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ジャンプトレーニングの方向とスプリント能力の関係

ジャンプトレーニングの方向とスプリント能力の関係

ジャンプトレーニングはスポーツのパフォーマンス(ダッシュ、バレーボールのスパイク時のジャンプなど)を高める手段として良く用いられることでしょう。

 

このジャンプトレーニングには、上に跳ぶ垂直跳びや、前へ跳ぶ立ち幅跳びなど、一様にジャンプと言ってもその運動の方向は異なるものが含まれます。

 

では、このジャンプトレーニングの方向によって、パフォーマンスへの影響はどのように変化するのでしょうか?

 

 

これに関する研究(Loturcoほか,2015)を紹介します。

 

 

ジャンプトレーニングがスプリントパフォーマンスに及ぼす影響(立ち幅跳び VS 垂直跳び)

 

ハイレベルのサッカー選手11名を対象に、垂直方向のジャンプトレーニング群(腰に手を当てた状態での垂直跳び:カウンタームーブメントジャンプ)、水平方向へのジャンプトレーニング群(腕振りアリの立ち幅跳び)に分け、4-6回×10セットのトレーニングを3週間実施した。

 

 

その結果、20mのスプリント速度は垂直トレーニング群の方がより向上し、10mの速度は水平トレーニング群の方が顕著に改善されていました。

 

 

 

※Loturcoほか(2015)より、筆者作成

 

 

ジャンプの方向によって、スプリント能力の向上の仕方に違いがみられたことは非常に興味深いですね。

 

 

 

「スレッド走トレーニングとスプリント加速能力」でも紹介しましたが、スプリント加速能力では、水平方向の力発揮がより重要になります。

 

 

立ち幅跳びによる水平方向の力発揮向上が、スタート直後の水平方向への力発揮に繋がり、10mのスプリントタイムが向上したと考えられます。

 

 

一方、20mスプリントでは、10mまでのスプリントと比較してより接地時間が短くなることが考えられます。

 

 

接地時間が短くなるということは、それだけ短い時間で自分の体重を支える力を垂直方向に発揮する必要が出てくると予想できます。

 

 

そのため、20mスプリントでは、垂直方向のトレーニング群の方がより改善されていたのではないか、と仮説が立てられます。

 

 

いずれにしても、トレーニングの特異性と競技力の構造の関係性について考えさせられる研究結果です。

 

 

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参考文献
・Loturco, I., Pereira, L. A., Kobal, R., Zanetti, V., Kitamura, K., Abad, C. C. C., & Nakamura, F. Y. (2015). Transference effect of vertical and horizontal plyometrics on sprint performance of high-level U-20 soccer players. Journal of sports sciences, 33(20), 2182-2191.

 

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