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トレーニングはシンプルに、目的から先に考える

トレーニングはシンプルに

トレーニングはシンプルにすることが重要です。あれやこれやと複雑で、なんだか難しいなと感じてしまうようなトレーニング内容は良くありません。いざトレーニングをしようというときに、あれやこれやと迷ってしまうことに労力を費やすのなら、その労力は目の前のトレーニングを頑張る、今やろうとしている練習に集中する労力として費やすべきでしょう。

 

とはいえ、スポーツのパフォーマンスを効率よく向上させるためのトレーニングというのは、細かく考えればどこまでも複雑に考えることができます。そのスポーツのパフォーマンスを高めるためには、筋力が必要、持久力が必要、そのスポーツそのもののスキルも必要、筋力を高めるためのウエイトトレーニングの技術も必要、それらを同時に高めていくか、または順番に高めていくか…など、考えることは非常に多くなります。しかし、そんなことをトレーニング中に考えていたって仕方がありません。

 

なので、トレーニングの計画段階できちんと考えておくことが重要です。そしてトレーニングをやる、させる段階ではシンプルにする。計画するときは簡単なことを多少難しく考えて、実行段階では難しいことをシンプルにしてあげるのが大切です。

 


目的から先に考える

トレーニングを計画するとき「この日はウエイトをやろう」「この日は坂道ダッシュをやりたいな」など、トレーニングの手段から考えるのはあまり好ましくありません。その日の気分でトレーニングが違ってしまえば、得たいトレーニング効果が得られにくい、上手くいったときいかなかった時、どうしてそうなったのかの原因を上手く突き止められないなどの問題につながってしまうからです。

 

なので、トレーニングを考えるときには「その時期の目的」「その週の目的」「その日の目的」など、目的から考えることがとても重要です。例えば、その時期の目的を「筋肥大」に設定するなら、おのずとその時期に優先すべきトレーニングの内容が決まります。目的が「筋肥大」なので、今日は持久走をやろうかな…とはなかなかならないはずです。

 

 

 

時期の目的が筋肥大なので、それを効率的に進めていくための「週ごとの目的」も決めやすくなります。ボリュームを増やす週、少し休みを多くする週などを作ることで、その時期の目的を達成しやすくします。

 

目的は少なく、できれば一つに絞る

目的を設定するときに注意すべきことは、「あれやこれやと目的を詰め込まない」ことです。この時期は「種目の技術を高めながら筋力を高めながら持久力も…」と計画してしまうと、途端にトレーニングが難しくなってしまいます。できれば主目的を1つに絞ってトレーニングするのが良いでしょう。

 

また、主目的を絞ることは、「トレーニングの干渉作用」を防ぐためにも重要です。トレーニングの干渉作用とは、あるトレーニングが、その他のトレーニング効果を阻害してしまうことを言います。

 

例えば、筋肥大や筋力向上をさせたいとき、同時に多量の持久トレーニングを行っていると、筋肥大や筋力向上度合いが低くなりやすいことが知られています。これは、多量の持久トレーニングを並行することで回復が追い付かなくなったり、消費エネルギーが増え、筋肉をつけるために必要なエネルギーが不足したり、持久トレーニングによって、筋肉の合成を促すスイッチ(mTOR)を抑制してしまうことなどが原因です。

 

このことから、筋肥大と持久力向上を同時期に主目的に設定するのはあまり効率的ではないことが分かります。

 

これと同様に、組み合わせが良くないトレーニングの目的と言うものはいくつか存在します。上で挙げた「筋肥大・筋力系+持久系」も然りですが、「筋肥大+筋力向上」も組み合わせが良いとは言えません。筋肥大には比較的多量のトレーニングが必要になりますが、筋力を最大限に高めるには、多量のトレーニングをしていては疲労も溜まりやすく、筋力の素早い立ち上げ能力も一時的に低下してしまうからです。

 

このようなことを防ぐためにも、できる限りトレーニングの主目的は1つに絞って、干渉作用を小さくする工夫が必要です。この方が、トレーニングもシンプルに進めていきやすいのではないでしょうか。

 

トレーニングの「めあて」を一つだけ決めておこう

その日の目的を達成するためのメニューを考えたら、トレーニングの「めあて」を一つだけ決めておきましょう。筋肥大という目的でウエイトトレーニングをやるのなら、設定した負荷で限界まで追い込むだとか、筋パワーを向上させるという目的なら、「イチ、ニのリズムでバーベルを拳上する」だとか、分かりやすくて理にかなったものにします。個々の課題に合わせて設定するのも良しですが、できればその日の目的に沿っためあてにしておきましょう。

 

以下は、100m走選手がトレーニングの「目的」や「めあて」を考えた際の例です。このように、トレーニング計画はできるだけシンプルに残しておくのが望ましいと言えます(あくまで例です)。コーチが選手に提示するメニューであればなおさら。選手が理解できる内容でなければダメです。堅苦しい専門用語を並べて、自分は良いトレーニングをさせているんだぞ、最先端のことをやってるんだぞ、と自己を顕示したいだけの表現ではダメダメです。

 

 

 

このように、自分のトレーニングを計画するとき、他人のトレーニングを計画するとき、いづれにしても最終的にはシンプルな内容にまとめておくことが大切です。シンプルにまとめて、自信をもって、集中力を研ぎ澄ませて、トレーニングが継続できるように工夫してみましょう。

 

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