後ろ向きスプリントについて、動画で端的に解説しています。よろしければチャンネル登録お願いします!
後ろ向きに走るトレーニング??と聞いてもあまり腑に落ちない人も多いかと思います。
しかし、その名の通り、後ろ向きにスプリントを行うトレーニングが、スプリントパフォーマンス向上に役立つのではないか?と言われているのです。
ここでは、後ろ向きスプリントトレーニングの効果について紹介していきます。
後ろ向きスプリントvs前向きスプリント
Uthoffほか(2018a)の研究では、後ろ向きに走る、後ろ向きスプリントと普通に前に向かって走る前向きスプリントのトレーニングをそれぞれ実施させ、その効果の違いについて検討しています。
その結果、後ろ向きスプリント群では、前向きスプリント群よりも、10m、20mのスプリントタイム、垂直跳びのパフォーマンスがより改善していました。
このことから、前向きスプリントだけでなく、後ろ向きスプリントも、スポーツのパフォーマンスを高めるのに非常に使えるトレーニングなのではないか??ということが分かります。
なぜ、後ろ向きスプリントトレーニングが有効なのか??
前に進むスプリントと比較して、後ろ向きスプリントでは当然走る速度は遅くなってしまいます。
しかし、後ろ向きスプリントでは筋肉の長さが変わらない状態で力を発揮する能力(等尺性の筋収縮)や、筋肉が縮みながら力を発揮する(短縮性の筋収縮)能力がより求められるようです(Uthoffほか,2018b)。この特性が、スプリント加速能力や、垂直跳びのパフォーマンス向上につながった可能性があると言えます。
ちなみに、後ろ向きスプリントトレーニングは、方向転換能力も向上させるようです。
また、前向きに走るよりも下肢の可動域は小さくなるため、ピッチは上がりやすく、神経機能を改善させるのに効果的かもしれないとも言われています。
このような前向きスプリントとは違った特徴が、アスリートのパフォーマンスをさらに向上させるように働いたと考えられます。
もちろん、前向きのスプリント練習をおろそかにするのは良くありません。前に進むためのスプリントトレーニングをしっかりと行ったうえで、後ろ向きのスプリントを、トレーニングとして取り入れることが重要です。
前に走ってばかりでは、トレーニングに飽きが来たり、同じ刺激ばかり与えていてもなかなかトレーニング効果が上がらない、怪我にもつながってしまうなんてこともあり得ます。
そんな時には、一つの手段として、後ろ向きのスプリントトレーニングを導入してみてはどうでしょうか??
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参考文献
・Uthoff, A., Oliver, J., Cronin, J., Harrison, C., & Winwood, P. (2018a). Sprint-Specific Training in Youth: Backward Running vs. Forward Running Training on Speed and Power Measures in Adolescent Male Athletes. The Journal of Strength & Conditioning Research.
・Uthoff, A., Oliver, J., Cronin, J., Harrison, C., & Winwood, P. (2018). A new direction to athletic performance: Understanding the acute and longitudinal responses to backward running. Sports Medicine, 48(5), 1083-1096.