スカラー量とベクトル量の違いで、もっとも困惑度が高いトピックが「えっ!速さ(スピード)と速度って違うの??」というものです。
物理では、速さはスカラー量であり、速度はベクトル量として、明確な違いがあります。
「速さ(スピード)」はスカラー量
車が時速100kmで走っている、と言う時は、ただ車がどこに向かって走っているのかは関係ありません。なのでスカラー量です。
つまり速さは、時速100kmなどという、大きさのみを指定するだけで良いものと言えます。
「速度」はベクトル量
一方、ベクトル量は大きさと向きを指定する必要があります。
車が時速100kmで動いている…ではなくて、「どこに向かって動いているのか」を示す物理量です。
A地点から100km離れたB地点までグニャグニャと移動する車の「速度」を考えてみましょう。
この時、B地点までの到達時間は1時間でした。
A地点から100km離れたB地点の方向に、1時間で移動できたので、この時の車は
「AからBの方向に100km/hの速度を持った」と、表せます。
しかし、実際にはグニャグニャと走行していたので、車は実際100km/h以上の「速さ(スピード)」で移動していたことになります。これは向きを指定していないので、スカラー量です。

このように、「大きさ+向きを指定する」のがベクトル量で、「大きさのみを表す」のがスカラー量です。
これを理解できれば、「速さ(スピード)」と「速度」の違いも分かるようになるでしょう。
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