☆SSC運動とは?
スプリント中の運動は、コンセントリック収縮とエキセントリック収縮の繰り返しから成り立っています。
その中でも、硬めた筋腱を急激に引き伸ばして、一気に強い力で縮ませる
「エキセントリック収縮ーコンセントリック収縮のサイクル」は、伸張-短縮サイクル運動(SSC運動)とよばれています。(SSCはStretch-Shortening Cycleの略)
このSSC運動は、
これらの特徴があり、人間のスポーツ中の運動においては自然な形態です。
筋や腱が伸張されたあと、即座に短縮することによって、上のような効果を生むことができます。
反動をつけない垂直跳びと反動をつけた垂直跳び
これらを比較すると、当然「反動あり」の方が高く跳ぶことができると予想できます。
では、なぜ反動をつけた方が高く跳ぶことができるのでしょうか?
このメカニズムを知っておくのと知らないのでは、トレーニングに対する考え方が変わってきます。
しっかりと理解することをお勧めします。
☆SSC運動のメカニズム
理由は以下の4つです。
これらの理由によって、「短縮のみ」の力よりも大きな力を発揮することができます。
①運動中アイソメトリック局面が加わる ②力を発揮させる時間が長くとれる ③筋と腱の弾性エネルギーを蓄えられる ④弾性エネルギーを上手く利用できる神経系のメカニズムがある
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ここではまず、①と②から紹介していきます。
①伸張−短縮に切り換わる際のアイソメトリックな収縮によって、より大きな力が発揮できる。
ここで速度の影響が取り除かれるので、一時的に高い力を発揮できる状態をつくることができます。

②力の立ち上がり時間が長くとれる
筋力を発揮するには時間がかかり、すぐに最大の力を出せるわけではありません。
反動をつけることで、最初にエキセントリック収縮から入りながら力を発揮する時間が長くとれるため、より最大筋力に近い力を発揮できるようになります。
→「力の立ち上がり率」
そしてここからが重要な要素となります。
俗に言われる「バネ」を決定する体力要素です。
→【切り返し運動(SSC運動)②】へ!