激しいトレーニングをするアスリートがビタミンDを活用すべき理由

激しいトレーニングをするアスリートがビタミンDを活用すべき理由




激しいトレーニングをするアスリートがビタミンDを活用すべき理由

 

ビタミンやミネラルなどの微量栄養素は、激しいトレーニングをこなすアスリートにとって不足してはならないものです。

 

 

その中でもビタミンDは、トレーニングや試合を連日こなしていく上で、摂取しておきたいものであると言えます。

 

 

ここではその理由について、紹介していきます。

 

 

 

筋力や筋肉量を維持向上を助ける

 

ビタミンDは筋力や筋肉量の維持向上に関わる「テストステロン」というホルモンの分泌量に関わっています(Nimptschほか,2012)。また、ビタミンDが不足することによって、タンパク質の合成能力や、ミトコンドリアの機能に悪影響を与え、エネルギーの代謝能力が低下、結果として、筋肉量や筋力の低下に繋がると言われています(Dominguesほか,2017)。

 

 

さらに、ビタミンDは運動後の筋肉の修復にも一役買っており、トレーニングや試合からのリカバリーにも有用であると言われています(Owensほか,2015)。

 

 

アスリートがパフォーマンスを高める上で、筋肉量や筋力の維持向上は多くの場合有利に働きます。そのためにも、ビタミンDは不足させるべきではない栄養素だと言えるでしょう。

 

 

 

 

カルシウムやリンの吸収を高める

 

骨の修復や成長に欠かせない、カルシウムやリンをきちんと吸収するためにも、ビタミンDが必要です。そのため、ビタミンDはカルシウムとともに、疲労骨折などの骨の怪我、そして骨密度などの骨自体の健康を保つためにも重要な栄養素であると言えます。

 

 

また、カルシウムは筋肉を収縮させる時にも利用され、汗をかくことによっても多く体外に排出されてしまうため、激しいトレーニングを積むアスリートは特に不足しやすいことが分かっています(Closeほか,2019)。

 

 

カルシウムを多く含む乳製品や緑黄色野菜とともに、ビタミンDも不足しないように心がけるようにすべきでしょう。

 

 

 

免疫力を上げ、気分の落ち込みを抑える

 

ビタミンDの摂取は免疫力を高めたり、気分の落ち込みを防ぐのに役立ちます。

 

 

特に、運動量の多い長距離選手は激しい練習を続けると免疫力が低下します。特に寒い時期などでも風邪を引かずに、継続的に練習を行える選手は当然トレーニングの成果も挙がりやすくなるでしょう。

 

 

また、ビタミンDは日光を浴びることによって皮膚で作られることも知られています。そのため、日差しの少ない寒い時期や、雨が多く室内で練習を行う機会が多い時期などは、体内でビタミンDが不足しやすくなります。

 

 

こうなると、気分が下がり気味なうえに、免疫力も低下しやすくなるため、トレーニングへのモチベーションも上がりにくく、体調も崩しやすい…とてもトレーニングどころではなくなってしまいます。

 

 

精神的にも、肉体的にも健康的にトレーニングを継続するために、ビタミンDは積極的に摂るべき栄養素であると言えます。

 

 

 

ビタミンDを多く含む食材

 

ビタミンDは、サケやイワシ、うなぎなどの魚類に多く含まれています。また、サプリメントで摂取する方法もおすすめです。ビタミンDは非常に安価で用いやすい上に、ここまで紹介した通り、あらゆるメリットがあり、摂っておいて損はなさそうです。

 

 

また、日本人の1日の摂取量目安は5.5μg/日となっており、耐容上限量が50μg/日となっています。しかし、文献によっても推奨量はマチマチです。日差しの少ない冬場であれば50-100μg/日は摂取すべきとの意見もあります(Closeほか,2019)。なので1日おおよそ50μg程度を目安に、摂取してみると良いかもしれません。

 

 

 

 

参考文献

・Nimptsch, K., Platz, E. A., Willett, W. C., & Giovannucci, E. (2012). Association between plasma 25‐OH vitamin D and testosterone levels in men. Clinical endocrinology, 77(1), 106-112.
・Domingues-Faria C, Boirie Y, Walrand S.(2017)Vitamin D and muscle trophicity.Curr Opin Clin Nutr Metab Care. May;20(3):169-174.
・Graeme L. Close , Craig Sale, Keith Baar,Stephane Bermon(2019)Nutrition for the Prevention and Treatment of Injuries in Track and Field Athletes.Int J Sport Nutr Exerc Metab, 29(2), 189-197.
・Owens, D. J., Sharples, A. P., Polydorou, I., Alwan, N., Donovan, T., Tang, J., ... & Close, G. L. (2015). A systems-based investigation into vitamin D and skeletal muscle repair, regeneration, and hypertrophy. American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism, 309(12), E1019-E1031.



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