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力学的エネルギーの保存(位置エネルギーと運動エネルギー)

力学的エネルギーとは?

力学的エネルギーとは、「仕事」をするための秘めた能力のことを指します。

 

仕事量は、「物体にどの程度力を加えて、どの程度移動させたか」で決まることを「仕事と仕事量の求め方」で紹介しました。

 

つまり、「力学的エネルギーが大きい」とは「物体に力を与えて移動させるためのエネルギーを多く有している」ということです。

 

このように、力学的エネルギーは仕事をするための潜在的な能力を表すため、使用単位は仕事量と同様に、NmかJ(ジュール)が用いられます。


位置エネルギーと運動エネルギー

力学的エネルギーは、「位置エネルギー」「運動エネルギー」に分けることができます。

 

位置エネルギーは、高いところにある物体が持つエネルギーのことです。

 

高いところに位置するということは、その後落ちる、転がるなどして他の物体にエネルギーを与え、仕事をする潜在能力を秘めているとも言えるわけです。この秘めたエネルギーを位置エネルギーと言います。

 

一方、運動エネルギーとは、その名の通り動いている物体が持つエネルギーのことです。ある速度で運動していれば、ぶつかって他の物体にエネルギーを与えて仕事をする能力を秘めていると言えます。したがって、速度が高いほど大きな運動エネルギーを持っていることになります。

 

 

力学的エネルギー保存の法則

力学的エネルギーは、位置エネルギーと運動エネルギーに分けられます。なので力学的エネルギーはその物体の位置エネルギーと運動エネルギーを足したものになります。

 

そして、ある物体の力学的エネルギーは、外から力が働かない限り、常に一定です。これは、「力学的エネルギー保存の法則」といい、以下の式で表されます。

 

~力学的エネルギー保存の法則~
・力学的エネルギー=運動エネルギー+位置エネルギー

 

例えば、高い山からボールが転がっていくと、ボールはどんどん加速していって、運動エネルギーが増えていくことになります。しかし、高さは失われていくので位置エネルギーは減っていきます。

 

この時、力学的エネルギーの全体量は一定なので、山のどの位置でも、位置エネルギーと運動エネルギーを足した値は変わりません。

 

 

運動エネルギーと位置エネルギーの求め方

運動エネルギーは以下の式で表されます。

 

運動エネルギー=1/2mv2
位置エネルギー=mgh

 

mは質量(kg)
vは速度(m/s)
gは重力加速度(9.8m/s2)
hは高さ(m)

 

なぜこの式になるのかは以下のリンクを参照ください。

 

 

関連記事

・運動エネルギーの公式とすぐにわかる求め方、運動エネルギーの変化とは?(受験のミカタ)

 

この式を使って、高さ10mの斜面に2kgのボールを置いて転がした時、ふもとでの速度はどれくらいになるかを求めてみます。

 

このボールの位置エネルギーは、mgh=2×9.8×10=196Nmです。

 

ふもとに来た時、位置エネルギーは全て運動エネルギーに変わってしまうため、ふもとでの運動エネルギー=高さ10mの時の位置エネルギーということになります。

 

したがって、

 

196=1/2×10×v2
39.2=v2
v=√39.2

 

ということになります。

 

 

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