけないこと?

また、lower crossed syndromeでは骨盤が前傾しているため、骨盤を後傾させる筋肉は引き伸ばされてしまっている可能性が高いです。

 

つまり、骨盤を後傾させるハムストリングも引き伸ばされているわけです。

 

そして、ヒトは走りの際、膝を前に引き出す必要があります。膝を前に引き出す動作は、ハムストリングはさらに引き伸ばすことならなります。

 

 

 

となると、反り腰で引き伸ばされていたハムストリングがさらに引き伸ばされることになり、ハムストリングの肉離れのリスクが高くなる可能性が考えられるのです。

 

反り腰の場合は、骨盤を過度に前傾させないように、骨盤を後傾させる最後の砦として、ハムストリングが働いていることがあり得ます。

 

したがって、lower crossed syndromeでは、安易にハムストリングをストレッチしないようにした方が良いかもしれません。

 

 

ハムストリングの肉離れについてはコチラを参照ください。

・陸上短距離選手におけるハムストリングの肉離れの原因と予防方法(スプリンターと肉離れ)

 

・ハムストリングの肉離れを防ぐためにこそ、「全力スプリント練習」から逃げてはいけない

 

 

走りの意識

反り腰改善のもう一つのアプローチとして、走っている時の意識改善があります。

 

顎を引く
ヒトには頸反射という機能があり、顎を引くことで腰が丸まりやすくなることが考えられます。

 

顎を引く…それだけ??と感じることもあるかもしれませんが、意外と高い効果が望めるかもしれません。

 

お腹を締める
下腹部を締めるような意識を持つことで、骨盤の前傾を抑えます。丹田と呼ばれる部分を意識して、おへそが前に出て行かないように走ってみましょう。

 

まとめ

・反り腰は腰痛や足の過度な流れと言った問題につながる可能性がある。

 

・反り腰の原因の一つに、lower crossed syndromという姿勢不良がある。

 

・lower crossed syndromで緩んでいる筋肉を鍛え、縮んで拘縮している筋肉を緩ませることが、その改善に重要。

 

・その他、顎を引く、丹田に力を入れるなどの意識によっても改善が見込めるかもしれない。

 

 

その他の関連記事

・速く走るための腕振りの役割―腕を振らないなんてあり得ない―

 

上半身の筋肉の3つの役割とトレーニング方法(腕振り・骨盤の安定)

 

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