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暑さとスプリントパフォーマンス(暑い中で高いパフォーマンスを発揮するためには?)

暑さとスプリントパフォーマンス(暑い中で高いパフォーマンスを発揮するためには?)

 

 

暑い環境の方がスプリントパフォーマンスは高まる?

 

夏場など、非常に気温が高い中での練習は、熱中症のリスクが高まるほか、長距離や競歩などの持久的な運動パフォーマンスが低下してしまうことが知られています。これは、体内の温度が上昇し、汗や血管の拡張だけでは、熱を外に逃がしきれなくなるからです。したがって、夏場にこのような運動を行う場合には、運動前や運動中に積極的に身体を冷やす必要が出てきます。

 

 

 

 

しかし、短距離走やバイクでのスプリントなど、比較的短時間の高強度運動では、暑い環境の方がパフォーマンスが高まることがあるようです。以下の研究では、30秒間全力ペダリングのパフォーマンスが、暑い環境の方で高くなったことを示しています。

 

 

 

 

このように、短時間高強度運動の場合は、多少暑い方がパフォーマンスが高まりやすい傾向があるようです。

 

 

夏場の長時間に渡る練習や合宿時は積極的な冷却を

 

短時間の運動パフォーマンスは、気温が高い方が上がりやすいとはいえ、夏場の長時間に渡る練習時では話が別です。短距離選手でも、短い時間のトレーニングを繰り返し行ったりすることは、十分持久的な要素を含みます。陸上短距離選手が150mを3本3セット…などの練習を炎天下の中でやるとなれば、体温上昇によるパフォーマンスの低下、熱中症のリスク増加は起こります。

 

 

そのため、練習のセット間を使うなどして、積極的に体温を下げる工夫をする必要があります。陸上競技場であれば、蛇口にホースをつないでおき、水浴びをしたり、アイススラリーを飲んだりすることが有効です。アイススラリーが無ければ、糖質を多く含んだシャーベットなどを食べたり、氷をたくさん入れた冷たいジュース、凍らせておいたスポーツドリンクなどを活用します。とにかく体温が上がりすぎないようにすることが重要です。

 

※スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック.日本体育協会(https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/supoken/doc/heatstroke_0531.pdf)より引用。

 

 

 

参考文献

・Ball, D., Burrows, C., & Sargeant, A. J. (1999). Human power output during repeated sprint cycle exercise: the influence of thermal stress. European journal of applied physiology and occupational physiology, 79(4), 360-366.
・競技者のための暑熱対策ガイドブック.国立スポーツ科学センター.(https://www.jpnsport.go.jp/jiss/Portals/0/jigyou/pdf/shonetsu_2-23pp.pdf


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