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力・速度の合成と分解(ベクトル合成と分解)

力・速度の合成と分解(ベクトル合成と分解)

物理量には、大きさのみを持つ「スカラー量」と大きさと向きが指定される「ベクトル量」があることを以下の記事で紹介しました。

 

 

関連記事

・ベクトルとスカラーって何が違うか意味不明な人へ(速さと速度の違い)

 

大きさのみをもつスカラー、例えば質量や温度、距離、密度、時間、速さ、エネルギーなどは、単純に足し引きをして、合計を計算することができます。20kgのお米と30kgの野菜、足したら50kg…というように。

 

しかし、ベクトル、例えば力や変位、速度、トルク、位置などは、大きさだけでなく、その向きも関係するため、単純に足し引きができません。

 


ベクトル合成のやり方

ベクトルの合成は、2つのベクトルの平行四辺形の対角線によって計算することができます。例えば、首輪を引っ張られるのに耐えている犬がいたとします。

 

この時、犬に働く力は、「首輪から引っ張られる力」「重力」、そして犬が地面を踏み込んで耐えるための「地面反力」の3つです。

 

引っ張られる力をA、重力をBとした時、犬が地面を押して得られている地面反力Cは、以下のように表すことができます。

 

 

犬は飼い主の力に耐えているのですから、引っ張られる力Aと重力Bを合成した力を地面に発揮していなければなりません。つまり、地面反力Cは、ベクトルA+ベクトルB合成した、反対方向の力(マイナス方向)となるわけです。

 

式で表すと「A+B=−C」となります。

 

ベクトルの分解?(力の成分分析)

ベクトルの合成とは逆に、ベクトルをそれぞれの方向に分解することも可能です。走っているヒトの地面反力を例にしてみましょう。

 

ヒトは走っている時、地面を押し、その反作用で身体を前に進めています。

 

スタートダッシュの局面で、地面反力は斜め前の方向に向きますが、身体を前に進めるために使われる力は、横方向、つまり水平方向への力です。

 

また、ヒトには体重があり、重力が働くことから、その重力に対抗する力も発揮している必要があります。重力は下方向(鉛直方向)にかかるので、それとは逆方向にも地面反力を得なければなりません。

 

すなわち、ヒトが走っている時に受ける地面反力は、水平成分と鉛直成分に分解できるわけです。

 

スタートダッシュ時の図の局面で受ける地面反力が1000N(ニュートン)で、地面となす角度が60°の時、地面反力の水平成分、鉛直成分をそれぞれ求めると以下のようになります。

 

 

このように、ある平面上(2次元)のベクトルは任意の2つの方向に分解することができるわけです。

 

肘を伸ばしきると、大きな力が出せない理由

肘を伸ばしきった状態では、肘を曲げる大きな力が発揮しづらくなることは経験的に理解できるでしょう。

 

ベクトルの分解を使えば、この理由が説明できます。

 

肘を曲げる上腕二頭筋は上腕の骨の縦軸方向(長軸方向)についていて、その方向でしか収縮しません。

 

この時、前腕の骨に作用する、上腕二頭筋の筋力は、肘を曲げる回転のための分力と、肘関節を押し込むように働く分力の2つに分解できます。

 

肘をある程度曲げた状態と、肘を完全に伸ばしきった状態を比較してみましょう。

 

 

 

同じ上腕二頭筋の筋力を発揮していても、肘を曲げる回転のための分力が小さくなることが分かります。

 

このように、ベクトルを合成したり、分解したりすることは、ヒトの動き、力発揮を分析していくバイオメカニクスにおいて、欠かせない手法だと言えます。

 

 

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