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アスリートにおける、硝酸塩(NO3)摂取の効果とは?

アスリートにおける、硝酸塩(NO3)摂取の効果とは?


アスリートのパフォーマンスを改善させるサプリメントの一つに「硝酸塩(NO3)」というものがあることをご存知でしょうか?

 

 

あまり知られていない栄養素の一つですが、この硝酸塩はあらゆるスポーツのパフォーマンス改善に役立つことが分かっています。

 

 

ここではこの、硝酸塩(NO3)の効果と摂取方法について紹介していきます(以下、Maughanほか(2018)を基に解説)。

 

 

 

硝酸塩(NO3)はどんなパフォーマンスを高めるの?

 

硝酸塩は特に、全力よりもやや軽めの運動の持続時間を改善させます。持久運動における疲労困憊までの時間を4-25%ほど伸ばし、40分未満の持久運動のパフォーマンスでは、1-3%ほどの向上がみられているようです。陸上競技で言うと800m-10000mなどの中長距離走のパフォーマンス向上に効果的だということが分かります。

 

 

短い休息を挟みながらの高強度運動のパフォーマンス向上にも役立ち、球技系の試合中の運動能力を高めたり、インターバルトレーニングの効果を高めたりするのにも役立ちます。

 

 

 

 

硝酸塩の摂取はなぜ有効なの?

 

骨格筋の機能を調節するのに重要な役割を果たしている物質の一つに「一酸化窒素」が挙げられます。硝酸塩を摂取することでこの一酸化窒素の利用が高まり、特に大きなパワーを発揮でき、かつ持久性にも優れた筋線維(タイプⅡa)の働きを改善させるようです。

 

 

また、ミトコンドリアというエネルギーを生み出す工場のような器官における、酸素の交換効率を高め、エネルギー源を生み出すコストを削減するのにも役立ちます。さらには筋肉への血流も良くするなど、このようなメカニズムを介して、スポーツのパフォーマンス向上に貢献しているようです。

 

 

 

多く含まれている食材・使用方法

 

硝酸塩が多く含まれている食材には、ホウレン草やセロリ、ビートルートなどの緑黄色野菜、根菜類が挙げられます。硝酸塩はサプリメントとしても売られており、運動前2-3時間に310-560mg摂取しておくことでパフォーマンス向上に効果をもたらします。

 

 

また、硝酸塩は長期的な摂取も効果的であり、3日間ほど摂取を続けることで、サプリメントの効果が得られにくいとされる、良くトレーニングされたアスリートにおいても効果が得られやすくなると言います。

 

 

硝酸塩には特に副作用はないとされていますが、多く摂取すればするほど効果が得られるわけではありません。1日当たり500mg程度の摂取があれば十分だとされています。

 

 

 

 

まとめ

 

・硝酸塩(NO3)はタイプⅡaの筋機能やミトコンドリアの働きを高め、持久的な運動、高強度で間欠的な運動パフォーマンスを高める。

 

・セロリやホウレン草、ビートルートなどに多く含まれ、サプリメントとしても売られている。

 

・すぐに効果を得たい場合は運動前2-3時間に310-560mg摂取する。

 

・3日間ほど摂取を続けることで、サプリメントの効果が得られにくいとされる、良くトレーニングされたアスリートにおいても効果が得られやすくなる。

 

 

 

 

 

参考文献

・Maughan, R. J., Burke, L. M., Dvorak, J., Larson-Meyer, D. E., Peeling, P., Phillips, S. M., ... & Meeusen, R. (2018). IOC consensus statement: dietary supplements and the high-performance athlete. International journal of sport nutrition and exercise metabolism, 28(2), 104-125.

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