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400m終盤での走技術(減速を防ぐ走り方と練習方法)

400m終盤での走技術(減速を防ぐ走り方と練習方法)

 

400m走の終盤で起きること

 

400m走のホームストレートでは、疲労によってスピードが著しく低下してきます。どれだけ前半が速くても、400mのゴールラインを駆け抜ける最後の最後まで耐えられなければ好記録は望めません。

 

 

この局面では、接地中に身体を浮かせられるだけの筋力を発揮することができなくなったり、次の一歩を踏み出すための、腿の引き出し動作が行いにくくなってきます。これによってピッチもストライドも大きく低下してきます。

 

 

 

 

 

腿を素早く引き出して、ピッチをキープ

 

このような速度低下を極力抑えて走るためには、そもそもの筋肉の持久力を高めることが重要です。一方で、疲労による動作の変化に応じて、走りの意識を変える方策も有効かもしれません。

 

 

400m走のラストでは接地時間が長くなり、滞空時間が短くなりやすいので、その短い滞空時間で次の接地の準備ができていなければなりません。なので、膝を伸ばす動作で地面を押しきるのではなく、少し早めに腿を引き出すような意識で走ってみましょう。

 

 

地面を膝を伸ばすことで完全に押し切ってしまうと、大腿部がさらに後ろに移動してしまい、次の一歩がかなり遅れてしまいます。こうなると、前につんのめった走りになり、ゴール手前での大失速に繋がりかねません。踏ん張りを効かせて、リズムをとにかくキープし、ゴールラインを駆け抜ける気持ちで走りましょう。

 

 

以下のような一流選手(特にL・メリット選手)でも、そのような動作を見ることができます。参考にしてみてください。

 

 

 

参考動画(L・メリット)

 

 

 

 

 

400mの終盤の減速を防ぐ練習方法

 

終盤の速度低下を抑えるためには、筋肉そのものの持久力を改善させることが必要です。そのためには、実際に400mを走るような練習をするのはもちろん、短い距離のスプリントを短い休息で繰り返し、エネルギーを減らし続けるような練習も効果的です。

 

 

関連記事

・陸上短距離(100m 200m 400m)における後半の速度低下を改善させたい人へ

 

 

一方、400m走における終盤の技術を改善するための練習ですが、最も手っ取り早いのが、400m走の終盤と同じような状況を作って、やりたい動きを意識して走ることでしょう。そのために数多くレース経験を積むのも一つの手です。

 

 

また、ラストの100mを集中して走るために「300m+100m;30秒休息」など、距離を分割した練習も多くみられます。しかし、いくら短くても休息を挟むと「クレアチンリン酸」というエネルギー源が回復してしまうので、筋肉の中の状況は400mのラストとは異なってしまいます。すなわち、回復して動作を素早く行えるようになってしまいかねないわけです。休んで理想の動作をわざと行いやすくしたとしても、実際の400m走のラストでその動きができるかどうかはまた別の話であることに注意しましょう。

 

 

 

参考文献

・山元康平. (2017). 陸上競技男子 400m 走におけるレースパターンの特性. 陸上競技研究, 2017(3), 2-12.

 


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