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中長距離選手が目指すべき体型(フォルム)

 

 

体型と走りの効率

 

走るという行為は、自分の手足を素早く前後に動かす動作を伴います。なので当然、手に重いものを持って走ったり、足首に重りを付けて走ったりすれば、走るのに不利になります。

 

 

そのため、末端は細いような体型をしていた方が、走りの効率は良くなります。実際に、足に500gずつ(1㎏)の重りを付けて走ると、走の経済性(ランニングエコノミー)が4.5%悪化してしまったと言います(Jonesほか,1986)。

 

 

※ランニングエコノミー(走の経済性):一定の走速度における、体重当たりの酸素消費量。いわゆる車の燃費のようなもの。

 

 

一方、体幹部分に同じ分の重り(1kg)を付けて走った場合、ランニングエコノミーは1%しか悪化しなかったようです。

 

 

加えて、吉岡ほか(2009)の研究では、相対的にふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が大きいほど、ランニングエコノミーは低い傾向があったことを報告しています。

 

 

このように、ランナーにとっては末端は細く軽い方が、走りの効率的に有利な体型をしていると言えるわけです。

 

 

 

 

中長距離選手が目指すべき体型(フォルム)

 

いくら末端が細い体型をしていても、筋肉が無ければ人は走ることができません。骨だけで身体は動かせないからです。したがって、四肢を素早く動かして身体を前に移動させるための筋肉はきちんと鍛えておかなければいけません。

 

 

特に、股関節周りなど、四肢の付け根部分に当たる筋肉はとても重要度が高いと言えます。四肢を動かす原動力は、その付け根部分にある大きな筋肉だからです。そのため、臀部やハムストリング、腸腰筋などの股関節周りの筋肉は、筋力トレーニング等できっちりと鍛えておく必要があります。

 

 

実際に、吉岡ほか(2009)の研究でも、10000m走の記録が良いものほど、腿の前部分の筋肉に対して、ハムストリングが発達していたと言われています。

 

 

加えて、ランニングの接地中、足首の曲げ伸ばしが大きいと、エネルギーの消費が大きくなったり、ふくらはぎの筋肉が余計に大きくなることにつながります。

 

 

 

 

そのため、足首は「ごねる」ように使わず、接地中に角度があまり変わらない、固定されているように見える、アキレス腱のバネが良く使われていることが理想です。なので、つま先で地面を押し切るような意識は持たない方がいいかもしれません。短い接地でジャンプするような、縄跳びの時の足首の使い方をイメージしてみると良いでしょう。

 

 

 

参考文献

・Jones, B. H., Knapik, J. J., Daniels, W. L., and Toner, M. M. (1986). The energy cost of women walking and running in shoes and boots. Ergonomics 29, 439–443.
・吉岡利貢, 中垣浩平, 向井直樹, & 鍋倉賢治. (2009). 筋の形態的特徴が長距離走パフォーマンスに及ぼす影響. 体育学研究, 54(1), 89-98.
・Fletcher, J. R., & MacIntosh, B. R. (2017). Running economy from a muscle energetics perspective. Frontiers in physiology, 8, 433.




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