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ハムストリングの機能とスプリントパフォーマンスの関係

ハムストリングの機能とスプリントパフォーマンスの関係

ハムストリングとは腿の裏の筋肉のことで、大腿二頭筋短頭と長頭、半腱様筋、半膜様筋からなります。

 

 

 

 

 

このハムストリングは速く走るために重要な筋肉で、疾走速度が高いほど、このハムストリングの横断面積が大きいことがわかっています(渡邉ほか,1999)。

 

 

速く走っている時、ヒトは積極的に脚を前に運ぶ必要があります。

 

 

そしてその脚を勢いよく前に運ぶと、特に膝から下の部分(下腿)も、前へ運ばれる勢いが付きます。

 

 

しかし、前に運ばれる勢いが強いままだと、下腿は前に飛んでいってしまいます。そうなってしまうと当然走ることはできません。

 

 

そのため、ここでハムストリングの筋肉を働かせることで、下腿が前に飛んでいかないようにブレーキをかけるのです。

 

 

 

 

 

素早く脚を動かそうとすればするほど、強いブレーキが必要になるので、より強力なハムストリングの筋力が必要になることが分かります。

 

 

だから、足が速い人のハムストリングは太くなっているのです。

 

 

しかし、足が速い、特に加速能力が高い人のハムストリングは、太くて強いだけではないのです。

 

 

 

スプリント加速能力向上には、素早く力を発揮できるハムストリングが必要

 

筋肉は力を入れ始めてすぐに最大筋力を発揮できるわけではありません。最大筋力を発揮するまでに力を入れて0.4秒ほどはかかると言われています。

 

 

関連記事

 

・力の立ち上がり率

 

 

 

 

 

そして上の図のように、短時間で大きな力を引き出せる人(B君)もいれば、力を高めるまでは遅いけど、最大筋力は高い人(A君)も存在します。

 

 

この時の力の立ち上がり方の素早さを「力の立ち上がり率」といいます。力の立ち上がり率が高いほど、一瞬で大きな力を発揮できるということです。

 

 

すなわちB君は、最大筋力は低いけど、力の立ち上がりは素早いということになります。

 

 

これに関して、Ishøiほか(2018)の研究では、ハムストリングの力の立ち上がり能力とスプリント加速能力との関係調べています。

 

 

その結果、0.1秒という短い時間で発揮できるハムストリングの筋力が高いほど、0ー30mのスプリントタイムが良く、接地時の力発揮をより水平に傾けることができていました。

 

 

高いピッチを獲得するには、脚を素早く動かす必要があります。そこでハムストリングが一瞬で力を発揮できなければ、脚を素早く捌くことはできません。

 

 

素早く捌くということは、走る時の滞空時間を短くできるということです。滞空時間が短かければ、上にピョコピョコと跳ねた走りではなく、より進行方向を前に、地面を滑るように走ることが可能になります。

 

 

そのため、ハムストリングが一瞬で発揮できる力が高いほど、より進行方向を水平に傾けられ、加速能力が高かったというわけでしょう。

 

 

このことから、スプリント加速能力を高めるためには、ハムストリングは太くするだけでなく、大きな力を一瞬で発揮できることが大切だということがわかります。

 

 

 

 

参考文献

・渡邉信晃, 榎本好孝, & 狩野豊. (1999). スプリンターの筋横断面積と疾走速度との関係における性差. 陸上競技研究, (39), 12-19.
・Ishøi et al.(2018)The Influence of Hamstring Muscle Peak Torque and Rate Of Torque Development for Sprinting Performance in Football Players: A Cross-Sectional Study. International Journal of Sports Physiology and Performance. (In press)

 

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