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重心ってどこにあるのか?(重心の場所と求め方)

重心とは?

重心とは「重さの中心」のことを言い、Centre of mass(COM)とも呼ばれます。

 

物体を作っている各質点は、それぞれ重力によって真下に引かれています。

 

人間の身体で例えると、足部、下腿、大腿、胴体、頭部、上腕、前腕、手などの小さなかたまりが質点で、それらに働く重力の総合的な作用点が「身体重心」です。

 

また、足部や大腿などの各質点にも重心を定義することができます。こちらは「部分重心」と呼ばれます。

 

 

これは理論的な重さの中心のことを表すので、実際に重心というものが身体の中に入っている…というわけではありません。あくまで概念的なものです。

 


「重心移動を意識」という表現は正しい?

また、重心は姿勢によってもその位置が変化します。短距離走のスタート直後の下の姿勢では、身体重心は身体の外に出てくることもあります。

 

 

「重心はおへその下あたり、丹田にあるから、走るときはそこにある重心を移動させるを意識して…」と、陸上競技の指導現場で言われることがあります。

 

しかし、重心が移動するから身体が移動するのではなく、姿勢が変化したり、身体が移動したりした結果、重心が移動することになるわけです。

 

「重心移動」とはあくまで指導言語であり、実際の意味合いとは異なることを知っておきましょう。

 

重心の求め方

では、実際に重心とはどこにあるのでしょうか?その場所の求め方について紹介します。

 

吊り下げ法

密度が一定の板やボール、その他の小さな物体であれば、糸で吊り下げることで調べることができます。

 

 

異なる2点で吊り下げて、その鉛直線の交点が重心です。

 

 

秋田法

図のような台にヒトを寝かせます。テコの原理から、

 

 

①体重計に作用する力×支点からの距離

 

②身体重心位置にかかる体重×支点から身体重心までの距離

 

①と②は一致するはずなので

 

Wl=FL

 

となり、この式からその人の重心位置を推定できます。

 

 

合成重心(作図法)

図のような脚の重心位置を求めるには、大腿、下腿、足部が元々どれくらいの重量比なのかを参考にします。

 

 

大腿と下腿と足部の重量比が、「6:4:2」だとすると、まず大腿の重心と下腿の重心を結んだ線の、4:6の位置が、大腿と下腿の合成重心になります。

 

その次に、大腿と下腿の合成重心と、足部の重心を結んだ線の2:10の位置を求めると、脚全体の合成重心位置が分かります。

 

 

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