妊娠後、速やかに競技復帰をしたい、する必要がある場合、たとえ妊娠中であってもトレーニングを継続するケースが稀にあります。
もちろん妊娠中のトレーニングは、おなかの中の赤ちゃんに対して、そして母体に対してリスクを伴うことを忘れてはいけません。
妊娠中は、そのホルモンバランスの影響で靭帯が柔らかくなり、骨盤内を広げるように働いています。
靭帯が柔らかいということは、それだけ関節は不安定になり、怪我のリスクは高まります。
そのため、妊娠中でトレーニングを実施する場合は、新しいトレーニング方法を導入したり、高強度のトレーニングを行うべきではありません。
心地よいエクササイズを継続し、慣れない運動や、負荷の大きい運動は絶対に避けるようにしましょう。
以下に、妊娠中のトレーニング例とその注意点を少しだけ紹介しておきます。
スクワット
可動域を減少させ、絶対に膝を90度以上曲げてはいけません。負荷を増加させるのであれば、拳上速度を遅くすることが必要です。3-4秒ほどゆっくり数えながら行いましょう。
レッグプレス
レッグプレスは妊娠初期と後期の各3カ月間は行わないようにしましょう。背筋を過度に緊張させる運動は特に…です。これを行う際は下腹部の締まりを意識して、背部を傷めないように注意します。
股関節外転マシンエクササイズ
臀部を強化し、姿勢の安定につながる股関節外転運動は、下腹部の締まりを維持し、背中が過伸展することを防ぐことができるため、妊娠期のトレーニングとして勧められます。
参考文献
・ブラディミール・ザチオルスキー&ウイリアム・クレーマー(2009)高松薫監訳,図子浩二訳,筋力トレーニングの理論と実践.大修館書店.