筋肉量を維持しながら、パフォーマンスを損なわずに減量する方法(陸上競技とダイエット)

アスリートが身体を絞れない原因と、パフォーマンスを損なわずに減量する方法




アスリートが身体を絞れない原因と、パフォーマンスを損なわずに減量する方法

 

自分の体重をフィニッシュラインまで素早く移動させるトラック種目や、高く遠くに跳んだりする跳躍種目では、余分な体脂肪は重りになります。当然、ある程度絞れている方が有利です。

 

 

体脂肪はエネルギーなので、体脂肪を減らすためにはそのエネルギーを消費して、体脂肪を分解してあげる必要があります。そのためには摂取カロリーよりも消費カロリーを増やす「カロリー収支をマイナス」にして、身体の何かしらが分解されやすい状態にしておくことが重要です。食べ過ぎたら太るのは当然です。

 

 

「じゃあ摂取カロリーをガンガン減らしてたくさん運動すればどんどん絞れてパフォーマンスが上がるんじゃないの?」と考える人が多いです。しかし、ことはそう上手くいくものではなく、様々な問題点が出てきます。以下、「摂取カロリーをガンガン減らしてたくさん運動して絞る」ことの問題点について紹介していきます。

 

 

 

摂取カロリーをガンガン減らしてたくさん運動して絞ろうとすると?

問題点①「普段の練習効果や回復力が著しく落ちる」

食べすに運動しまくり、カロリー収支が大きくマイナス…と言うことは、筋肉に蓄えられているグリコーゲン(糖質)というエネルギー源がかなり減った状態になるので、当然筋力やパワー、持久力が落ちます。走るタイムやウエイトトレーニングの重さや回数が落ちていきます。練習からの回復も遅れるので、手軽にオーバートレーニングできてしまいます。

 

 

問題点②「筋肉が減る」

エネルギーが足りないと、身体は脂肪だけでなく筋肉も分解して不足分を賄います。特にカロリー収支が大きくマイナスになった状態で、筋肉に急ブレーキをかけるような刺激や、限界まで追い込むようなトレーニングを続けていると、筋肉の萎縮はさらに激しくなります(経験談: 体重は激減したけど跳べなくなった、逆に走れなくなったという人は多いです)。また、一気に絞ろうとすると筋量が減るリスクは高まりやすい(かも)。

 

 

 

 

 

問題点③「どんどん絞れにくくなる」

ヒトは痩せ続けると死にます。それでは都合が悪いので、運動に必要なエネルギー以外の消費エネルギーを減らして、体重がそれ以上減らないように適応します。つまり、すごく代謝が落ちます。また、筋肉には熱を勝手に生み出してくれるタンパク質があります。極端に摂取エネルギーを減らしてゴリゴリに運動してるとそのタンパク質が減ったり、働きが鈍ったりします。

 

 

圧倒的に消費エネルギーが多い長距離、競歩選手ほど絞れにくく、体脂肪率が高いことがあるのはそのためだと言われています(だから冷え性も多い)。しかし、これは少ないエネルギーでもたくさん動けるように身体が適応した結果であるとも言えるでしょう。全然食べてないのに体重増えちゃう…はあり得るわけです。

 

 

 

問題点④「長続きしない」

そういう減量方法だと、必ず焼肉に行きたくなります。プツンと糸が切れたようにドカ食い→罪悪感→翌日断食→ドカ食い…のループで最悪です。必ず焼肉に行きたくなります。目の前に肉と米、デザートがあれば食べるのです。人の意志なんて脆く儚く弱っちいものです。

 

 

このように、単に「食べずにガンガン運動する系ダイエット」では、体重は多少減るかもしれないけど、体脂肪だけが減る&パフォーマンスが上がる…とは限りませんし、まず健康的ではないです。

 

 

では、どんな点に注意したらよいのでしょうか?以下、減量の際に気をつけるべき視点について紹介します。

 

 

 

減量時の注意点

①タンパク質を1日体重1kgあたり2.5g摂ろう

減量時は筋肉の分解を防ぐために、増量時よりも多くのタンパク質が必要になります。体重1kgあたり2.5gを目安にしましょう。体重50kgなら125gです。結構多いです。

 

 

②脂質は総摂取カロリーの20%は維持

これも増量時と同じで、健康を維持するためのホルモンの分泌に関わります。特にレプチンというホルモンが出せなくなると食欲が抑えられなくなりやすい。総摂取カロリーの20%はキープしましょう。魚の油など、オメガ3を積極的に摂るようにしましょう。

 

 

③練習強度を維持して確実に回復をとる

減量時にパフォーマンスを損なわないための練習ポイントとして挙げられるのが、強度だけはキープすることです(スピードやウエイトの重さなど)。強度を維持することが、筋肉量を減らさない、出力を低下させないために必要です。また、減量時はどうしても回復が遅れます。高い強度でトレーニングを行い、量は増やせずとも強度をキープすることが大切です。

 

 

④睡眠は8時間

睡眠不足で減量は失敗します。勉強との兼ね合いもあって厳しいかもしれませんが、8時間は確保したいです。睡眠不足は関係ない、睡眠不足でかかるストレスが問題だという意見もあります。とにかくストレスフリーが一番です。

 

 

 

 

⑤マゴニワヤサシイを意識しよう(高栄養/カロリー)

カロリー不足だとビタミンやミネラルがほとんどの確率で不足します。なので減量中は微量栄養素を多く含む食べ物を選びましょう。減量中だから食パン1枚…は最悪です。マゴニワヤサシイを意識して食べよう。

 

 

 

 

 

減量を考える際の優先順位

減量を試みる際は以下のチェックリストを活用してみて下さい。そもそも減量が必要かどうかも含めてきちんと考えて実行しましょう。減量中にハードにトレーニングして身体作りをしようとしても、身体はなかなか作れません。

 

 

 

 

 

また、減量は半年は楽に続けられるスタイルにすべきです。微調整しながら、そういうスタイルをみつけていきましょう。ストイックに減量…はなかなか続かなかったり、とにかく日々の食事が楽しく無くなります。人付き合いでの食事の機会も多いですし。拒食や過食等、アスリートの摂食障害はかなり問題視されています。

 

 

食べない減量が最も不健康にパフォーマンスを低下させます。食べることに罪悪感を感じないように、「何を食べないかではなく、何を食べるか」で減量を、考えてみてください。



サービスメニュー

・陸上競技のトレーニングを科学的に考える電子book

「スライドで学ぶ~陸上競技の科学~」


・登録時に「ハムストリングの肉離れを防ぐ」をプレゼント

上記電子bookを無料でプレゼント「メルマガ登録」

*メールアドレス
*お名前(姓・名)


・コーチがいない選手、競技経験の無い部活動顧問の先生方へ

「トレーニング指導・メール相談はこちら」


 


トップページへ

 





陸上選手だったらタンパク質は1日体重1kgあたり2g摂ろう

タンパク質は筋肉や腱、骨、血液その他諸々の組織を作る大切な栄養素です。トレーニングをして効率よく筋肉量を増やしたり、筋力を高めていくためには一般の人と比べて多くのタンパク質が必要だと言われています。じゃあどれくらい摂ると良いかと言うと、1日に体重1kgあたり2gくらいを目安にしましょう。体重60kg...

≫続きを読む

クレアチンはみんな必ず利用しよう

クレアチンとは?筋肉に蓄えられているエネルギー源に「クレアチンリン酸」というものがあります。このクレアチンリン酸は、大きなパワーを発揮するのに大切なエネルギー源です。しかし、筋肉の中に少ししか蓄えがないので、そのパワーはあまり長続きさせることができません。※ヒトはATPという物質を分解するときに生ま...

≫続きを読む

筋肉をつけたいなら、カロリー収支をプラスにしよう(筋肥大のためのPFCバランス)

筋肉をつけたいなら「消費カロリー<摂取カロリー」が大前提筋肉は太い方が大きな力を発揮できるポテンシャルが高いです。なので、筋肉を大きくすることはスポーツのパフォーマンスを高める上で重要な土台だと見なすことができます。技術や持久力の向上が無い場合、筋肉自体が増えないとパフォーマンスは上がりにくくなるこ...

≫続きを読む

アスリートが身体を絞れない原因と、パフォーマンスを損なわずに減量する方法

自分の体重をフィニッシュラインまで素早く移動させるトラック種目や、高く遠くに跳んだりする跳躍種目では、余分な体脂肪は重りになります。当然、ある程度絞れている方が有利です。体脂肪はエネルギーなので、体脂肪を減らすためにはそのエネルギーを消費して、体脂肪を分解してあげる必要があります。そのためには摂取カ...

≫続きを読む

陸上選手が必ず基本にすべき栄養摂取(短距離、跳躍、ハードル、投てき)

高いスピードやパワーが必要な陸上競技、特に短距離やハードル、跳躍、投てき選手にとって、身体作りはパフォーマンスを高める基本です。ここでの身体作りとは、その種目それぞれの技術を指すのではなく、筋肉や腱の強さや、その持久性など、身体資源そのもののポテンシャルのことを言います。この身体のポテンシャルを高め...

≫続きを読む