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睡眠不足がスポーツのパフォーマンスに与える影響

睡眠不足がスポーツのパフォーマンスに与える影響

睡眠について、コチラの動画で詳しく簡潔に紹介しています。

 

 

運動パフォーマンスへの影響

 

睡眠不足は、運動パフォーマンスを低下させます。それに関して、以下のような例があります。

 

・30時間の断眠で、50分間の間欠的なスプリントを実施すると、最初と最後の10分間のスプリントタイムと走行距離が低下し、膝伸展筋力の低下もみられた(Skein et al.,2011)。
  
・一晩3時間に睡眠を制限し、アームカール、ベンチプレス、レッグプレス、デッドリフトの最大筋力と最大下での筋力発揮を測定した結果、最大筋力と、特に最大下での筋力発揮が大きく低下した(Reilly and Piercy,1994)。  

 

・30時間の断眠後、30分のトレッドミル走(60%VO2max)の走行距離が低下(Oliver et al., 2009)。

 

 

寝不足だと集中力も落ち、力も入りにくいでしょうし、このような結果は想像に難くありません。30時間も断眠しないし、さすがに一晩3時間は寝るし…という方がほとんどだとは思いますが、4時間睡眠であれば約7日間、6時間睡眠であれば約12日間続けると、一晩徹夜したのと変わらない程度の睡眠不足状態になるということも示唆されています。

 

 

 

認知パフォーマンスへの影響

 

一晩の徹夜群とアルコール摂取群で、注意力のテストを行った研究(Dawson and Reid,1997)では、一晩の徹夜は、血中アルコール濃度約0.09%の注意力低下と同程度の状態になることが示唆されています。酒の量に換算すると、缶ビール2-3本分です。

 

 

さすがにこんな状態で、試合中の的確な判断や、素早い反応をするには無理があります。即座に譲許を判断して、的確な行動をとることが求められるような競技種目では特に、認知能力低下による悪影響は大きくなると考えられます。寝ずに高いパフォーマンスを発揮することは難しいわけです。

 

睡眠について、コチラの動画で詳しく簡潔に紹介しています。

 

参考文献

・Skein, M., Duffield, R., Edge, J., Short, M. J., & Muendel, T. (2011). Intermittent-sprint performance and muscle glycogen after 30 h of sleep deprivation. Medicine & Science in Sports & Exercise, 43(7), 1301-1311.
・Reilly, T., & Piercy, M. (1994). The effect of partial sleep deprivation on weight-lifting performance. Ergonomics, 37(1), 107-115.
・Oliver, S. J., Costa, R. J., Laing, S. J., Bilzon, J. L., & Walsh, N. P. (2009). One night of sleep deprivation decreases treadmill endurance performance. European journal of applied physiology, 107(2), 155-161.
・Dawson, D., & Reid, K. (1997). Fatigue, alcohol and performance impairment. Nature, 388(6639), 235.

 


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