当然、わざとハードルを倒して走れば失格になります。わざとで無ければ失格にはなりません。これは、審判長の裁量によって決められます。
例えばリード脚がハードルに正面からぶつかって、ハードルが倒れてしまっても、わざとだと判断されなければ失格にはなりません。しかし、リード脚を上げようと思えば上げられるはずなのに、十分に脚を引き上げておらず、その結果ハードルを倒した…と判断されれば失格となります。
手でハードルを倒して走ることは論外ですが、特に初心者が多い試合で、ハードルの踏み切りに足を合わせられず、速度を完全に失ってしまったような場合、ハードルに手を添えて乗り越えることが認められています。
⒝ 故意に競技者がハードルを倒したと審判長が判断したとき。
〔注意〕 この規則が守られ、ハードルの位置が変わらず、ハードル の高さが下がったりどちらの向きにも傾いたりしなければ、 競技者はハードルをどのような方法(姿勢)で越えてもよい。
・・・中略・・・
最も明白な意図的に倒したといえる例は、競技者が 手を使っている場合である。他の例では、足や太腿の裏が意図的に使われているように見える場合、審判長は、そうした行為が意図的であり、規 則の意図に違反しているという、強い確信を持たなければならない。競技 者がハードルをクリアする際に十分な高まで抜き足を上げず、その結果と して蹴り倒してしまう例は、意図的と判断されることがある。 注意との関連では、それは主に下位レベルの競技会に関連するが、と はいえすべてに適用される。基本的には、ストライドのパターンを崩した り失ったりした競技者は、例えば手をハードルに添えて「登り越える」こ とが認められる。
引用:陸上競技ルールブック2019(トラック競技)pp.252 日本陸上競技連盟競技規則第3部168条7.