経験則だけでは限界がある。それに気づけず引退する。

経験則だけでは限界がある。それに気づけず引退する。




経験則だけでは限界がある。それに気づけず引退する。

 

 

 

 

あの人から聞いた!トレーニングXは足を速くするか?

 

「AさんはトレーニングXをしていたら100m走の記録が伸びた」

つまり、「トレーニングXはスプリント能力向上に効果的である」

 

 

こういう体験談を聞くと、「なるほど、自分も100mでベストを出したいから、そのためにトレーニングXを実践してみよう。」

 

 

多くの人はそう思います。そう思うのが普通です。

 

 

なぜなら実際にAさんには「記録が伸びた」という事実があるし、結果を出した人からの話というのはすごく説得感があるからです。

 

 

しかし、よく考えてみましょう。本当にそのトレーニングXには、スプリント能力を高める効果があったのでしょうか?

 

 

トレーニングXをやっていたのはAさんです。

 

 

Bさんには効果が無いかもしれないし、たまたまトレーニングXを実施している時にAさんの食事内容が変わっており、それが記録に影響したのかもしれないし、トレーニングXをすることによって、他の負荷の高いトレーニングが減り、疲労が抜けて足が速くなった…などと、様々な可能性が考えられます。

 

 

したがって、「AさんがトレーニングXをしたから、足が速くなった」からと言って、「トレーニングXはスプリント能力アップに効果的」とは言い切れないわけです。

 

 

 

 

あくまで個人の感想です

 

「結果を出したAさんから聞いたトレーニングXの効果の捉え方」については、テレビショッピングやネットの広告でよく見られる

 

 

「ダイエットのために、このサプリメントを飲み始めたら体重が激減してビックリ!!絶対オススメ。飲まなきゃ損!」

(あくまで個人の感想です。)

 

 

これと同じようなものです。

 

 

この例えを挙げると途端に胡散クサく思えてしまいますが、「Aさんが言っていたトレーニングだから効果があるはずだ」とするのも同様だということに気づけなければいけません。

 

 

あくまで個人の感想、見解だったりするわけですが、それが尊敬する先輩だったり、有名な選手だったりすると、「根拠は無いのに説得感を持たされてしまう」状況に陥りやすくなってしまいます。

 

 

ダイエットサプリの広告に、モデルとして名の知れている俳優が良く使われるのも同じ理由です。

 

 

結果を出している人の経験談は、とてもためになる内容ももちろん含まれているはずですが、それをそのまま鵜呑みにしてしまう癖はつけないようにするべきです。

 

 

 

 

自分の経験に潜む勘違い

 

他人から聞いた話のみならず、自分の経験にも同じようなことが起こり得ます。

 

 

例えば次のようなシナリオが考えられます。

 

 

「Dさんは〇〇という練習をやり始めたら記録が伸びた。だから〇〇は効果が高い練習なんだ。」

 

 

このような話はよく耳にするのではないでしょうか?調子が良くなってきた時にやっていた練習、自己ベストを更新した時にやっていた練習…というのは、やはり効果が高い、大切だと思うのが普通です。

 

 

しかしその後、Dさんは〇〇をやっているのにも関わらず、記録を伸ばせなくなります。むしろ記録が以前よりも落ちていってしまっています。

 

 

実は、〇〇という練習は、その時期のDさんの技術的な課題を修正するのに、たまたま有効だった練習だったのです。

 

 

それでは記録が一時的に伸びたとしても、そのすでに改善された技術をその後も改善させ続けようとしているわけですから、さらなる記録更新に繋がらないのは当たり前です。

 

 

風邪が治っているのに、風邪薬を飲み続けても効果が出ないのと同様です。

 

 

しかも、〇〇はいい練習なんだと、それに費やす時間が増え、結果的にその他の本当に重視すべきだった練習が減ってしまう、そのためDさんは記録を伸ばすどころか、記録が逆に低下してしまうようになってしまったわけです。

 

 

この練習をやっていたら記録が伸びた、調子が良くなった…と思った時は、一旦冷静になって

 

 

・調子が良くなっていた時期にたまたま始めた練習かもしれないこと。

 

・実は〇〇は、ある条件下じゃ無いと効果を発揮しない練習だった。

 

・その人にとっては課題となる要素の詰まったトレーニングだった。

 

 

などのことを、キチンと吟味した上で判断しなければなりません。

 

 

 

選手の多くは自分の経験則を信じて疑わずに現役を終える

 

人は自分で経験したことしか基本的に信用しない生き物です。自分が経験して初めてそのことを真の意味で理解します。

 

 

なので上で挙げたような話を聞いて、「なるほど」と思ったとしても、なかなか自分の経験から学んだことを疑おうとは思わないわけです。

 

 

そして、そのまま悪い意味で「自分を貫いて」現役を終えてしまう、納得いく結果を残せずに引退してしまう、そう言った選手もいることでしょう。

 

 

自分を貫くというのは聞こえの良い言葉ではあります。

 

 

しかし、そのこれまでの固定観念が自分のパフォーマンスを制限する要因、記録が落ちてしまった原因になっている選手は間違いなく存在しているはずです。

 

 

日々の練習内容の根底にある、考え方を変えなければ、大きく変わることは不可能です。

 

 

自分が絶対そうだと思い込んでいることを一度改めて考え直す、考え方をアップデートさせていく作業を怠ってはいけません。

 

 

 

知識や思考のアップデートのやり方

 

とは言え、よく分からない宗教やカルトにハマってしまった人が、なかなかそこから抜け出せなくなってしまうように、1度信じ切ってしまったものに対して疑いの目を向けるのはエネルギーが必要なものです。

 

 

また、自分の経験を疑うと言っても、一体何を疑えばいいのか、何を基に考え方を改めたら良いのか、まずここで難題が現れます。

 

 

なので、自分の考え方は正しいのかどうかを様々な情報と照らし合わせて、吟味し続けていく、そう言った作業を日々続けていくことが重要です。

 

 

中でも客観性の高い、科学的な知見というのは、多くの人に当てはまる原則を知る上では最重要と言えるでしょう。このサイトを隅から隅まで読み漁るのでも結構です。

 

 

または、トレーニングの講習会、地区の練習会などに参加して、多くの実績や資格を持つような指導者、アスリートにどんどん質問をしていくのも良いでしょう。

 

 

自分が思っていたこととは逆の知見や、違った意見に多く触れる、何故そう思うのか、自分が納得するまで情報を収集しようとすることが重要です。

 

 

そして情報収集するときは、これまで例に挙げてきたような「経験則からくる勘違い」が生まれていないか注意しましょう。

 

 

これで合っているか不安、どうしても分からない場合は、その考え方ごと誰か学のある人に質問するのでも良いでしょう。

 

 

自分の経験、他者の経験だけに執着せず、思い込みという枷を外して、納得いくまで勉強して、情報を集めて実行に移す。これをひたすら繰り返す。

 

 

それだけでも自分の可能性は大きく広がっていくはずです。



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