並進運動において、物体に外力が働かない限り、運動エネルギーと位置エネルギーの合計である、力学的エネルギーは保存されることを紹介しました。これを、力学的エネルギー保存の法則と言います。
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これと同様に、回転運動においても、物体にトルクが作用しない限り、その回転の勢い(角運動量)は変化しないという決まりがあります。
それが「角運動量保存の法則」です。
例えば、手を広げた状態でスピンをしていたフィギュアスケート選手が、腕を胸に抱え込んだ姿勢を取ると、回転速度が高まります。
手を広げた状態というのは、回転軸よりも遠くに質点が位置することになるので、慣性モーメントが大きい、つまり回りにくい状態だと言えます。
一方、ここで腕を抱え込むことで慣性モーメントを小さくでき、回転速度を上げることができるというわけです。
しかし、外からトルクが働かない限り、角運動量は保存されるので、手を広げた状態と抱え込んだ状態では、どちらも回転の勢い、角運動量は同じだということになります。
このフィギュアスケート選手が手を広げた時と、胸に手を抱え込んだ時の慣性モーメントが3倍違ったとしましょう。
角運動量=慣性モーメント×角速度
この式の慣性モーメントが3倍になったとしても、角運動量は一定になるので、必然的に角速度は1/3になります。
一方、慣性モーメントを1/3にできれば角速度、つまり回転スピードを3倍にすることができるわけです。
このように、外力が働かない限り、その物体の角運動量(回転の勢い)は保存される、これが角運動量保存の法則です。
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