ピッチとストライドの関係
走るときに強制的に足の回転の速さだけを高めようとすれば、誰でもそれは可能です。その場でチョコチョコと、高速で足踏みのような動きをすれば、高速ピッチを出すことができます。しかし、これではストライドが小さすぎて、全然前には進みません。
逆に、できるだけ大きな歩幅でバウンディングのように走ろうとすると、脚の回転はとても遅くなってしまいます。
このように、ピッチとストライドは、どちらか一方を意図的に高めようとすれば、もう一方は低下してしまう関係性があります。なので、足を速くするためには、ピッチを低下させないようにストライドを向上させるか、ストライドを維持した中でピッチを高める、もしくはその両方を高める必要があるわけです。
身長が高い人もいれば低い人もいます。同じように、高いピッチを出すのが得意な人もいれば、大きなストライドで走るのが得意な人もいます。
世界記録を保持しているウサイン・ボルト選手のストライドは2m75cm以上にもなりますが、ピッチは1秒間に4.5歩ほどで、ピッチに関しては日本人トップ選手の方が高い傾向があります。
ストライドが大きいことは短距離走において非常に有利になりますが、一番大事なのは、個人に合った、ストライドとピッチのバランスを探っていくことです。「ストライドだけが大事、ピッチの向上は必要ない」などと、両極端な考え方を持つのではなく、その選手の伸びしろはどこか?に着目して、トレーニングを考えていく必要があります。
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