睡眠について、コチラの動画で詳しく簡潔に紹介しています。
アスリートがスポーツのパフォーマンスを高める上で、睡眠時間の確保は非常に重要な課題だと言えます。
なぜなら、睡眠時間が足りないだけで、怪我のリスクは倍増し、減量も失敗、あらゆる運動パフォーマンスの低下につながるからです。
そのため、より効率的に睡眠時間を確保できるように工夫を凝らす必要があると言えます。
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睡眠時間、睡眠効率の減少に関わる要因の一つに、スマホやタブレット、パソコンなどのライトを浴びることが挙げられます。
このような光の刺激は、入眠時間を遅らせたり、睡眠の質を悪くすることが分かっています。
そこでの対策として、光の量を調整したり、ブルーライトメガネをかけたり、iPhoneやiPadに備わっている、光の刺激を小さくする「Night Shiftモード」を使うなど、様々な策が考えられます。
※iPhoneのNight Shiftモード
ここでは、これらの対策は本当に睡眠効率を改善するのに役立つのか?について考えていきます。
Night Shiftモードは本当に効くのか?
入眠時間や睡眠効率に関わる重要なホルモンに、「メラトニン」が挙げられます。メラトニンが抑制されてしまうとなかなか寝付けなくなってしまいます。
これに着目してNagareほか(2018)の研究では、寝る前2時間の間にブルーライトメガネをかけさせた群、Night Shiftモードで画面の明るさを高くした群、Night Shiftモードで画面の明るさを低くした群で、その後のメラトニンの抑制度合いを比較しています。
その結果、メラトニンの抑制は、ブルーライトメガネ、Night Shift+明るい画面、Night Shift+暗い画面の順で高くなりました。
※Nagareほか(2018)より作成
また、そのデバイスを使い始めて1時間後よりも、2時間後の方がメラトニンの抑制度合いが高くなっていることが分かります。
このことから、Night Shiftモードを使っても完全にメラトニンの抑制度合いを軽減させることはできないものの、「Night Shift+画面を暗くする+使用時間は1時間以内」で、そこそこ眠りを妨げる原因を抑えられるかもしれない?ということが分かります。
もちろん一番良いのは、その端末を利用しないことに限ります。
しかし、スマホ無しには生きられない現代人にとって、寝る前にスマホが使えないというのは結構な苦痛であるかもしれません。
仕事が残っていて、寝る直前まで使わざるを得ない場合もあるでしょう。
そのような時は、Night Shiftモードを使い、画面をできる限り暗くすることで最低限の対処をしてみましょう。
睡眠について、コチラの動画で詳しく簡潔に紹介しています。
参考文献
・Nagare, R., Plitnick, B., & Figueiro, M. G. (2018). Does the iPad Night Shift mode reduce melatonin suppression?. Lighting Research & Technology, 1477153517748189.