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サボり期間を挟んで衰えても、コツコツ継続した人と同等の筋トレ効果が得られる?

短中期的なトレーニングの中断

正月休みやテスト期間など、部活やチームの練習が無く、トレーニングが短中期的に休みになってしまうというアスリートは多いです。社会人などでは繁忙期で数週間トレーニングが全然できない…余裕がない…などの場合もあるでしょう。

 

 

何度トレーニングを重ねても、そのような期間が来るたびに身体が衰えてしまう…ということを考えると、なんだかモチベーションが保てず、萎えてしまう、再度体力を取り戻そうとする気力がなくなってしまう…という人も多いでしょう。

 

 

しかしながら、度々トレーニングの休止を余儀なくされるアスリートにとって、モチベーションになり得る研究があったりします。

度々サボり期間を挟んでも、地道に続けた人と同等の効果が得られるかも?

Ogasawara et al. (2013)の研究では、週に3回10回3セットのベンチプレスを24週間継続して実施させる群と、6週ごとに3週間の休止期間を挟んで実施させた群のトレーニング効果を比較しています。

 

 

その結果、定期的に休止期間を挟んだ群では、休止期間こそ筋力や筋量の衰えがみられるものの、その後のトレーニングでの適応度合いが高く、24週全体でみると、ずっと継続してトレーニングした群と同等の成果が得られました。

 

 

 

 

このような結果になった原因には

 

・10回3セット週3回のベンチプレスというトレーニングが単調すぎて、24週ずっと継続させた群では、トレーニングの馴化度合いが強く起きていた可能性。

 

・休止期間を挟んだ群では、休止期間中に身体の適応能力が適度に回復し、休止を挟むたびに、よりトレーニング効果を得やすい状態になっていた可能性。

 

などが考えられます。

 

 

ずっとトレーニングを続けた群と、3週間×2という決して短くはない期間サボった群とで、成果が変わらないというのは、コツコツ継続した群としてはある意味悲しい結果ですね。

 

 

ただ、この研究の対象はトレーニング習慣の無い男性だったので、良くトレーニングされたアスリートでは結果は異なるかもしれません。

休み期間とバリエーションの重要性

他の色々な文献を概観しても、馴化を防ぐために、定期的に休養期間を挟んで身体の適応能力を回復させることや(マトヴェーエフ,2008)、トレーニングの単調さを避け、バリエーションに富んだプログラムにすることの重要性(Grandou et al.,2020)は広く指摘されているように思います。

 

 

トレーニングをコツコツ継続することはパフォーマンスを高めるために必須です。しかし、適宜休みを挟むこと、飽きが来ないような、バリエーションに富んだ内容にすることも同じくらい重要です。

 

 

一方で、普段からコツコツ継続できている人は、少しの期間、トレーニングの休止を挟まざるを得なくなったとしても、割とすぐに同じくらいの筋力レベルを取り戻せる可能性があるわけです。

 

 

やや衰えてしまった現状があるとしても、意外とネガティブな影響は少なく、長期的にみるとポジティブな結果に繋がる可能性もあると言えるでしょう。

 

 

少し休んだ程度で焦らず、コツコツ少しずつ、トレーニングを再開しましょう。

参考文献

・Ogasawara et al. (2013). Comparison of muscle hypertrophy following 6-month of continuous and periodic strength training. European Journal of Applied Physiology, 113(4), 975-985.
・L. P. マトヴェーエフ:魚住廣信監訳・佐藤雄亮訳(2008)ロシア体育・スポーツトレーニングの理論と方法論,ナップ.
・Grandou et al.(2020) Overtraining in Resistance Exercise: An Exploratory Systematic Review and Methodological Appraisal of the Literature. Sports Med. Apr;50(4):815-828.

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