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水浴療法(冷水浴、温水浴、温冷交代浴)

水浴療法(冷水浴、温水浴、温冷交代浴)

アイシングはトレーニング効果を下げるので使い分けが重要にて、アイシングや冷水浴を用いたリカバリー効果について紹介しました。

 

簡単にまとめると、

 

・代謝活性の抑制

 

・毛細血管収縮

 

・浮腫による炎症の抑制

 

・神経系の伝達能低下(主観的な痛みの減少)

 

・筋肉の弾力低下

 

 

によって、

 

・回復を促し、運動間や翌日のパフォーマンス低下を防ぐことができる。

 

・ハイパワーが要求される運動の直前ではマイナスの影響が出る。

 

・冷水浴に関しては、筋力や筋量アップなどには長期的に見てマイナスの影響が出る可能性がある。

 

 

したがって、場合によってアイシングも使い分けが必要だということを紹介しました。

 

温冷交代療法

そして、これから一部紹介する「温冷交代療法」というものですが、簡単に言うと、冷やしたり温めたりを繰り返すことで様々な生理的な効果が期待できるというものです。

 

一般にも良く知られている方法なのではないでしょうか?

 

 

温冷療法で期待できる効果

 

・血流増加による血管収縮、拡張

 

血液、リンパ液の流れの促進

 

浮腫、痛覚、筋肉痛軽減

 

リカバリーに有効

 

 

しかし、

 

主に筋機能に対して有益な効果を得るためには、十分な筋温の変化が必要ですが、温冷療法では筋温にはあまり変化をもたらしません(Myrer 1997)

 

 

 

 

また、血管収縮、拡張による心臓のポンプ作用も検証が不十分なままです。

 

このように温冷療法による生理的な作用の仕組みがどのようなものなのか、詳しくは明らかになっていません。(Cochraneら 2004)

 

しかし、運動後の実施でパフォーマンスの改善が多く報告されています。

 

これらのことも関連して、温冷療法には様々な疑問の声も上がっていますが、スポーツ選手の中では広く認知されています。

 

水浴に関する研究(冷水のみ?温水のみ?温冷交代浴?どれがいいの?)

温冷療法でもっとも一般的なのが、温冷交代浴です。

 

冷たいのに入ったり、温かいのに入ったりする方法ですが、選手であれば一度は聞いたことのある方法だと思います。

 

さて、水浴療法には冷水浴、温水浴、温冷交代浴…

 

主に3つの方法がありますが、これらのやり方の違いによって得られる効果は変わってくるのでしょうか?

 

また、そもそもの水浴療法の効果のほどはどの程度のものなのでしょう?

 

そこで、運動、回復時間別に水浴療法の効果をみていきたいと思います。

 

 

運動間が短い場合(数分から数時間後にもう一度運動)

・30秒全力ペダリング×4 r:30秒 の運動後、「交代浴30分」と「安静30分」を比較
→交代浴の方が血中乳酸値は減少(Morton,2007)

 

・50m全力泳ぎ×6 r:2分で、レスト2分の間に「温水浴」と「水から出る」を比較
→「温水浴」でパフォーマンス改善(Buchheit,Al Haddad,et al.2010)

 

・30秒全力ペダリング×2で「冷水浴15分」と「安静15分」を比較
→冷水浴でパフォーマンス低下(Schniepp et al.2002)

 

・30秒全力ペダリング×2で「軽い運動10分+冷水浴15分分+35分安静」と「軽い運動10分+安静50分」を比較
→冷水浴でパフォーマンス低下(Crowe,O Connor and Rudd,2007)

 

など、他にも多くの報告がなされていますが、傾向としては、

 

・筋パワーが要求される運動前に冷水浴をやるとパフォーマンスに悪影響がありそう。

 

・運動間がやや長く(15分以上)、冷水浴を行ったあと、ある程度時間をおいても、パフォーマンスに悪影響が出そう。

 

・短時間(2分とか)のインターバル間であれば、温水浴か交代浴は効果的かも。

 

これらのことから、「身体を冷やしすぎず、リラックスし過ぎずに、短時間水に浸かって血流を良くすれば、次の運動まで比較的短時間であっても、パフォーマンスの低下が防げる」かもしれません。

 

 

次の運動が翌日からの場合

・18分のペダリング(体重1kgあたり80gの負荷)を24時間間隔で行い、リカバリーの手段として「下肢の冷水浴15分」「マッサージ」「軽い運動」「安静」を比較
→「安静」以外でパフォーマンス維持に効果有り。(Lane and Wenger,2004)

 

・66回のスプリント運動を合計105分、5日連続で行い、「冷水浴」「温水浴」「交代浴」「安静」で比較。
→「温水浴」「安静」でパフォーマンス低下。(Vaile et al,2008)

 

 

 

・サッカー2試合、試合間48時間で「安静」と「冷水浴+サウナ+ジャグジー」を比較
後の試合中のピークスピード、スプリント距離は「冷水浴+サウナ+ジャグジー」の方が良かった。(Buchheit et al,2011)

 

・ネット型球技2試合、試合間24時間で「交代浴15分」「冷水浴10分」「軽い運動」「安静」を比較
→「交代浴」「冷水浴」で間欠的スプリント力、垂直跳びの記録がより維持された。(King and Duffield,2009)

 

・サッカー4試合、試合間24時間で「冷水浴1分×5」と「常温浴1分×5」を比較
→間欠的スプリント、垂直跳びに差なし。(冷水浴の方が筋肉痛減少、主観的にリカバリーした感じが高かった。)(Rowsell et al,2010)

 

 

これらのように、様々な研究がなされています。

 

実際のスポーツの試合間に実施する水浴療法では、冷水浴よりも交代浴が効果的であるとする報告がやや多い印象です。

 

何れにしても、次の運動が翌日で、試合などの高いパフォーマンスが要求される場合には、冷水浴や交代浴はパフォーマンス維持に良い影響をもたらすと考えて良いでしょう。

 

悪く言っても、マイナスの影響があるとは考えにくいと思われます。

 

水浴療法をどう活用すべきか

これらの情報から考えると、

 

次の運動が翌日以降で、高いパフォーマンスが要求される試合などの場合は、交代浴を実施。(冷水浴でも良いが交代浴の方が効果的かもしれない。)

 

「アイシングについて」で述べた通り、筋力アップ目的のトレーニング時は適応を阻害する可能性があるので、冷水浴は行わない方が好ましい。(ここでの交代浴については不明だが、浮腫を減らすことで適応の阻害が起こるのであれば、交代浴もやらない方が良いのかもしれない。)

 

次の運動まで短時間で、高い筋パワーが要求される場合、冷水浴のみ行うとパフォーマンスにマイナスの影響が出るので、行わない。
(冷水浴後に再度ウォーミングアップをしっかりやることができればパフォーマンスは元に戻ると考えられるが…。(Richendollar,Darby, and Brown 2006;))

 

 

 

水浴療法の方法

冷水浴

方法は様々考えられ、上述した実験の中での方法と同じように行っても良いですが、ここでは、筋レベルで効果を得るための方法を紹介します。

 

・15°C未満の水

 

・浴槽は深い方が良いとされている(水圧による血流促進)

 

・20分程度(時間がなければ短時間でも可)

 

・実施後の運動はできるだけ控える

 

・次の運動まで1時間未満など、短時間のインターバルで、ハイパワーが要求される運動である場合は実施しない。その日の試合間で実施した場合は、次の試合までにしっかりとウォーミングアップを行う。

 

 

 

交代浴

こちらも様々な方法が考えられ、これをしたらいい!というものはなかなか示すことが難しいですが、ここではRECOVERY FOR PARFORMANCE IN SPORT(Christophe Hausswirthら,INSEP)で推奨されている方法を紹介します。

 

・冷水(8-15°C)で60-120秒間

 

・温水(38-42°C)で120秒間

 

・交互に合計15-20分実施

 

筋温レベルでの効果は得られにくいと考えられるが、その他の面でリカバリーに有益な効果が期待できる。

 

 

 

水浴療法を現場で運動間に用いるには、人が入ることができるくらいの大きな容器、冷水、交代浴を行うなら温水が使える環境など、実際には多くの制限があることでしょう。

 

生活の中で水浴療法に近く、ほとんどの人が毎日行っているのはお風呂に入ることなので、家に帰ればある程度の設備が整っていることになります。

 

ですので、練習や試合後すぐに水に浸かる環境がなければ、家に帰った後すぐに浴槽に水を貯めたりして実施してみるのもアリかと思われます。

 

また、普段のお風呂で湯船に浸かっている間に、シャワーの冷水を使って擬似的な交代浴、温冷療法を行ってみるのも良いかもしれません

 

翌日ハイパフォーマンスをしたいのか筋トレ効果を最大化したいのかハイパワーが必要な運動直前でないか、よく考えた上で実践してみて下さい。

 

 

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