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「軽すぎると逆効果かも?」スレッド牽引走の負荷設定

スレッド牽引走

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スレッド牽引走とは、その名の通り、重りを付けられるそりを引っ張りながら走ることで、負荷をかけるスプリントトレーニングの一つです。

 

重りを引きながら前傾姿勢で地面をしっかりと押さないといけないため、特にスプリント加速局面のパフォーマンスを改善させるトレーニングとして有名でしょう。

 

スレッドの効果と負荷設定

このスレッド牽引走でよく議題に挙がるのが、「どれくらいの重さでやればいいの?」というものです。これに関して検討したシステマティックレビュー(Petrakos et al.,2016)があるので、少し見てみましょう。

 

~レビューの要点~

  • 体重の12~43%の重さでのスレッド牽引走は、トレーニング経験のある人のスプリントパフォーマンスの向上に効果的。だけど、軽すぎる負荷では抵抗なしのスプリントトレーニングより十分な刺激が得られない場合がある。
  • 抵抗なしのスプリントや、プライオメトリックトレーニングと、スレッド牽引走の組み合わせは、抵抗なしのスプリント単体で行うよりも、スプリント加速パフォーマンス向上に効果があるかも。
  • トレーニングは、そのトレーニング速度に特異的に適応している可能性がある。重い(体重の20%以上)負荷は加速の初期局面のパフォーマンス改善し、軽い(体重の10%未満)負荷は、速度が高く抵抗力が低い最大スピード局面のパフォーマンスを改善するかもしれない。しかし、これらの仮説を検証するためには、さらなる研究が必要。

 

なんだかハッキリしないですね…。しかし、科学研究というのはそんなもんです。

 

といっても、よくわかりませんでした、では何にもならないので、以下、「これは言えそう?」という事項について、考えていきます。

重くて実際のスプリント動作と異なる動作になっても大丈夫。むしろ逆に軽すぎると良くないかも?

スプリントの技術を崩さずに、スレッド牽引走のトレーニング効果を得るためには、速度が10%くらい落ちる(体重の10~13%)軽負荷でのトレーニングが推奨されてきました(Alcaraz et al.,2008)。

 

しかし、体重の20%(または速度が20%以上減)を超える負荷や(Bachero-Mena et al.,2014)、30%(または速度が30%以上減)を超える負荷(Kawamori et al.,2014)でトレーニングさせても、スプリント加速パフォーマンスの向上がみられています。

 

加えて、体重の10%未満の負荷でのスレッド牽引トレーニングでは、加速直後のパフォーマンスに悪影響が出た(Alcaraz et al.,2014)、最大速度の改善がみられなかった(Clark et al.,2010)、という研究結果があるようです。

 

 

※体重の80%という超高重量でも、加速パフォーマンスに効果が高い(Morin et al.,2017)

 

 

そして、このような結果の違いが生まれた理由に、軽負荷ではスプリントパフォーマンスを高めるために必要な「過負荷」が与えられなかったからではないか?との考察がなされています(Petrakos et al.,2016)。

 

確かに、既に鍛えられたアスリートが中途半端な負荷をかけて、競技動作に似たトレーニングをやってしまうと、一時的に技術が悪い方向に変化して、パフォーマンスに悪影響を与えてしまう可能性はあるかもしれないなと、頷ける部分があります。

 

このようなことから、紹介したレビューでも、スプリントや筋力トレーニング経験のある人では、下肢筋力を改善させ、スプリント加速パフォーマンスを改善させるために、体重の20%以上の負荷が必要なのではないか?と考察されていました(Petrakos et al.,2016)。

 

技術の修正も求めつつ、下肢筋力の改善も求める…のように、二兎を追ってしまうと、結局中途半端な結果に終わってしまう…というのは、他の場面でも良くあることかもしれません。

 

スレッド走にしろ何にしろ、やはり目的を明らかにして、合目的的にトレーニングを考える重要性を再認識させられます。

・スレッド走は重くて実際のスプリント動作が変わってしまっても、パフォーマンスに悪影響が出るわけではない。

 

・むしろ、重いスレッドを引く方が加速初期のパフォーマンス改善には有効かも。

 

・重いのは加速初期、軽いほど高いスピードでのパフォーマンスにつながりやすい傾向はありそう。

 

・スレッドだけでなく、負荷無しのスプリントや、プライオメトリックトレーニングなども取り入れよう。

参考文献

・Petrakos, G., Morin, J. B., & Egan, B. (2016). Resisted sled sprint training to improve sprint performance: a systematic review. Sports medicine, 46(3), 381-400.
・Alcaraz PE, Palao JM, Elvira JL, et al. Effects of three types of resisted sprint training devices on the kinematics of sprinting at maximum velocity. J Strength Cond Res. 2008;22(3):890–7.
・Bachero-Mena B, Gonzalez-Badillo JJ. Effects of resisted sprint training on acceleration with three different loads accounting for 5, 12.5 and 20% of body mass. J Strength Cond Res. 2014;28(10): 2954–60.
・Kawamori N, Newton RU, Hori N, et al. Effects of weighted sled towing with heavy versus light load on sprint acceleration ability. J Strength Cond Res. 2014;28(10):2738–45.
・Alcaraz PE, Elvira JLL, Palao JM. Kinematic, strength, and stiffness adaptations after a short- term sled towing training in athletes. Scand J Med Sci Sports. 2014;24(2):279–90.
・Clark KP, Stearne DJ, Walts CT, et al. The longitudinal effects of resisted sprint training using weighted sleds vs. weighted vests. J Strength Cond Res. 2010;24(12):3287–95.
・Morin, J. B., Petrakos, G., Jiménez-Reyes, P., Brown, S. R., Samozino, P.,& Cross, M. R. (2017). Very-heavy sled training for improving horizontal-force output in soccer players. International journal of sports physiology and performance, 12(6), 840-844.

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