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陸上短距離、長距離、跳躍選手の減量と実践例(なぜ痩せられない?)

アスリートの減量について

このページで分かること
  1. アスリートの減量について
  2. どうして思うように減量できないのか?
  3. パフォーマンスを損なわずに減量を成功させるポイント
  4. 減量の具体的な実践例
  5. 減量を行う上で持つべき考え方
  6. こんな減量はダメ
  7. あなたは本当に「減量が必要か?」
  8. 参考文献

陸上競技の短距離、長距離、跳躍選手にとって余分な体脂肪の増加はパフォーマンスを低下させます。余分な重りをつけたまま、速く走ろうとしたり、遠く、または高く跳ぼうとしても上手くいかないことは容易に想像できる事でしょう。できることなら、ある程度低い体脂肪率へと身体を絞って、その状態をキープしておきたいものです。

 

「練習をたくさんしていれば自然と身体は絞れていくから、そこまで気にすることはない」と言う選手はもちろんいます。しかし、頑張って練習をしてもなかなか身体が絞れなかったり、パフォーマンスを損ねて怪我をしてしまったりする選手も多くいることは事実でしょう。体つきが変わりやすい10代後半から20代の女性アスリートや生活環境の変化が多い大学生アスリートにとっては特に興味関心の高い内容なのではないでしょうか?

 

「食事にも気を遣っているのに、たくさん練習しているのに、自分の体質のせいなのか…どうしても減量ができない。」

 

ここからはこのような選手のために、以下の点について紹介していきます。

・思うように身体を絞ることができない原因
・パフォーマンスを損なうことなく身体を絞るポイントと実践例
・あなたは本当に減量が必要ですか?

 


どうして思うように減量できないのか?

思うように減量できない原因を探る前に、減量に関する基本的な確認ポイントについて。

 

体重の増減を決めるのはカロリー収支である

体重の増減を決めるのはカロリー収支です。カロリー収支とは、消費したカロリーと摂取したカロリーの差分のことを言い、これがプラスになると体重が増え、マイナスになると体重が減ります。

 

つまり、身体を絞るためには摂取カロリーよりも消費カロリーを多くして、カロリー収支をマイナスにすることが大前提となります。

 

 

 

たくさん運動していれば消費カロリーは増える筈です。食事に気を使っていれば尚更カロリー収支はマイナスになるはずでしょう。では、日々ハードな練習をこなしているはずのアスリートに、なぜ減量に苦しむ人が多いのでしょうか?

 

 

 

たくさん運動して食べないほど、消費カロリーと筋肉が減る

ヒトは痩せたくない

たくさん練習しているのになかなか痩せられない人がいることの理由の一つは、人に代謝を調節する機能があるからです。

 

ハードに練習をすればするほど、消費カロリーは増えるはずです。そして食事量を減らせば減らすほど、摂取カロリーは減ります。こうしてカロリー収支がマイナスになれば、体重は減り続けるはずなのです。

 

 

しかし、人間にとって体重が減り続けてしまうのは都合が悪いわけです。人は「生きること」が第一であり、万が一に備えてできるだけエネルギーを蓄えておきたい生き物であるため、今の状態を何とか維持しようとする働きがあります。これを恒常性の維持(ホメオスタシス)と言います。つまりヒトは痩せたくないのです。

 

たくさん練習して消費カロリーが極端に増えると、人間は練習時以外での消費カロリー(いわゆる基礎代謝のこと)を減らして対応し始めます。

 

 

 

 

いわゆる、超省エネの身体になっていくわけです。

 

このことが影響して、たくさん運動して極端に食事を減らせば減らすほど、またその期間が長ければ長いほど、カロリーを消費しにくい身体、つまり痩せにくい身体になっていくのです。これが、身体を上手く絞れないアスリートがいる理由の一つであると言えます。

 

 

 

長距離・競歩選手「超省エネの身体」が多い

特に長距離、競歩選手などの持久系のアスリートは、「超省エネの身体」が多い傾向があります。運動によって多量のエネルギーを消費し、体重増加を恐れて食事量を減らそうとすると、当然基礎代謝を下げるようにして身体が適応します。

 

また、持久系のアスリートは「速筋線維」と呼ばれる、大きなパワーを生み出せる筋線維があまり発達していません。この速筋線維には、エネルギーを勝手に熱に変えるタンパク質(UCP:ミトコンドリア脱共役タンパク質)が存在しており、速筋線維が発達していることはいわゆる痩せやすい体質と関連しています。

 

長距離や競歩など、持久的な運動をバリバリ続けていると、このUCPは減りやすくなってしまうので、なおさら低燃費な身体になってしまうというわけです。しかし、トレーニングの性質上、これは仕方のないことであるとも言えるでしょう。

 

 

筋肉がみるみる減る

エネルギーが足りないと、身体は脂肪だけでなく筋肉も分解して不足分を賄います。特にカロリー収支が大きくマイナスになった状態で、筋肉に急ブレーキをかけるような刺激や、限界まで追い込むようなトレーニングを続けていると、筋肉の萎縮はさらに激しくなります(体重は激減したけど跳べなくなった、逆に走れなくなったという人は多いです)。また、一気に絞ろうとすると筋量が減るリスクは高まりやすい。

 

 

筋肉量が減るとさらに痩せづらい身体になり、羽目が外れてドカ食いに走る⇒極端な食事制限⇒筋量激減・・・の負のサイクルだけは取り返しがつかなくなるので極力避けたいものです。

 

 

全然食べてないと言ってる人→「実はめちゃめちゃ食べている説」

「私全然食べてないのに太っちゃうんだよね…痩せないんだよね…」というアスリートは多いです。前述の通り、代謝が極端に落ちていることも原因のひとつかもしれません。

 

繰り返しますが、体重の増減を決めるのはカロリー収支です。食べ過ぎれば当然のごとく太ります。全然食べてないのに、太ってしまうと言う人がいたら、それは「実はめちゃくちゃ食べている」ということも十分考えられるのです。

 

実際、人は摂取したカロリーを本当のカロリーよりも低く見積もってしまう傾向があるようです。

 

・ファストフード店で食事した客に「何キロカロリー食べた?」と質問し、実際の摂取カロリーと比較。
→多くの人が実際の摂取カロリーよりも低く摂取カロリーを見積もっていた。ハイカロリーな商品を注文した人ほど、摂取カロリーをより少なく見積もっていた。

※Wansink et al. (2006)

・15歳から57歳の140人の食事を記録し、翌日に「何をどれくらい食べたか?」思い出してもらい、実際の食事量と比較。
→ジャガイモやおかゆなどの主食は実際に食べた量よりも多く食べたと申告。ケーキなどのデザート類は実際に食べた量よりも少なく食べたと申告

※Karvetti et al.(1985)

・50歳から76歳の96人に食事記録を丁寧につけてもらい、性別や体重から推定された消費カロリーと摂取カロリーとの関係を検討。
肥満の人や女性ほど、食事記録が過少申告されていた。

※Okubo et al.(2006)

 

このように実際に分析してみると、「思っている以上に自分はカロリーを摂取していた。」「多く食べるとヤバいものは忘れやすい(忘れたことにする)。」「ハイカロリーな食事をしたことを申告したがらない(食べてないことにする)。」というケースはかなり多いと考えられます。

 

夕飯のお米は控えている。しかし、昼間はスタバでフラペチーノをガブ飲み。1杯で牛丼1杯並みのカロリーが摂れます。何気なく休息時間にガブ飲みしているスポーツ飲料でも1リットルで250Kcalほどあります。お菓子など、頻繁に完食をする場合であればかなりの摂取カロリーとなります。何気なく食べているパン類などでも1個あたり500kcalを超えるものもザラにあります。

 

 

どうでしょう?自分が何気なく口にしているものを正確にカロリー計算してみると案外高い摂取カロリーとなっている場合は多いです。しかもそれを忘れようとしてしまうとなると余計にタチが悪くなりますよね。

 

「全然食べてないのに太っちゃう…」→「いや、君めちゃくちゃ食べてるよ?」

 

というケースが意外に多いことも頭に入れておくべき事でしょう。

 

 

 

摂取カロリーの増加は「環境のせい」でもある

親元を離れて一人暮らしをするようになった。大学生になり、食事を自分で管理するようになった。これらのような生活環境の変化は当然身体組成に影響する可能性があります。

 

高校時代は親の作る食事やお弁当がメインで、意識せずとも食事の時間帯や量が管理されていることがあります。

 

しかし、一人暮らしをするようになったりして、これらを自分で管理するようになると、ついつい食べすぎてしまったり、外食が増えたり、食事の時間が乱れたりすることはかなり増えることでしょう。

 

大学での学食などは食中毒防止の観点からすると揚げ物が圧倒的に多いこともありますし、20歳を過ぎるとお酒を飲み、ハイカロリーなものを摂取する機会も増えてきます。

 

このように、以前までは意識せずとも管理されていた食生活も、環境の変化によって、自分で意識して管理しなければ、急激に太ってしまうことになりかねないシチュエーションはあると言えるでしょう。

 

このような環境の変化による影響をいち早く察知して、対策を練ることができるかについても、競技力を順調に高めていくために必要なことでしょう。

パフォーマンスを損なわずに減量を成功させるポイント

減量を成功させるには「正しい知識」が必要です。そのためには、めんどくさがらずに学ぶこと、愚直に行動し続けることが必須条件とも言えます。以下は、押さえておきたい減量の基本事項です。

 

 

減量のピラミッドを理解しよう

この減量の際、むやみやたらに食事を減らして、トレーニング量を多くしてしまうと、怪我のリスクが大きくなるとともに、せっかくつけてきた筋肉量を大きく減らしてしまうことにつながります。これでは、体重は減るけども種目でのパフォーマンスはなかなか上がっていきません。なので減量の際には「筋肉量をキープできること」「怪我なくトレーニングが継続できること」の2点を意識する必要が出てきます。

 

そこで守るべき食事のポイントをピラミッド形式で表したものが、以下の通りです。

 

 

エネルギー収支はマイナスに

減量時はエネルギー収支をマイナスにする必要があります。これができなければそもそも痩せないのは当然の話です。しかし、トレーニングがしっかりこなせなくなってしまえば本末転倒です。最低限の糖質量は確保して、まずはしっかりとトレーニングをこなしましょう。話はそれからです。

 

※国際オリンピック委員会(2012)より

 

タンパク質を体重1㎏あたり2g以上は確保

筋肉量を増やすためにはタンパク質の摂取を増やすのが大事だと紹介してきましたが、実は減量時の方がより多くのタンパク質を摂取する必要があります。これによって、減量時の筋肉の減少度合いを小さくすることができるからです(Longland et al.,2016)。体重1㎏当たり2g以上を目安に、摂取しましょう。

 

脂質は体重1㎏あたり1gを確保(オメガ3を積極的に)

例え減量時であっても脂質を完全にカットするのは好ましくありません。「脂質は太る」というイメージを持たれることが多いですが、脂質は食欲や気分状態、脂質の代謝、その他さまざまな身体の機能に関わるホルモンの分泌に影響します。これを完全カットしてしまえば、食欲が抑えられなくなったり、気分状態が悪くなってイライラしやすくなったり、体脂肪が減りづらくなってしまいます。

 

脂質の摂取の際には、魚に多く含まれるオメガ3と呼ばれる脂肪酸を意識して摂取するようにしましょう。筋量維持や気分状態の改善に効果的でありながら、多くの人にとって不足しやすい脂肪酸だからです。

 

 

ビタミンやミネラルを確保

減量中はタダでさえエネルギー量、食事量が減るわけですから、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素も不足しやすい状況になります。緑黄色野菜や乳製品を多めに取り入れながら、またはサプリメントを有効活用しながらでも、これらの微量栄養素の不足が無いように心がける必要があります。

 

減量の具体的な実践例

減量の基本的なポイントは分かったけど、じゃあ具体的にどうしたらいいのか?を考えることが苦手な人は、以下の実践例を参考にしてみてください。

 

 

実践例①(練習後の炭水化物を減らして,朝しっかり食べよう)

トレーニング後の炭水化物を少し減らすと、筋肉の持久力にかかわるミトコンドリアが増えやすくなると言われています(Marquet et al.,2016)。また、体脂肪減にも効果的のようです。トレーニング後の食事の炭水化物をやや少なめにして、その分タンパク質やミネラルを豊富に摂取することを心がけてみましょう。

 

炭水化物は朝多めに食べて、その日の午後の練習に備えます。しかし、その日の朝にハードなトレーニングがある場合は、前日の夜にも炭水化物を普段通り摂取するのが望ましいです。

 

エネルギーが必要な時には多く摂り、必要ない時には抑えてあげる視点です。

 

 

実践例②マゴニワヤサシイを食べよう

食材選びに迷ったら「マゴニワヤサシイ」を選んでみましょう。これらを美味しく食べる、そして日々の食事で満足感を得ることが、長く続けるために重要です。

 

 

 

実践例③牛乳で割ったプロテインをトレーニング後か夕飯前に飲む

ホエイプロテインや牛乳はその後の食欲を抑える効果があるとされています。なので、トレーニング後の食べ過ぎを防ぐことにつながります。プロテイン飲むだけじゃ太らないので、安心して飲みましょう。購入時は「ホエイ」プロテインを選びましょう。

 

 

実践例④お菓子は成分表を確認しよう

「お菓子は食べていい」です。ダメなのは「お菓子、デザートが習慣化すること」です。たまに食べる分には良いですし、楽しみの一つにもなります。

 

特に「これがいい!」と言うのが無ければ、裏の成分表を確認して、脂質の少ないものを選びましょう。アイスなら「氷菓orラクトアイス」と書かれているものを。

 

 

実践例⑤どのタンパク源を摂ろうかな…を先に考える

「今日はうどん!」「今日はパスタ!」ではなくて「今日はサバ!」「今日は豚肉!」などと、タンパク質から食べるものを決める習慣をつけるとよいでしょう。

 

主食から選んでしまうと、ついつい必要なタンパク質や微量栄養素が摂れずにカロリー過多になってしまいます。

 

 

 

実践例⑥一口食べたら箸を置く

よく噛むことで、代謝が微妙に上がるのと、食べ過ぎを防ぐ効果があります。昔から言われている「よく噛んで食べましょう」はとても大事なことです。

 

※Diamond & LeBlanc (1987)より

 

実践例⑦使う食器を変える

図のように、タンパク質と汁物、サラダのお皿を大きくすることも効果的です。タンパク質量を増やしたり、食べ過ぎを防いぐとともに、食事による満足感につながります。果物はジュースではなく、できる限り丸ごといきましょう。ジュースでなければそこまで大したカロリーにはならないことがほとんどです。

 

 

 

実践例⑧肉や魚を毎食「手のひら1枚」は摂るようにする

必要なタンパク質を確保するためにも、肉や魚を「毎食手のひら1枚分」は摂取しましょう。これでおおよそタンパク質20~30g程度は確保できます。綿密な計算をするよりも分かりやすい目安になります。

 

 

実践例⑨肉の種類に気を付ける

ただ、肉の種類には要注意です。中には脂質が非常に高いものも含まれているので、以下の表を参考にしながら、メニューをチョイスしてみましょう。

 

 

 

 

 

減量を行う上で持つべき考え方

完璧主義は挫折のもと

やる気があることは素晴らしいことです。しかし、紹介したものを完璧に全てやろうとすると、どこかで続けられなくなることがあります。なぜなら、全て完璧にやろうとするのは、強い我慢が必要になるからです。なので、「いかに自分を我慢させないかに工夫を凝らす努力」を怠らないことが重要です。

 

「ああそういえば…」くらいの気持ちで、徐々に変えて、意識しなくてもそれができるようになる、習慣化につなげるのが理想です。「習慣化された努力は最強」と覚えておくと良いと思います。

 

 

1日の体重の増減に一喜一憂しない(それ全部水分)

たまに「昨日より1.5㎏もやせてる!やった!」と喜ぶ人がいます。しかし、1日そこらで体脂肪が数キロも落ちることなんてありえません。落ちたのはほとんど水分です。筋肉にはエネルギー源として糖質(グリコーゲン)が蓄えられていますが、そのグリコーゲンと一緒に水分も蓄えられています。

 

なので、運動でグリコーゲンを消耗すると、一時的に水分量も大きく減るので、体重が大きく減るわけです。脂肪が減ったわけではないので、糖質を摂取すればすぐに戻ります。

 

1日の大幅な体重の増減にあまり意味はありません。大切なのは、長期的に見て体脂肪が減っていっているか、それに伴い体重が減っているかどうかです。1日程度の大きな変化に一喜一憂するよりも、長いスパンで現状を評価する癖を付けましょう。

 

 

 

「何を食べないか?」ではなく、「何を食べるか?」を考える

ダイエットをしていると、ついつい「食べないようにしなきゃ」という考え方に陥りがちです。しかし、そのような考え方は抑圧的で、日々の食事が楽しくなくなり、満足感が得られにくい、継続困難…ということにつながってしまいます。

 

なので減量では、「何を食べなければならないか?」と、視点を変えて生活をするべきです。減量中に必要な栄養素を十分に確保するための食材をまずはおいしく、満足いくスタイルで食べる。その生活を続けていれば、次第にジャンキーな食品への欲求は抑えられていくはずです。

こんな減量はダメ

減量中は、身体の組織の分解が強くなっている状態です。この状態ではなかなか筋肉量を増やすのが難しくなったり、普段と同じようにトレーニングがこなせない、回復が遅れやすいなどの状況に陥りやすくなってしまうことがあります。

 

「身体を絞らなきゃ!」と言って、食事量が減りすぎてそもそものトレーニングがこなせなくなってしまえば本末転倒です。減量はあくまで手段であって、私たちが目的とするのは種目のパフォーマンスの向上です。たとえ身体が絞れなくても専門種目の記録が伸びていけばよいはずです。そこを見誤って、「痩せることが目的」になってしまわないようにしましょう。

 

 

減量時の注意ポイント

・練習がしっかりこなせなくなる、調子が悪くなる減量はダメ
・筋肉がすごく減っちゃうような減量はダメ
・継続できず、ドカ食いに走っちゃう減量はダメ

あなたは本当に「減量が必要か?」

ここまで減量のポイントや、実践例について紹介してきましたが、それらを考える以前に必要なことがあります。それは「あなたに本当に減量が必要か?」です。

 

若者やアスリートの過剰な「痩せ願望」や、それに伴う摂食障害、女性の無月経、疲労骨折などは社会問題ともなっています。あなたが減量を行う理由について、今一度考えてみましょう。「体重が減れば、スポーツのパフォーマンスが上がるわけではない」からです。

 

これに関して、競歩の日本トップ選手である岡田久美子選手は、次のような経験談を語っています。

 

“高校のときは競歩と駅伝に取り組んでいました。初めて生理が来たのは高校受験前の中学3年生のときでしたが、高校3年間は一度も来ませんでした。…(中略)…身長は今と変わらず158㎝でした。体重は現在47~48㎏ですが、当時は38㎏くらいでした。常に体重を気にしていたからなのか、非常に暗かったかと思います。「太ったね?」などと言われてそれがストレスで過食したり、その反面食べなくて免疫力が落ちたりしていました。”

 

“どうしても “細い選手、生理が止まっている選手が強い選手だ” という固定観念がついてしまうと思います。しかし、一時的に体を軽くして仮に強くなれたとしても、精神的にも体力的にも長くは続きません。もちろん年代に応じた練習方法やコンディション管理方法はあるかと思いますが、何が長続きできる方法か、よく吟味してもらいたいですね。生理が来ていない選手は骨密度が低く疲労骨折などもしやすいので、大学、社会人と選手生活を送りたい選手はそのこともよく知ってもらいたいと思います。また、食事もしっかり取って、練習や試合に必要なエネルギーを常に摂取し、間違った固定観念は捨ててください。“

 

女子アスリートに知っておいてほしいこと第9回(細い選手の方が強い?将来のことまで考えていますか?):日本陸上競技連盟医事委員会.より引用

 

このような話からも分かる通り、「体重が増える=パフォーマンスが下がる」ではありません。実際に、競歩という超持久系とも言える種目で、体重が10㎏近く変わったとしても、記録を向上させ続けています。また、この記事が書かれたのは、2019年4月頃ですが、岡田選手は同年5月に5000mW、7月に20㎞W、12月に10000mWで日本記録を樹立する活躍を見せています。

 

特に若い世代で極端に食事制限をしてしまうと、骨や臓器が十分に発達せず、軽くなるけど長期的に強くはなれない身体になってしまう可能性は十分考えられます。将来の健康状態をも左右する問題です。

 

「体重が減ったか?」にとらわれず、まずは「トレーニングの調子が良いか?」を優先的に考えましょう。そのうえで、ここまで紹介してきた減量ポイントを活用して、長期的な目線で実行に移してみてください。

 

参考文献

・Wansink B, et al. Meal size,not body size,explains errors in estimating the calorie content of meals. Ann lntern Med 2006; 145:326-32.
・Karvetti RL, et al.Validity of the 24-hour dietary recall. J Am Diet Assoc 1985;85:1437-42.
・Okubo H, et al. The influence of age and body mass index on relative accuracy of energy intake among Japanese adults. Public Health Nutr. 2006;9:651-7.
・Longland et al. (2016). Higher compared with lower dietary protein during an energy deficit combined with intense exercise promotes greater lean mass gain and fat mass loss: a randomized trial. The American journal of clinical nutrition, 103(3), 738-746.
・Marquet, L. A., Brisswalter, J., Louis, J., Tiollier, E., Burke, L., Hawley, J., & Hausswirth, C. (2016). Enhanced Endurance Performance by Periodization of CHO Intake:sleep low strategy. Medicine and science in sports and exercise, 48(4), 663-672.
・Diamond P. & LeBlanc J. (1987). Role of autonomic nervous system in postprandial thermogenesis in dogs.

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